【Tear’s Letter】性犯罪無罪判決への疑問の声が盛り上がる3つの背景｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】性犯罪無罪判決への疑問の声が盛り上がる3つの背景

2019年05月12日

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★　Tear’s Letter
★　性犯罪無罪判決への疑問の声が盛り上がる3つの背景
★　2019年5月12日　No.410
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

今日は鹿児島にて、障がい児者への性暴力撲滅啓発キャンペーン
「ブリッジング・プロジェクト～ Bridging the Gap～」第1弾を
開催しています。知的障がい者への性暴力を取り上げた映画
「くちづけ」上映ならびに有識者によるトークセッションを、
全国10か所で開催してまいります。

6月までの開催は下記です。

↓5/18（土）13:30～宇部市文化会館大ホール
　http://shiawasenamida.org/171295
↓5/19（日）13:00～大阪市立中央会館
　http://shiawasenamida.org/171045
↓6/8（土）13:00～福岡市アミカス４Fホール
　http://shiawasenamida.org/171132
↓6/29（土）13:00～徳島市ときわプラザ
　http://shiawasenamida.org/171147
↓6/30（日）13:00～ちよだプラットフォームスクウェア
　http://shiawasenamida.org/171342

各地で皆様とお会いできることを楽しみにしています！

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.410 Topics】
┃★１．性犯罪無罪判決への疑問の声が盛り上がる3つの背景
┃★２．編集後記
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★１．性犯罪無罪判決への疑問の声が盛り上がる3つの背景　
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2019年3月、性犯罪の無罪判決が相次ぎ、疑問の声が上がって
います。この動きは性暴力経験者や支援者だけでなく、市民にも
拡がり、性暴力の実態を訴える「フラワーデモ」が、各地で開催
されています。刑法性犯罪見直しを求めるオンライン署名には、
28000人が賛同しています。

↓無罪判決ならびに「フラワーデモ」詳細はこちらです
https://www.flowerdemo.org/
↓「法務大臣へ、性犯罪における刑法改正を求めます。」
オンライン署名はこちらです
http://bit.ly/2HkQ6EX

性犯罪裁判では、これまでも無罪判決が出ていました。
しかし、疑問の声を呈するのは、一部の人々に限られて
いました。なぜこれほどの盛り上がりが起きているので
しょうか。3つの角度から整理します。

☆１）性犯罪裁判の実態が知られていなかった
性犯罪をはじめとする多くの事件は、容疑者逮捕時には大々的に
取り上げられ、関心が集まりますが、その後の経過はあまり
注目されません。このため、不起訴（訴訟ができるほどの証拠が
ない等の理由で、裁判に至らない）や、無罪判決について、
その背景を人々が知る機会は、限られていました。
2017年の刑法性犯罪改正や世界的な#Metoo運動（性暴力の経験を
告白・共有する）の流れを受け、性暴力関連の情報がメディアから
発信される機会が増えました。その中で、性犯罪事件では起訴率が
3割程度であること（※１）、裁判の中で被告側弁護士が、
被害者の職業や過去の性体験等を執拗に追及するような弁護を
行っていること（※2）、有罪率が99％を超える中で（※3）、
無罪判決が出ていること等が知られるようになりました。

☆２）社会全体の価値観の変化
刑法性犯罪は2017年に初めて抜本的な見直しが行われましたが、
元々は明治40年、女性に参政権すら与えられていなかった時代の
価値観を反映して制定されました。このため『被害者が容疑者に
わかるような、抵抗の意思を示さなかった（容疑者が「性行為に
同意している」と勘違いした）』『長年性虐待をし続ける親に
対しても、子どもは抵抗しようと思えばできる』等、令和時代を
迎えた日本における、性的人権や、子どもの人権に対する考え方
とは相容れない価値観に基づく、無罪が言い渡されています。
そこに違和感を感じる世代が、圧倒的に増えてきました。

☆３）意見を発信し共有できる場や方法が増えた
インターネットやSNSは、私たちの生活を大きく変えました。
その１つが、「ネット上での意見表明」です。これまでは、
社会課題に対して何らかの意思を示そうとした場合、その方法は
紙媒体が中心であり、情報を不特定多数に届けたくても、
新聞や会報誌、書籍等、費用や時間のかかるものでした。
誰もがインターネットにアクセスできるようになり、私たちは
世界中どこにいても、瞬時に自らの意見をつぶやいたり、
イベントを企画して発信したり、世論を生み出すきっかけを
創ることができるようになりました。また、特に性暴力等
スティグマ（「被害に遭った側に落ち度がある」等、誤解や
偏見に基づき押し付けられた、ネガティブなレッテル）の強い
分野においては、「匿名で発信できる」ことも、大きな強みと
なっています。こうして私たちは、自らの考えを発信し、
行動できる機会がもてるようになりました。

刑法が定める「性犯罪」と、実際に起きている「性暴力」との
かい離が少しずつでも埋まるよう、これからも様々な方法で、
ともに声を届けていきましょう。

※１『検察統計調査』「被疑事件の罪名別起訴人員，不起訴人員
及び起訴率の累年比較」
http://bit.ly/2Ysshlz
※2 例えば3/20付ハフポスト『性犯罪の法廷は、どれほど被害者を
傷つけるのか　無罪判決の医師わいせつ事件を振り返る』等
http://bit.ly/2uK7sFs
※3『平成29年版犯罪白書』
「2-3-1-1表　裁判確定人員の推移（裁判内容別）」
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/64/nfm/n64_2_2_3_1_0.html

★２．編集後記
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GW明け、令和最初の「Tear’s Letter」をお届けしました。

昨年よりしあわせなみだが力を入れて取り組んでいる「障がい児者
への性暴力」。理事長中野のコメントが5/6付「毎日新聞」に掲載
されました。現行の刑法や裁判のルールは、「障害のある人が犯罪
被害者となりうるのを想定していない」と言わざるをえないこと
等を指摘しています。ぜひご覧ください。

↓「障害者の性被害守り切れない「法の傘」」はこちらです
（有料会員の方のみ全文ご覧いただけます）↓
http://bit.ly/2DZYUPC

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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