稀代の天才が編み出した「ヒットの法則」を分析してみた
「たった一行で世界は変わる!」
OCHI企画 出版寄り添いコーチ・田谷裕章です。
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今回は作詞家の仕事と本づくりの関係について
書きます。
じつは先日、本づくりの過程で
「ひまわり」に関するサイトを調べていました。
そんななか辿り着いたのが
伊藤咲子さんの『ひまわり娘』。
この歌は子どもの頃大好きで
登下校時など、口ずさんでいました。
誰のために咲いたの
それはあなたのためよ
白い夏のひざしをあびて
こんなに開いたの~♪
『ひまわり娘』(伊藤咲子)より
さらに
動画を見てビックリしたのが
曲のクレジット。
作詞がなんと
あの阿久悠さんだったのです!
「阿久悠」=「ピンクレディ」のイメージが強すぎた僕にとって
童謡にも近いこの曲の作詞が
「阿久悠」とクレジットされているのは
衝撃でした。
改めて
「阿久悠という人はすごい人だなぁ」と。
ネットで調べてみたところ、
提供した詩は5000曲以上、
シングルセールスは6800万枚以上!
まさに音楽業界のベストセラー作家です。
そんななか、とても面白い記事をみつけました。
『阿久悠 作詞家憲法15条』。
阿久悠が「作詞家になるにあたって作ったもの」
と書かれています。
少し長いですが紹介します。
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1.美空ひばりによって完成したと思える流行歌の本道と、違う道はないものであろうか。
2.日本人の情念、あるいは精神性は「怨」と「自虐」だけなのだろうか。
3.そろそろ都市型の生活の中での人間関係に目を向けてもいいのではないか。
4.それは同時に歌的世界と歌的人間像との決別を意味することにならないか。
5.個人と個人の実にささやかな出来事を描きながら、同時に社会へのメッセージとすることは不可能か。
6.「女」として描かれている流行歌を「女性」に書きかえられないか。
7.電信の整備、交通の発達、自動車社会、住宅の洋風化、食生活の変化、生活様式の近代化と、情緒はどういう関わりを持つだろうか。
8.人間の表情、しぐさ、習癖は不変であろうか。時代によって全くしなくなったものもあるのではないか。
9.歌手をかたりべの役からドラマの主人公に役変えすることも必要ではないか。
10.それは歌手のアップですべてが表現されるのではなく、歌手もまた大きな空間の中に入れ込む手法で、そこまでのイメージを要求していいのではないか
11.「どうせ」と「しょせん」を排しても、歌は成立するのではないか。
12.七・五調の他にも、音的快感を感じさせる言葉数があるのではなかろうか。
13.歌にならないものは何もない。たとえば一篇の小説、一本の映画、一回の演説、一周の遊園地、これと同じボリュームを四分間に盛ることも可能ではないか。
14.時代というものは、見えるようで見えない。
しかし時代に正対していると、その時代特有のものが何であるか見えるのではなかろうか。
15.歌は時代とのキャッチボール。時代の飢餓感に命中することがヒットではなかろうか。
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この15ヵ条の憲法のもと、5000曲を超える
歌詞が生み出されたのだと思うと
字を追う目に力が入りますね。
読めば読むほど
これらの条文は本作りにも応用できると感じます。
たとえば第一条
文中の「美空ひばり」を『思考は現実化する』に変えたらどうでしょうか。
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『思考は現実化する』によって
完成したと思える「願望実現」の本道と、
違う道はないものであろうか。
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こんな感じで出版に置き換えると
企画の「セルフ壁打ち」に
使えてしまうのです。
ちなみに、15条の
「時代の飢餓感に命中することがヒット」
という一文も、
「時代の憂鬱感」に変えて企画作りに応用できます。
ぜひ皆さんも
この15条をご自身の企画づくりに
活用してみてくださいね。
ピンクレディのベストアルバムを聴いて
ルンルン気分になっている田谷でした。
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発行人:越智秀樹
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