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【Tear’s Letter】子どもが性加害者になる時

2019年07月07日

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★　Tear’s Letter
★　子どもが性加害者になる時
★　2019年7月7日　No.418
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

2019年5月から2020年3月にかけて、全国10か所で開催する
障がい児者への性暴力撲滅啓発キャンペーン
「ブリッジング・プロジェクト～ Bridging the Gap～」。
6/8福岡で開催したイベントの様子などを含めた、障がい児者への
性暴力の特集が、NHK福岡で10分ほど紹介されることに
なりました！お近くの方、ぜひご覧ください。

☆7/11（木）18:10-19:00「ロクいち！福岡」
https://www4.nhk.or.jp/P3513/
※大規模災害等が発生した場合、
放送日が変更になる可能性があります

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.418 Topics】
┃★１．子どもが性加害者になる時
┃★２．ウェブサイト更新情報
┃★３．編集後記
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★１．子どもが性加害者になる時
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「性暴力」というと「大人から大人」もしくは「大人から子ども」
に対して行われるもの、というイメージを持っている方が
多いのではないでしょうか。
しかし「子どもから子ども」に対し、性暴力が行われることが
あります。
今年4月、厚生労働省による初の実態調査で、2017年度中に
児童福祉施設等において、子ども間の性的トラブルが732件
起きていたことが明らかになりました。多くのメディアが
報道し、調査結果は大きな衝撃をもって受け止められました
（※1）。

なぜ子どもが加害者になるのでしょうか。3つの視点から
考えます。

☆１）親等からの性暴力の経験やDVの目撃

児童福祉施設の子どもたちは、何らかの理由で親と暮らすことが
できません。その理由の１つが、親による虐待です。
身体的虐待、心理的虐待、放任（ネグレクト）等に比べ、性的虐待
による入所の割合は、それほど高くありません（※2）。しかし
入所後に性的虐待の経験が明らかになる等、虐待行為の中に潜在化
しているだけでなく、発見しづらいがゆえに、福祉機関につながらず、
親と暮らし続けている子どももいます。
また親がDV（ドメスティック・バイオレンス、パートナーによる
暴力）関係にあり、性的に抑圧する姿を目撃している子どもも
います。性行為やAV、ポルノ等を見せられていることもあります。
性暴力が日常にあれば、子どもにとってそれは「当たり前のもの」
として受け止められます。他の友だちや恋人らに、疑問を持たずに
同様の行為を行うことが、子どもによる性加害につながります。

☆２）心身に深いダメージを与えることを理解している

性暴力は、心身に深い傷を残すことが明らかになっています（※3）。
このため、相手に強烈なダメージを与えたい時、心身的苦痛を
加えたい時、その手段として性暴力が選択されることがあります。
集団リンチの最終手段としても、非常に有効です。
殺人や傷害等であれば、加害者はほぼ間違いなく処分を受けますが、
性に対する暴力であれば、訴えられる可能性はわずかであり（※3）、
何のお咎めもなく、その後の人生を歩んでいる人も、多くいます。
これが、相手を支配するために性暴力が用いられる、大きな理由
にもなっています。
「スクールカースト」とも呼ばれる、子どもだけの世界で、上位に
君臨するための行為が、子どもによる性加害につながります。

☆３）自己肯定感の低さ

暴力は、会話等の他のコミュニケーションと比べて、圧倒的に
簡単に、相手を自分の思い通りに動かすことができます。
このため「自分が相手を受け入れてくれた」「自分の言動を
評価してくれた」といった錯覚に陥ることがあります。
他人との関わりにおいて、性暴力をはじめとする暴力を選択して
いる人は、往々にして自己肯定感が低く、周囲からの評価を
自己の基準としていることがあります。暴力によって、自分の
言動が支持されることを、自らの成果として獲得し、自分の
存在意義を蓄積していきます。
日本の子どもたちは、海外と比較して、自己肯定感が低いことも
明らかになっています（※4）。自らの存在を確認するための
行為が、子どもによる性加害につながります。

子ども時代の性加害経験は、成人後も本人の人生の歩みに
大きな影響を及ぼします。一方子ども時代に、適切な環境の中で
正しい知識を身に着けることにより、暴力を振るわない選択が
できる力を養うこともできます。
まず私たち大人が、自己、そして他者を尊重する関係を構築し、
子どもたちと共に、性、そして性暴力に関する正しい情報を
得ていくことが大切ではないでしょうか。

※1
調査概要は4/26付『日本経済新聞』をご覧ください
https://s.nikkei.com/2NB49g5
厚生労働省『児童養護施設等において子ども間で発生する
性的な問題等に関する調査研究報告書』はこちらです
（PDFファイルです）
https://www.mhlw.go.jp/content/000504698.pdf

※2厚生労働省『児童養護施設入所児童等調査結果
（平成25年2月1日現在）』
http://bit.ly/30iR1xg

※3例えば内閣府の調査では、無理やり性交された経験の後、
何らかの生活上の変化があった人は、70.1％にのぼります。
一方性暴力の経験を誰かに相談した人は39.0％にすぎません。
『男女間における暴力に関する調査（平成29年度調査）』
http://bit.ly/30cDDuP

※4例えば内閣府の調査では「自分自身に満足している」と回答
した日本の子どもは45.8％で、調査対象の7か国中最下位です。
『平成26年版　子ども・若者白書』
http://bit.ly/32aFX7j

★２．ウェブサイト更新情報
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☆【しあわせなみだの本棚】に姫野カオルコ著
『彼女は頭が悪いから』を掲載しました
https://booklog.jp/users/shiawasenamida

★３．編集後記
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今日は七夕。関西では遅い梅雨入りの一方、沖縄では早くも
梅雨明け。日本列島は本当に豊かな気候を湛えていますね。
来週は海の日で連休！ということで、「Tear’s Letter」もお休み。
次回配信は7/21です。災害も相次いでいます。どうぞ無理せず、
穏やかにお過ごしください。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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