【「何でも書ける」︎著者は、「何も書けない」著者】
コンサル生の
出版イベントに
立て続けに参加して
「本が出てよかったなあ」と
目を細める越智秀樹です。
この心地よい疲れを活力に変えて、
3月は編集作業に
没頭する日々が続きます。
――――――――――――
このメルマガでは、
「そもそも本ってどうやって作るの?」
「本を出したいけど、
どうしたらいいかわからない!」
そんな方にお届けしています。
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PHP研究所の
駆け出し編集者だった頃の話です。
ある著者さんが、
企画の提案に来るというので
先輩編集者と一緒に
話を聞くことになりました。
出された企画書は、
日本の古代史がテーマ。
著者さんは、
学生時代から掘り下げてきた古代史を
新視点で書きたいという
熱い気持ちを滔々と語ります。
しかし先輩編集者が、
「今は古代史より世界史なんだよね」
と言うと、
間髪入れずこうおっしゃったのです。
「世界史ですか?
世界史も書けますよ」
「テーマをおっしゃっていただけたら、
何でも書きますから!」
・・・・・・
打ち合わせの後、
先輩編集者は
静かにこうつぶやきました。
「『何でも書けます』という著者は、
『何も書けない』著者なんだよね……」
驚きました。
僕はというと、
「何でも書けるなんてすごい!」
「どんなテーマでも書けるなら、
こちらのリクエストにも
答えてもらいやすくて都合がいい」
とひそかに思っていたからです。
「『何でも書ける』というのはね、
好奇心旺盛な人が多い。
だからどんな分野でもある程度は書ける。
ただそれだと、
中身が薄い本になってしまいがちなんだ。
『何でも書ける」というのは、
『専門分野がない』と言っているのと
同じなんだよ」
その後、
著者さんから送られてきた
世界史の企画書を見ました。
確かに、
どこかで見たような企画で、
その著者さんならではの
「強み」や「専門性」が感じられません。
何より、
「なぜこの著者が、
このテーマで本を出すのか?」
がはっきりしないのです。
企画は見送りとなりました。
・・・・・・
「専門分野があって、
それについて朝も昼も夜も考えて、
勉強して実践している人が、
著者になれるんだ」
僕は、
先輩編集者のこの言葉を
いつも頭に置いては、
コンサル生さんの企画を考えていきます。
「この著者さんの強みはどこだろう?」
「この著者さんの専門分野はなんだろう?」
「この著者さんは何オタクなんだろう?」
特に初めて本を出す方の場合、
「専門性」が色濃く反映されているほうが、
ベストセラーになる確率が高い。
そこで著者さんの、
「思いっきりとんがっているところ」
を見つける必要があるのです。
みなさんの
「とんがっているところ」
はどこですか?
気づいていないだけで、
必ずありますよ。
それを僕たちと一緒に
探していきましょう!
OCHI企画では、
「「専門性」を磨こうとするあなた」
を応援していきます!
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次回のメルマガは
3月10日(金)に配信予定です。
お楽しみに!
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OCHI企画
越智秀樹
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