【Tear’s Letter】性犯罪が「不起訴」になる背景　｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】性犯罪が「不起訴」になる背景　

2019年01月20日

☆このメールは「しあわせなみだ」のメールニュース配信を
希望された方、SHE（Sexual Health Education）検定で
メールニュースにご登録いただいた方に配信しています。
不要の方はお手数ですが下記URLから
配信停止のお手続きをお願いいたします。
https://mail.os7.biz/del/8nJq

★☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
★
★　Tear’s Letter
★　性犯罪が「不起訴」になる背景　　　
★　2019年1月20日　No.397
★
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★

こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

しあわせなみだの活動がメディアで紹介されました！
まずは昨年から開始している、刑法の「性犯罪被害者」の概念に、
「障がい児者」を盛り込むことを求める署名。1/15付「東京新聞」
朝刊首都圏版でご紹介いただきました。
↓記事はこちらです
http://bit.ly/2Dc72fT
↓署名賛同はこちらです
http://bit.ly/2L9F2Mg

そして前回のメールニュースでご案内した「女子高校生が、
ちかんにあった友だちを励ますLINEスタンプ」が、1/11付
『週刊金曜日』に掲載されました。
↓記事はこちらです
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2019/01/17/gender-9/
↓LINEスタンプ購入はこちらです
https://line.me/S/sticker/6059533

いずれもインタビューならびに写真が掲載され、とても丁寧に
取り上げていただきました。
これからもこうした機会が増えるよう、努力してまいります。

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃
┃【Tear’s Letter No.397 Topics】
┃★１．性犯罪が「不起訴」になる背景　　　
┃★２．編集後記
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★１．性犯罪が「不起訴」になる背景　
───────────────────────

犯罪被害にあった時、あなたはどうしますか。
多くの方は警察に届け出るのではないでしょうか。
その後、捜査が開始され、被疑者が特定されると、
容疑者として逮捕、起訴（裁判所に訴訟を提起する）され、
裁判で判決が出ます（※1）。

しかし性犯罪の場合、この流れにならないことがあります。
まず、内閣府の調査では、無理やり性交された方のうち、警察に
相談しているのは、わずか3.7%です（※２）。100人中96人は、
刑法上、被害者として認識されていないことになります。

また性犯罪の場合、被疑者が特定されても、不起訴（裁判ができる
ほどの証拠が集まらない、有罪の見込みがない等と判断し、検察官
が起訴しない）となることが、少なくありません。2017年の性犯罪
の起訴率は、強制性交等罪が32.7%、強制わいせつが37.8%となって
います（※３）。刑法犯全体の起訴率が18.8%なので、平均を
上回ってはいますが、「3人に2人は裁判ができない」ことに
なります。

昨年12月、群馬県の元町長による性犯罪を問われた事件で、
示談（裁判でなく、当事者同士の話し合いによる解決）が成立し、
不起訴となりました（※４）。この事件を踏まえて、今回のメール
ニュースでは、改めて、性犯罪裁判の困難さをまとめました。

☆１）刑法が定める性犯罪の定義の狭さ
強制性交等罪や強制わいせつ罪では、容疑者が「暴行脅迫を
用いた」ことを、裁判で証明する必要があります。自分の身を
守るため、あえて逃げずに抵抗しなかった場合、「同意した」と
判断されてしまう可能性があります。

☆２）性犯罪が心身に与える影響
レイプの後、PTSD（PostTraumatic Stress Disorder、外傷後
ストレス障害、強い恐怖体験がトラウマとなり、当時と同じような
恐怖を感じ続ける）を発症する人は、60%にのぼります（※５）。
警察庁の調査でも、過去に性的な被害を経験した方の41.4%が、
今もなお、なんらかの精神的な問題を感じ、16.2%は「重症精神
障害相当」にありました（※６）。
被害を訴えることは、事件を思い出すことでもあり、裁判が、
心身の傷をより一層深める結果となる場合もあります。

☆３）性犯罪に対する誤解や誤った情報
性犯罪では、誤解や誤った情報が、まるで正しいかのように
信じられていることがあります。
＊隙があった（加害者が、相手の言動や態度を、自分に
都合よく解釈し、「隙があった」と言い訳をします。たとえ隙が
あるように見えたとしても、それは、性行為を正当化する理由
にはなりません。）
＊抵抗すれば逃げられた（高所で足がすくむように、性犯罪や
大災害など、突然の恐怖に見舞われると、身の安全を優先する
ため、体が固まり、動けなくなることがあります。）
＊加害者がはめられた（2017年に刑法性犯罪が改正され、
無理やり性交を「させた」場合も、罪に問うことができるように
なりました。騙されて性交をさせられたのであれば、訴える
ことができます。）

示談の背景には、こうした「性犯罪ならではの困難さがある
可能性」を忘れてはならないこと、そして「不起訴は“性暴力が
なかったことの証明”ではない」ことを、伝えていく必要が
あります。

※１：警察庁『相談・捜査の過程における犯罪被害者への配慮
及び情報提供』（刑事手続きの流れは3-4枚目）
http://bit.ly/2FPcZRV
※２：内閣府
『男女間における暴力に関する調査（平成29年度調査）』
http://bit.ly/2JltZ53
※３：『検察統計調査』「被疑事件の罪名別起訴人員、
不起訴人員及び起訴率の累年比較」
http://bit.ly/2szsPIb
※４：2018/12/28付『毎日新聞』「前みなかみ町長セクハラ
問題示談成立　精神的負担回避か」
http://bit.ly/2CxVhPz
↑理事長中野のコメントが掲載されています
※５：厚生労働省『みんなのメンタルヘルス』「PTSD」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_ptsd.html
※６：警察庁『平成29年度犯罪被害類型別調査調査結果報告書』
http://bit.ly/2RU8oEi

★２．編集後記
───────────────────────

昨日、そして今日は、大学入試センター試験ですね。受験生の
皆さん、そしてご家族の皆さんは、様々な感情を抱えながら、
この日を迎えたのではないでしょうか。
受験に向かう電車の中で、絶対にあってほしくないのが
ちかんです。受験だけでなく、その後の学生生活への希望も
壊されてしまいます。
しあわせなみだでは、「ちかんにあった友だちを励ます」LINE
スタンプを発売しています。あなたも「ちかん反対」の意思を
このスタンプで示してください！
↓「ひとりじゃないよ～癒し系応援スタンプ～」購入はこちら
https://line.me/S/sticker/6059533

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

☆☆☆ー☆☆ー★ーーーーーーーーーーーーーーー

特定非営利活動法人しあわせなみだ
info@shiawasenamida.org

【ウェブサイト】http://shiawasenamida.org/
【facebook】https://www.facebook.com/nposhiawasenaida/
【メールニュース登録】https://mail.os7.biz/b/8nJq
【ブログ】http://blog.canpan.info/shiawasenamida/

【クレジットならびにブランド品販売によるご寄付はこちら】
https://syncable.biz/associate/shiawasenamida
【ご不要になった本・DVD・CD・ゲームによるご寄付はこちら】
https://www.39book.jp/supporter/welfare/shiawasenamida/

【「生きる力に気付けるウェブサイト
「SHE（Sexual Health Education）検定】
http://she.shiawasenamida.org/

☆☆☆ー☆☆ー★ーーーーーーーーーーーーーーー