みんなを救いたいと思う時は
1人に集中するのが良いと思います。
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エンジニアライターの
「書いて人生を変える」メルマガ
Vol.0652 2023.12.27
発行者:蔵本貴文(くらもとたかふみ)
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こんにちは。
エンジニアライターの蔵本です。
昔、クラブハウスの科学ルームで
あるサイエンスコミュニケータの
方と話をしました。
その方は素粒子を専門としていて、
ニュートリノの研究をされていたのです。
ニュートリノは小柴昌俊先生の
ノーベル賞受賞で話題になりましたが
簡単なものではありません。
少なくとも大学初頭の物理を
理解していないと意味もわからない
というものです。
しかし、その方は子どもを含む
全ての人にニュートリノを伝えたいと
情熱をもっていました。
しかし、どんな例え話をしても、
わからないものはわかりません。
だから私は、程度対象を絞って
例えば意欲のある理系の高校生に
伝えれば良いのでは、
とお伝えしました。
しかし、その方はとても真面目で
公的機関に勤めていて、
税金を頂いている身分なので、
国民皆さんに成果を還元すべきだ
とおっしゃるのです。
この方の思いは日本の科学レベルの
向上に貢献することなのでしょう。
だから全体に貢献しないと
いけないと思うわけです。
しかしながら、私の考えとして
一部の人に狙いを定めても
最終的には全体のレベルアップに
貢献できると思うのです。
私は数学の本を何冊か
出版していますが、
その中の多くの本の読者対象は
「大学で数学につまづく
理系大学生」です。
かなり狭いのですね。
そもそも理系大学に進む段階で
数学能力は全体の上位1割くらい
にはなるでしょう。
その人しか相手にしていないのです。
でも、その人を救えば、
その効果は全体に及ぶと信じています。
理系大学生がイキイキしていれば、
理系科目に興味を持つ人が増えます。
そして、イキイキした理系大学生が
あちこちで数学を教えて
くれることでしょう。
そうすれば、最終的には影響は
全体に及ぶのです。
全体を変えるということは、
1人を変えた先に
あると思うのですね。
全体に貢献したいという
思いは理解できます。
しかし、現実的に直接には
それを実現できないこともある。
だから、自分が最も得意とする人
に伝えて、全体に波及させる。
世界を変える夢を持っている人には、
まず目の前の1人から始めましょう
と伝えたいと思います。
●●今日のポイント●●-----------------
全体を変えたいと思った時ほど、
まず1人を変えることに集中する。
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