【Tear’s Letter】社会をどちらから見るのか～菊池悦子のSmile Tear～｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】社会をどちらから見るのか～菊池悦子のSmile Tear～

2019年09月29日

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★　Tear’s Letter
★　社会をどちらから見るのか～菊池悦子のSmile Tear～
★　2019年9月29日　No.427
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

現在法務省で開催されている「性犯罪に関する施策検討に向けた
実態調査ワーキンググループ」で、「障がい児者に対する性犯罪の
実態」をテーマにしたヒアリングが開催されました。
このワーキンググループは、2017年の刑法性犯罪見直し後の実態
把握のために設置され、今後更なる見直しを検討する上で必要と
なる調査研究を、実施しています。ヒアリングの実現は、
「障がいに乗じた性犯罪」創設に向けた、大きな一歩となりました。
法制度化実現に向け、引き続き応援よろしくお願いいたします。

↓詳細は9/27付しあわせなみだのブログをご覧ください
http://blog.canpan.info/shiawasenamida/archive/1264

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.427 Topics】
┃★１．社会をどちらから見るのか～菊池悦子のSmile Tear～
┃★２．編集後記
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★１．社会をどちらから見るのか～菊池悦子のSmile Tear～
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こんにちは。しあわせなみだの菊池です。

最近、すっかり秋らしい過ごしやすい陽気になってきました。
しかし、先日の台風被害の影響が続いている地域の方も
いらっしゃると思います。首都圏であっても、これほど復旧に
時間がかかる状況に驚いています。被害に遭われた方たちが、
一日でも早く通常の生活に戻られることを祈っております。

さて、もうひとつ最近気になったニュースについてです。
子どもが犠牲となる虐待事件が続いています。目黒区で起きた
虐待死事件の裁判は、社会からの関心も強く、大きくメディアに
取り上げられました。

私と同じように40代で子どものいない友だちと会った時にも、
この事件が話題となりました。事件について話す中で、私たちは
子どもがいなくても、社会の見方がだんだん子ども側から親側の
目線へと変化してきたという点で意見が一致しました。

なぜ子どもを守らなかったのかと、母親への非難の声が上がって
います。実際に裁判の中でも裁判員から「体を張って」子どもを
守ったことはないのか、という質問が出ました。

もちろん、子どもの命は守れた方がいいに決まっています。
暴力によって幼い子どもが命を落としてしまうことは、許される
訳がありません。けれど私と友人は、自分がこの母親の立場で
あったなら同じようなことをしてしまったかもしれない、
と感じていました。

この事件の中で母親は加害者である父親から、繰り返し「しつけが
出来てない」「母親失格だ」と責められています。そのため、
子どもの面倒を見ることで「甘やかしている」と怒られることを
恐れ、可愛がることが出来なくなっていきました。そして事件後
にも子どもを守れなかったのだから、「母親失格」だと社会から
責められています。

千田有紀さんは、次のように述べています※1。
「本来、怒りの矛先が向かうべきなのは、加害者である父親です。
『守らなかった母親が悪い』と被害者でもある母親にだけ怒りの
矛先をむけるのであったら、私たちはそれを『母性神話』と
呼ぶのではないでしょうか。」

性暴力の被害者が、「死ぬ気で抵抗しなかったからだ」と
責められることがあります。本人は恐怖で体が動かなかったのかも
しれません。あるいは、必死でその状況の中で出来る抵抗を
していたのかもしれません。この事件も同じように感じます。
母親は日常的な暴力の中で逃げる力も奪われ、それでも子どもを
助けるために出来ることをしていたように思います。

暴力によって心身が支配される環境の中では、誰もがこの母親と
同じことをしてしまう可能性があります。暴力に対して子どもは、
どれほどの恐怖を感じていたのでしょうか。同時に、わが子を
助けられない母親はどれほどの絶望を感じていたのでしょう。

私は母親側から見た世界の絶望を想像すると、彼女を責めることが
できません。どうか、暴力による支配がこの世から無くなって
欲しいと願うばかりです。

※１　Yahoo!ニュース2019年９月11日　
「結愛ちゃんに「体を張れ」なかったことは罪なのか？　
母親は、DV被害者？虐待加害者？」
https://news.yahoo.co.jp/byline/sendayuki/20190911-00142144/

★２．編集後記
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理事長中野のコメントが、9/17発売の『週刊女性』10/1号に掲載
されました。東京都で起きた、知的障がいのある女性への強制
わいせつ事件について、障がいがあることによる性暴力へのリスクや、
法制度の整備が必要であることを指摘しています。ぜひご覧ください。

[「俺んち来ない？」障害者を狙った、非モテ中年男の
“卑劣わいせつ行為”がヒドすぎる]記事はこちらです]
https://www.jprime.jp/articles/-/16084

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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