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○○さん

こんにちは、とやま　けいです。

昨日は、国内の特許出願で、記載が不明確である、として拒絶されている特許出願について、お客様に対応策をコメントとして提示する、というケースがありました。

特許出願の場合、発明の権利の広さを主張する特許請求の範囲、というパートと、技術内容を説明するための明細書、というパートと、明細書の内容を図解で示す図面、というパートとで成り立っています。

権利範囲は、競合他社が見ても分かるように明確に記載することが求められていて、不明確な記載があると、記載不備で拒絶されます。

今回、この記載不備の拒絶を食らったわけですが、何回読んでも不明確とは思えないのです。

特許庁出身の同僚にも意見を聞きましたが、いや、これは明確でしょう、との見解。

じゃ～、特許庁の審査官に電話するか～ということで電話してみました。

内容を説明すると、そうですね、それを意見書で書いて下さい、と、あっさりとこちらの意見が通りました。

ラッキー！　と思ってお客様にコメントを書いていると、さっき話した審査官から電話がありました。

どうも、自分がどうして拒絶したのかを思い出したらしく、それを説明するため私に電話してきたのです。

話を聞いてみると、イマイチすっきりしないのですが、権利範囲が広すぎて、明細書の記載を超えている、とのこと。

特許の権利範囲の主張は、技術を説明した範囲内にしなければならず、広げすぎると、技術的なサポートがない、といって拒絶されることがあります。

ふに落ちないまま全体を見ると、拒絶されているのは一番広い権利だけで、それより狭い請求項は総て許可されています。

恐らくお客様はその狭い権利で妥協するから、まあ、審査官の言うことを受け入れてもいいか～と思い、審査官に逆らわない案をお客様には提示しました。

一件落着という所なのですが、この審査官はかなり親切な方です。普通、わざわざ追いかけてこちらに電話までしてこないので、結構いい人にあたった気がします。

審査官に電話すると、結構考えていることが分かるので、おススメな対応だと思います。

審査官に面談を申し込むのが良いのと同じですね。

やはり、今の所、直接話すコミュニケーションに勝るものはない、という感じでしょうかね！


ここまでお読み頂きありがとうござました。


ではまた〜


とやま　けい

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発行人：とやま　けい
弁理士
米国パテントエージェント試験合格（2017年）

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