「あいだの力学」の月刊メールマガジンです。 毎月11日に発行されます。

　　　　　「あいだの力学」の気になる間の話
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皆さま、こんにちは。

朝晩に秋の深まりを感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。先日、田んぼで脱穀をしている人たちを見かけました。最近はコンバインで、刈り取りと脱穀とを一度にしてしまうのが多いんですが、その田んぼは農業体験を目的としているらしく、刈り取りのあとの稲を、稲架にかけて天日で干していたんです。子どもの頃によく見かけた光景を目の当たりにして、ふとなつかしい気持ちになりました。

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【今月の気になる間の話】

●わたしと「雑談」のあいだがら

先日、カウンセリングの訓練のため、久しぶりにワークショップ※1に参加した。そこではクライアントさんの置かれている心理的な状態や、今おかれている状況を理解するための訓練として、「即興劇※2」で心の中の状態や、その人視点の記憶を再現する※3ということを良く行う。やってみるとナカナカ難しい訓練だけれども、わたし(和氣ひろゆき)は結構好きな方だ。

参加者からクライアント役を募り、その人の心の中の状況を即興で演じるということを何回か繰り返した頃のこと、「自分の夫婦関係」について考えたいという女性の方が、わたしに「夫(役)」を演じて欲しいと頼んできた。理由を聴くと、男性の参加者の中で一番背格好が似ているかららしい※4。もちろん喜んで引き受けた。

守秘義務があるので詳しい内容は省くが、その人の旦那さんは「営業職で弁が立つ」ということらしい。そこで自分の過去の経験モロモロから引っ張って、「こんなことを言うんじゃあないかな～」と思うことをアドリブでアレコレ言ってみたところ結構あたっていた様子。クライアントになった方も「良い経験になった」と言ってくれたので、まあ良かったんだと思う。もちろん素人の即興劇なので、大目に見てもらっての話だとは思うが。

演技をしていて一つ思い出したことがある。今から20年ほど前のことだが、「あなたは私と会話をしていない」と前妻に言われたことがある。そのときはどういうことかサッパリわからなかったが、今思うと、おそらく仕事のことを「わーっ」と話していて、相手の話を聴こうとしていなかったということなんだろう。
その当時は「男は仕事ができてナンボ」で、相手も「そう思っている」と勝手に思い込んでいたので、自分の仕事がいかに重要で、それが順調に進んでいることを話す(…というか、今思えばただの報告だが)ことが、相手に安心感を与えると勘違いしていたのだ。その勘違いは、結婚生活が破綻するまで気づかなかったという訳だ。

そんなイタイい思いのおかげか、今の妻(和氣より子)とは…まあ、低レベルのバカ話も含めて結構色々な話をしていると思う。もちろん仕事の話もするけれど、日々の発見や、良かったこと、なんだかモヤモヤしたことをお互いに話しているし、それを聴いての感想を言い合ったりもしている。たとえば近所の子どもの行動が面白かったとか、スーパーのキュウリが高くてモヤモヤしたとかいった話だ。本当にとりとめがない話。オチを気にしない話。全部ひっくるめて雑談をしているんだろうと思う。


近年、人間関係の研究で雑談の重要性が見直されているらしい。ネットを調べると雑談に関する記事があちこちに掲載されている。でも自分の感覚から言うと、雑談は結果的にそうなるのであって、意識している訳ではない。そもそも意識していたら、リラックスなんてできないし、とても窮屈だ。

そう考えると、「雑」という名前がついているものの、「雑談」はコミュニケーションのレベルが高くなって初めてできるものなのかもしれない。そしてぼくの場合は、イタイ思いをして、ようやくたどり着けたということなのだろう。

(ひろゆき)


※1:「諸富祥彦に学ぶ『人生を最高に生きるEAMA』」
→ https://peatix.com/event/4056936

※2:「インプロ」「インプロヴィゼーション(Improvisation)」とも言います。

※3:自分以外の人たちに、自分の心の中の状態を演じてもらうと、(1)当の本人は自分の状況を第三者の視点で客観的に観ることができる (2)演じている人たちは、演じることをとおして、その人の気持ちをより深く理解できる…という効果があります。

※4:今考えると、ぼく以外の人たちは、みんな身長が高かったからかなあ(笑)。「身長が低い」ではなく「背格好が似ている」というところに、やさしさがあるねぇ。


【今月のトピックス】

●和氣ひろゆきが執筆した原稿が、
　キャリアクリエイツ様のケーススタディ教材に掲載されます

（株）キャリアクリエイツ様の教材「LDノート」のケース事例 No.1421
「ジョブ型新人へのOJT」について、和氣ひろゆきが解説を加えています。

【お申込み等】※キャリアクリエイツ様HP
→ http://www.ld-note.com


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