OCHI企画のメルマガです。

OCHI企画のメルマガ

【OCHI企画】増刷の「カラクリ」

2025年04月04日

こんにちは!

OCHI企画 出版マイスター・越智秀樹です。

今日は、
みんな大好き!「増刷」について、お話します。

出版関係者なら誰でも聞くだけでうれしくなる言葉

「増刷(=重版)」

よく
「発売前重版になりました!!」
「発売後10日で増刷が決定しました!!」
という華々しい文言をSNSや新聞広告で見かけますよね。

しかし、ひと口に「増刷」と言っても、様々な「増刷」があるってご存じでしたか。

――――――――

そもそも「増刷」とは、書籍が初版または前回の印刷分を完売、
またはそれに近い状態となった際に、
同じ版のまま追加で印刷・発行することを指します。

つまり、「本がよく売れて、追加で印刷すること」です。

では、増刷がかかった本はすべて売れているのか?

というと、必ずしもそうでないことがあるのです。

――――――――

例えば、ある本の初版が3000部だったとします。
※初版…最初に刷った部数のこと

発売後すぐ、著者さんが大きなセミナーを開催することになり、
緊急で1000部使用することが決定しました。

(そんな大掛かりなセミナーがすぐ決定するのか?
というツッコミが入りそうですが笑)

ところが、出版社には1000部も在庫はありません。
初版の8割~9割は書店に配本してしまっているからです。
※出版社の手元在庫は初版の1~2割程度。初版3000部なら在庫は300~600部

書店に納品したばかりの本ですから、
出版社の都合ですぐに返品してくれとはいえません。

そこで増刷1000部をかけて対応する、
ということになります。

この場合書店で売れている、売れていないにかかわらず
「発売後10日で増刷決定!!」
となるわけです。

――――――――

増刷に絡めて、もうひとつ重要なポイントをお伝えしましょう。

初版部数は、「本によって大きく異なる」という事実です。

これは、
初版部数次第で増刷のハードルが「大きく変わる」ことを意味しています。

具体的に見ていきますね。

例えば、Aという本の初版が3000部だったとします。

増刷は、初版の8割以上が売れて、かつ追加で売れ行きが見込める場合に
検討となりますから、Aは「2400部以上売れること」が増刷の目安となります。

一方、初版5000部のBという本があったとします。

8割を増刷の目安とすると、Bの場合「4000部以上売れること」が
増刷の目安となります。

いかがでしょう。
増刷検討の時点で、すでに1600部もの開きがありますね。

ここでもう一つ着目してほしいことがあります。

仮にAは1000部増刷がかかったとして、

A=2刷 累計4000部
B=初版 5000部

となり、Aは増刷がかかっても
Bの初版部数5000部より少ないのです。

――――――――

僕はここで増刷の質や中身について、
議論したいわけではありません。

「増刷がかかった、かからない」
で悩む著者や編集者はあまりにも多い。

だから、
「気にし過ぎてはいけない」
ということをお伝えしたいのです。

「増刷をかけたい! 増刷がかかってほしい!!」
という気持ちは、著者ならばみんな思うことです。

増刷になれば、編集者のみならず、営業さん、デザイナーさん、DTPさん、書店さん…みんなが喜んでくれます。

関わった人みんな、ハッピーになるから増刷がかかってほしい。

その気持ち、痛いほどわかります。
編集者も同じです。

しかし、増刷の有無だけで一喜一憂しないでください。

出版もビジネスです。

ビジネスですから、
精一杯がんばっても、どんなにがんばっても
時宜を得ず、刀折れ矢尽きることもあります。

特にビジネス書の場合、「純粋に売れて」増刷がかかる本は
全体の1~2割だと言われています。

そうした狭き門の中で、
やってもやっても報われないということは、やっぱりあります。

でも、諦めないでほしい。

一度「著者になる」と志を立てたのなら、「ベストセラーを出す」と決めたのなら、
1冊、2冊、増刷がかからなかったといって諦めてはいけない。

半年後、1年後、ふとしたきっかけで売れ始めた本を僕は何冊も知っています。

あるいは、あるミリオンセラー作家さんの場合、
ミリオンセラーが出るまでに25冊以上の本を出していましたが
そのほとんどが増刷はかかっていなかったそうです。

そこからミリオンセラーが生まれるのですから、
著者人生、何が起こるかわかりません。

ですから、目の前の増刷に一喜一憂せず、
自分の、自分だけの出版道を歩んでくださいね。

心から応援しています!

OCHI企画では、
「自分の出版道を歩むあなた」
を応援していきます!

