「あいだの力学」の月刊メールマガジンです。 毎月11日に発行されます。

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　　　　　「あいだの力学」の気になる間の話
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2018/7/11
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皆さま、こんにちは

先月18日に発生した、大阪府北部地震にて被災されました皆さまに、
心よりお見舞い申し上げます。

あいだの力学のぼくたちが住んでいる、生駒市の自宅も大きく揺れ、
家の中の本棚が倒れてしまいました。
（どうやら、ぼくらのところは震度5弱ぐらいだったようです）

幸いケガもなく、インフラもダメージを受けなかったので、被害と
いえば親戚からもらったガラスのインテリアの温度計が、割れてし
まったぐらいで済みましたが、

もし、もう少し揺れが大きくて、家の中がめちゃくちゃになって
しまったら…と思うと、被害に遭われた方たちの状況が、とても
他人事のように思えません。


まもなく1か月を迎えますが、気持ちだけでも、そばに寄り添って
いたいものです。

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【今月の気になる間の話】

●「罪」と「罰」のあいだがら

目黒の幼児虐待死事件、新幹線の殺傷事件、静岡の女性遺棄事件、富山の
交番襲撃事件など、ここ最近、痛ましい事件が多くて気が滅入る。凶悪
事件が起こるたびに繰り返される、犯罪者に対する厳罰化の議論…本当に
息がつまりそうだ。

「いったい日本はどうなっているんだ！」と言いたくなる気持ちもある
けれど、それ以上に、わたし（和氣ひろゆき）は、容疑者の表情―
みんな、どこか虚ろで、心がこの世に居ない感じ―が気になっている。
本当に、本当に、どの容疑者も似たような「虚ろな」表情をしている。

この表情…どこかで見たことがあるな…と、記憶をたどると、あるドキュ
メンタリー映画を思い出した。「アクト・オブ・キリング」※1という
映画だ。

この映画は1965年～66年にかけて、インドネシアの各地で起きた、虐殺
事件※2の様子を、当時の加害者（虐殺の当事者）の一人である、
アンワル・コンゴ氏と、その仲間たちの視点で演じてもらい、その様子を
撮影したものだ。

アンワルたちがときおり浮かべる表情と、前述の凶悪事件の容疑者の
表情とが、気味が悪いぐらいに似ている。どちらも、どこか虚ろで、
心がこの世に居ない感じ…そんな風に見える。


発達心理学者のバロン・コーエン(Baron-Cohen,S.)博士は、人間が悪行
を働く背景には、他者に対する共感の衰退があるという仮説を立てて
いる（「マインド・ブラインドネス／心の盲目状態」という）。

実は、人が他者に対して共感できる能力は、自分自身の気持ちを感じる
能力と、表裏の関係にあり、他者の気持ちを感じにくい人たちという
のは、実は、自分の気持ちも感じにくい人たちでもあるのだ。

ちょっと想像して欲しい。もし、あなたが自分の気持ちを感じることが
できなかったとしたのなら、「この世界」をどんなふうに感じているの
だろうか？…と。

それは、楽しいも、うれしいも、悲しいも、寂しいも、腹立たしいも、
何もない世界…ひょっとしたら、彼らは無味乾燥で、「生きている感覚」
さえも感じられない、空虚な世界に居るのかもしれない。もしそうなら、
「虚ろな表情」をしているのも、少しわかる気がする。


アンワルは、自分たちが行った虐殺の情景を、何度も再演することを
とおして、虐殺された人たちのことを、徐々に考えるようになった。
そして、ついに、自分が行ったことの罪深さに気づき、後悔と懺悔と
自己嫌悪の念に、身をよじって苦しむことになる。

わたしは、犯した罪に対して責任を取ることは当然のこととしても、
罪を犯したこと、そのものに対して、当人が後悔や自責の念を感じる
ことも、人として大事なことのように思う。

そうした人間らしい「罪悪感」も、「何も感じない世界」に居る限り、
感じられないのかもしれない。もしそうならば、当人の意識を、
「感じない世界」から追い出し、アンワルのように、自らの罪深さを、
内臓から感じられるようにする必要があるだろう。

それは、虚ろな表情の犯罪者に、もう一度、他者に共感する能力を、
獲得してもらうことを意味しており、映画は、そうしたやり方も、
十分に可能で、意味があるということを、物語っているように思う。


（ひろゆき）

※1 「アクト・オブ・キリング」
　・オフィシャルサイト（英語）→ http://theactofkilling.com/
　・Wikiページ（日本語）→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

