外国特許出願の審査官とのインタビュー
こんばんは、とやまです。
暖かくなってきて、いよいよ春到来ですね!
さて、今日は、最近の事例を使って外国特許のお話をさせて頂きます。
一昨日、米国出願で米国特許庁に拒絶されている案件について、現地の代理人(特許弁護士)に依頼して、審査官と面談(インタビュー)をしてもらいました。
通常の特許庁とのやり取りは、書面だけで済ますことが多いのですが、特許出願の技術説明をしたい場合や、審査官が拒絶の根拠として見つけた文献との技術的な違いを説明したい場合には、審査官との面談を活用します。
以下、審査のプロセスについて少し説明しますね。
外国の特許庁に特許出願をすると、審査官という人が、その特許出願が特許に値するものかどうかを審査します。
審査は、審査対象の特許出願と、既存の技術文献(例えば、他の公開特許出願)とを比較して、アイデアとして既存の技術より優れているかどうかを審査します。
それで、審査官は、既存の技術と比較して、特許に値しないと判断したら、特許出願を拒絶します。
拒絶の対応として、特許出願人は書面による応答(反論)をしますが、書面を提出する前に、審査官に面談(インタビュー)を申し込むことができます。
つまり、口頭で自分の特許出願の優位性を説明する訳です。面談は、直接会っての面談であったり、単なる電話での面談であったりし、ケースバイケースです。
いずれにしても、口頭で説明できますので、図面を見ながら、書面よりも分かり易く、相手の反応を見ながら説明できるというメリットがあります。
自分の特許出願と既存の公開技術との相違点も説明しやすくなります。
今回のケースは、自分がお客様に拒絶対応案として提案したところ、お客様の方から、その反論内容で審査官と面談を行って下さい、とリクエストされたものです。
反論内容は、3つのポイントについて、審査官が提示した文献(引用文献と呼びます)との相違点を説明したものです。
あと、それではダメだ、と言われたときの対策として、権利範囲を小さくする修正案も併せて入れています。
で、今回のケースは、審査官との面談の結果・・・・・
・・・・・
・・・・・
こちらの反論に納得してもらいました!
すぐに特許にする、とは言わなかったですが、もう1回リサーチと検討を行い、何も見付らなかったら特許にする、とのことです。
内容自体は自分が考えた案ですので、良い結果が得られて一安心です。
こういった時の反論は、元の日本語が存在する訳ではなく、自分の考えを単純に英文にして説明します。つまり、翻訳ではなく、ダイレクトに英文を書きます。
皆さんのお仕事の場合も、これに近い状況なのではと思います。
こういった、相手を納得させることを目的とする文章の場合には、簡潔でロジックの明快な英文を書く必要があります。
ゴールは、そういった簡潔でロジックの明快な英文を書けるようになることですが、それについては、また次回以降、お伝えしますね~
ここまでお読み頂きありがとうございました。
とやま けい
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発行人:とやま けい
弁理士
米国パテントエージェント試験合格(2017年)
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