【Tear’s Letter】障がい児者への性犯罪を立件する困難さ｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】障がい児者への性犯罪を立件する困難さ

2020年03月08日

☆このメールは「しあわせなみだ」のメールニュース配信を
希望された方、SHE（Sexual Health Education）検定で
メールニュースにご登録いただいた方に配信しています。
不要の方はお手数ですが下記URLから
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https://mail.os7.biz/del/8nJq

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★　Tear’s Letter
★　障がい児者への性犯罪を立件する困難さ
★　2020年3月8日　No.442
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

本日新潟で開催予定だった「障がい者への性暴力が認識される
社会へ」は、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、登壇予定者に
よるトークセッションの動画配信に変更いたします。映画
「くちづけ」をご覧になることを楽しみにされていた皆様、
ご期待に沿えず申し訳ございません。新潟県立看護大学助教で
SANE（Sexual Assault Nurse Examiner:性暴力被害者支援看護職）
育成にもかかわる舩山健二さんと、性暴力を経験した女性・
子どもに寄り添ってきた里村英子さんによるトークを、
ぜひご覧ください。

↓動画視聴の詳細ならびにお申し込みはこちらです
http://shiawasenamida.org/171760

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.442 Topics】
┃★１．障がい児者への性犯罪を立件する困難さ
┃★２．ウェブサイト更新情報　
┃★３．編集後記
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★１．障がい児者への性犯罪を立件する困難さ
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2018年に起きた、障がい者施設での、所長（当時）から利用者への
性虐待事件について、警察は、一旦は立件を見送ったものの、
再び捜査を始め、強制わいせつの疑いで書類送検していたことが
わかりました。再捜査は、極めて異例なことです。

↓事件の詳細はこちらです
http://bit.ly/2MnlxU3
↓書類送検の詳細はこちらです
http://bit.ly/2PVSo2m

本来は、最初の捜査で、書類送検に至るはずの事件が、なぜ
ここまで時間がかかったのでしょうか。今回のメールニュースでは、
障がい児者への性犯罪を立件する困難さを、説明します。

☆１）性暴力が起きたことが発覚しづらい
障がいのある方は、自らの意思を、「目線」「指さし」「うなづき」
「声のトーン」等、様々な方法で表現します。このため、日頃から
接している人以外は、その方の考えや思いをくみ取るのが難しい
ことがあります。
障がいのある方が、性犯罪という、平時には起きらない事態に
接した時、どのような表現でそれを伝えるかは、人それぞれです。
誰にも言わず自分の中に押しとどめれば、周囲の人が把握するのは
困難です。また、たとえば、「突然大声をあげて泣きわめく」等、
これまでなかった行為が現れた時、その原因として、周囲が、
性犯罪の可能性を想像できないこともあります。

☆２）障がいのない人同様の対応が求められる
たとえば知的障がいの場合、本人家族が申請すれば、IQ（知能指数）
等に基づき、障がい程度が判断され、手帳が交付されます。等級は、
都道府県によって、多少の違いはあるものの、手帳を所有して
いれば、おおむねIQ70（小学生程度）以下、ということになります。
しかし現行の刑法性犯罪規定において、特に、軽度の知的障がいに
対する配慮を読み取ることは、できません。このため、被害者の
実年齢が13歳（加害者が監護者の場合は18歳）を超えていれば、
障がいのない人同様、「性行為のリスクを理解している」「嫌なら
断る」「必死に抵抗する」等の言動が求められます。

☆３）障がいのない人同様の証言が求められる
たとえば目が不自由な方の場合、相手を「声」「におい」「足音」
等で判断しています。しかし、事件において、物的証拠がない場合、
司法の場で、被疑者を特定する上で重要なのは「視覚に基づく記憶」
です（刑事ドラマで、被害者が、沢山の写真の中から被疑者を特定
するシーンが出てきたり、逃走している容疑者の顔写真や似顔絵が
掲示されることも、その一端を示しているのではないでしょうか）。
このため、目が不自由な方が、被疑者を特定したとしても、
相手が否定した場合、立件は非常に困難になります。

しあわせなみだでは、こうした法制度の現状を変えるために、
「障がいに乗じた性犯罪」創設を求める署名を実施しています。
ぜひご賛同ください。
↓署名賛同はこちらです
http://bit.ly/2L9F2Mg

★２．ウェブサイト更新情報
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☆【イベント情報】に［3/16-3/31限定配信］韓国に学ぶ
「障がい児者への性暴力」を掲載しました
http://shiawasenamida.org/171806

★３．編集後記
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「障がい児者への性犯罪」に関する、理事長中野の寄稿が、
女性の手による女性のためのメディア「ふぇみん」2/25号に
掲載されました。
『「障がいに乗じた性犯罪」創設を目指して』をテーマに、
しあわせなみだが実施した調査や、刑法性犯罪の課題などを
紹介しています。ぜひご覧ください。

↓『「障がいに乗じた性犯罪」創設を目指して』
記事はこちらです（PDFファイルです）
http://bit.ly/2v35P9z
↓「ふぇみん」2/25号のご案内はこちらです
https://www.jca.apc.org/femin/digest/20200225.html

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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