※2 当時のスカルノ大統領に対するクーデターに合わせる形で、
　　「共産党狩り」が起き、100万人規模の大虐殺に発展した事件。
　　虐殺の当事者たちの多くは、その後、政治の中枢で権力を握ることと
　　なったため、処罰も何もされなかった（2012年の映画の撮影時点でも
　　「悠々自適の毎日」を過ごしている状況にあった）。
　　・なお、タレントとして有名なデヴィ夫人が、インドネシアに帰れ
　　　ないのは、そうした政治上の理由でフランスに亡命したから
　　　なんです。


【今月のトピックス】

●和氣ひろゆきが仲間のプロバイダと、TREの初心者向け体験教室を
　開催していま～す♪

前回は4名の方に参加していただきました！
みなさんそれぞれの、ストレススッキリの「笑顔」をみられたこと、大変
うれしく感じました。「定期的にしてほしい！」など有難いリクエストも
頂き、なんだか、ますます調子に乗っちゃいそうです！

ぜひぜひ、ふるってご参加ください！


[詳細]
・下記日程のうち、ご都合が良い回にご参加ください（どの回も同じ内容です）
　・2018年7月14日(土)10時～12時(開場9時45分ごろ)
　・大阪府立男女共同参画・青少年センター（ドーンセンター）
　　和室1,2
　・詳細とお申込みはコチラ→
　 https://www.kokuchpro.com/event/kansai_tre_startup/302739/

　・2018年8月11日(土)10時～12時(開場9時45分ごろ)
　・大阪府立男女共同参画・青少年センター（ドーンセンター）
　　多目的ルーム
　・詳細とお申込みはコチラ→
　 https://www.kokuchpro.com/event/kansai_tre_startup/302741/

　・2018年9月15日(土)10時～12時(開場9時45分ごろ)
　・大阪府立男女共同参画・青少年センター（ドーンセンター）
　　多目的ルーム
　・詳細とお申込みはコチラ→
　 https://www.kokuchpro.com/event/kansai_tre_startup/302746/

[参加費]
　2,000円 ※会場でお支払いください(現金のみ)

[定員]
　20人(先着順)

[持参物]
　・締め付けが少ない、動きやすい服装でご参加ください。
　・汗拭きタオルや、水分補給の飲み物を持参されると良いでしょう。
　・筆記用具があると便利です。
　・ヨガマットをご持参ください（もしなければタオルケットなどで
　　代用できます）。会場によっては貸し出しができる場合もあります
　　ので、お問い合わせください。

[注意]
・以下に該当する方につきましては、参加をご遠慮ください
　・妊娠中の方
　・大きな手術をして、半年以内の方

・以下に該当する方につきましては、担当の医師とご相談の上、参加を
　ご判断ください
　・（上記の場合を除く）病気やケガなどで、治療中の方
　・医師から、運動に関して（制約など）何らかの指示を受けている方
　・急性ストレス障害(ASD)／心的外傷後ストレス障害(PTSD)／境界性
　　パーソナリティ障害(BPD)／解離性障害(健忘／とん走／DIDを含む)／
　　物質乱用／行為障害／統合失調／抑うつなど、精神保健関連の障害で、
　　治療中の方

[備考]
・本イベントは「かんさいTRE愛好会」主催のイベントです。
　あしからずご了承ください。


●和氣ひろゆきが産業カウンセラー関西支部の自主勉強会で、
　講演することになりました♪

8月2日に産業カウンセラー関西支部で開催される、自主勉強会
（木曜会）にて、和氣ひろゆきが講演することになりました！

テーマは「組織開発論」でっす。一般の方も参加できますので、
興味がある方は、ぜひぜひご参加ください！

[お申込み・お問い合わせ]
・Jaico関西支部・木曜会のFacebookページまで
　→ https://www.facebook.com/jaico.kansai.mokuyokai/

[備考]
・本イベントは「産業カウンセラー関西支部／木曜会」主催の
　イベントです。あしからずご了承ください。


【あいだの力学に対するリクエスト募集！】

わたしたち、「あいだの力学」に対して、「あれやって欲しい！」とか、
「こういうのは無いかな？」とか、アイデアやリクエストがあれば、
ぜひぜひ遠慮なくわたしたちに伝えて‡くださいませ。

‡　このメルマガへの返信、もしくはホームページの「お問い合わせ」で
　　連絡して頂ければ、わたしたちに伝わります。
　→ http://www.aidano-rikigaku.jp/

よろしくお願いしますね♪

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これからもわたしたち「あいだの力学」に対する応援、
よろしくお願い申します。