――――――――
OCHI企画
越智秀樹
https://ochikikaku.com/
――――――――
メールアドレスの変更はこちら
変更専用ページURL

配信停止はこちら
解除専用ページURL

記事一覧

【OCHI企画】編集者が「それ、本にしましょう!」と言う瞬間

こんにちは! 「たった1行で世界は変わる」 出版マイスターの越智秀樹です。 「本を出したい!」と思ったとき、 こんなふうに考えていませんか。 「まずは企画書を書かないといけない」 「編集者と一緒に

2025年08月08日

世界を席巻する日本産コンテンツの秘密は?

こんにちは! 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 出版寄り添いコーチ・田谷裕章です。 ================== 2019年からスタートしたこのメルマガ。 実は、過去のバックナ

2025年08月01日

【OCHI企画】なぜ、本のタイトル・表紙・目次・まえがき・プロフィールは大事なのか?

こんにちは。 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画・人気女性著者養成コーチの 小関珠緒(こせき たまお)です。 2019年からスタートしたこのメルマガ。 実は、過去のバックナンバーもご覧いた

2025年07月25日

【OCHI企画】なぜ出版を目指すだけで、人生は変わるのか

こんにちは! 「たった1行で世界は変わる」 出版マイスターの越智秀樹です。 出版って、大変そうですよね。 「いやいや、そんなことないですよ!」 と言いたいところですが…… やっぱり、出版は大変です

2025年07月18日

【OCHI企画】選挙と出版の意外な共通点!?

こんにちは。 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 出版寄り添いコーチ・田谷裕章です。 暑い日が続きますね。 今年は梅雨をまったく感じないまま 夏本番となってしまいました。 さて、そん

2025年07月11日

【OCHI企画】影響を受けた「あの本」に、自分の出版のヒントがある

こんにちは。 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 人気女性著者養成コーチの 小関珠緒(こせきたまお)です。 出版したいと願う人の多くには、 「人生に影響を与えた一冊」があるものです。 「

2025年07月04日

【OCHI企画】あなたは「出版を目標にする人」? それとも「出版を楽しむ人」?

こんにちは! 「たった1行で世界は変わる」 出版マイスターの越智秀樹です。 いま、結婚30周年の記念に、 妻とふたりでイギリスを旅しています。 このメルマガは、バース・スパ市という歴史ある温泉の町

2025年06月27日

著者にとって大切な「つながり力」

「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 出版寄り添いコーチ・田谷裕章です。 先日、あるプロジェクトをきっかけに ご縁のできた著者さんのランチ会イベントに 参加してきました。 著者さんのファ

2025年06月20日

【OCHI企画】出版とは、「自分のコンテンツを届ける」ということ

こんにちは。 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 人気女性著者養成コーチの 小関珠緒(こせきたまお)です。 「出版って、すごい人がやるもの」 「まだ実績もないのに、本なんて…」 そんな声

2025年06月13日

「名刺代わりに本を出したい」という人が、正直苦手でした。

こんにちは! 「たった1行で世界は変わる」 出版マイスターの越智秀樹です。 「名刺代わりに本を出したいんです!」 ——こう言ってくる人のことを、以前の私は正直、少し苦手に感じていました。 な

2025年06月06日

言葉と向き合うと世の中=ベストセラーが見えてくる!

こんにちは! 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 出版寄り添いコーチ・田谷裕章です。 前回につづき、 映画『舟を編む』をもとに書いていきます。 テーマは「言葉の採集」。 皆さんはベ

2025年05月30日

【OCHI企画】出版に最適なタイミングって、いつ?

こんにちは。 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 人気女性著者養成コーチの 小関珠緒(こせきたまお)です。 「出版、ずっと気になっているんです」 「いずれ本を出せたらいいなって思ってはいる

2025年05月23日

【OCHI企画】「本に書いちゃったら講座が売れなくなる」は大きな誤解です。

こんにちは! 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 出版マイスター・越智秀樹です。 出版のご相談を受けていると、ときどきこんな声を聞きます。 「講座で教えていることを本に書いたら、本を読

2025年05月16日

【OCHI企画】あなたは「右」を説明できますか?

「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 出版寄り添いコーチ・田谷裕章です。 今回のテーマは「言語化」です。 編集の仕事をしていると、 見出しはもちろん、 オビコピーに書籍タイトルと、 「言

2025年05月09日

【OCHI企画】 AIでは書けない。“あなたの物語”こそが読者を動かす

こんにちは! 「たった一行で世界は変わる!」 OCHI企画 人気女性著者養成コーチ・小関珠緒(こせきたまお)です。 人の役に立つ本って、どんな本でしょう? 知識や最新のハウツーが豊富な本?

2025年05月02日

173 件中 1〜15 件目を表示
<<   <  1 2 3 4 5  >   >>