企画書を見て驚いた話
「こんなんで○○○○○○」
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エンジニアライターの
「書いて人生を変える」メルマガ
Vol.0260 2021.6.18
発行者:蔵本貴文(くらもとたかふみ)
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こんにちは。
エンジニアライターの蔵本です。
先日、ある出版社の編集者さんから
書籍の執筆依頼を頂きました。
それは半導体に関する本で、
事情で著者が書き進めることが
できなくなってしまったので、
その企画を引き継いでくれないか
というお願いだったのです。
半導体に関する本は
いつか書いてみたいと考えていたので、
もちろんOKすることにしました。
しかし、目次を頂いてみてみると、
驚くような内容でした。
ここで細かいところを言っても
仕方がないので率直に言います。
読者のことなんておいてけぼりで、
著者の言いたい事だけ書いた
本だったのですね。
これは本当に衝撃的でした。
「こんなんで企画通るのか!?」
私はビジネス書から、
出版の世界を勉強しましたが、
ビジネス書の世界は
さながら戦国時代のようです。
読者ターゲットを明確に定めるとか
読者のベネフィットを考えるとか、
読者に何が受け入れられるか
徹底的に考えつくされます。
そんな本が月に何百冊も出る、
という厳しい世界なのです。
一方、「半導体」の本は、
商業出版であっても、
「自分の言いたい事」で
許されてしまうわけです。
理由は「競争が少ないから」
これは半導体の本を責めている
というわけではありません。
やっぱり勝負をするなら、
分野を選ばないといけない
ということです。
世の中にはブルーオーシャンなどない
という人もいますが、
やっぱり、まだそれはあるのです。
ただ、そんな分野は市場規模は
大きくありません。
しかしながら、小ビジネスで
個人が生きていくには十分です。
そして、それなりの参入障壁も
あるわけです。
「半導体」の場合は専門知識ですね。
ただ、40年くらい生きてきた人には
何か一つはそんな分野があるのでは
と考えています。
例えば、私は「高校数学」の本を
書いています。
ただ「高校数学」で大学受験を狙う本は
良い本がたくさん出版されています。
しかも、大手予備校の優秀な講師が
自分のほとんどの時間を
どうやれば生徒が点を取れるかに費やし、
その結晶が書籍となっているのです。
私がこの分野で勝てるわけがありません。
しかしながら、ちょっと視点を変え、
「実用数学」や「大学以降の数学」を
狙うと、そこはがら空きだったのです。
おかげさまで、私の本は、
重版を重ね順調に売れています。
個人の場合は、
安易に「みんながやっていること」に
手を出してしまってはいけません。
そんな分野では消耗戦になるだけで
個人では勝つことはできないからです。
やっぱり、まず何をするかが
大事なのだなと感じました。
過当競争にわざわざ飛び込む、
「飛んで火に入る夏の虫」
にならないようにしましょう。
●●今日のポイント●●-----------------
競争の少ない分野は意外に存在している。
それを探す努力を諦めないようにしよう。
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