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★　Tear’s Letter
★　世帯主と10万円の行方～菊池悦子のSmile Tear～
★　2020年5月31日　No.451
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

検察官の定年延長を可能にする「検察庁法改正案」をめぐり、
反対の意思を示した、ジャパニーズポップアイコンとも
称される歌手に対し、SNS上で激しい攻撃が行われました。
また、リアリティ番組に出演していたプロレスラーが、自ら死を
選んだ背景には、SNS上での誹謗中傷があったとされています。
検察庁法改正案に反対した芸能人は他にもいる中で、そして何人
もの出演者がいたリアリティ番組の中で、なぜ彼女たちだけが
ターゲットになったのか。そこには「若年女性」という「属性」が
あったと感じます。
加害者は、「抵抗できない」「訴えない」相手を選んで、暴力を
振るいます。また日本では、「男性の言うことを素直に聞く、
ニコニコ可愛い女の子」という、ジェンダー差別に基づく、強固な
イメージ像があります。こうした社会風土が、若年女性に対する
不当な批判を増幅させ、生きづらい状況に追い込んでいるのでは
ないでしょうか。
属性に関わらず、安全安心に自らの考えを表明し、対等に議論が
できる土壌を、養っていきたいですね。

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！


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┃【Tear’s Letter No.451 Topics】
┃★１．世帯主と10万円の行方～菊池悦子のSmile Tear～　　　
┃★２．編集後記
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★１．世帯主と10万円の行方～菊池悦子のSmile Tear～
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こんにちは。しあわせなみだの菊池です。緊急事態宣言は解除
されたものの、まだまだ新型コロナウイルス感染拡大の影響を
受け、落ち着かない日々が続いています。私が所属する大学院も
キャンパスへの立ち入り禁止が続いており、新年度の授業は
オンラインで始まりましたが、一度も登校することが出来ずに
います。

大学と新型コロナウイルスに関連して、考えさせられる出来事が
ありました。新型コロナウイルス感染拡大によって多くの学生が
アルバイト収入、保護者の収入が減少し、学業継続が危ぶまれる
ほど困窮していることがニュースになっています（※1） 。私の
在籍する大学では、こうした状況を危惧した一部の教員が
ボランティアで、経済的に苦しい学生へ食料の配布を行うという
連絡が入りました。しかし連絡から実施日まで時間がなく、
口コミに近い周知方法で果たしてどれくらいの学生が来るのかと
思いながら、そのお知らせを読みました。実際には私の予想よりも
多い80人近い学生が、配布を行った2日間に集まったそうです。
本当に食料に困るほど学生が追い詰められていることを実感
しました。

経済的な理由で退学することがないように、政府は困窮した学生を
対象に学生支援緊急給付金（※2）を創設しました。また、学生へ
独自の経済支援を行っている大学も多いです。それ以外に学生が
当てにできるお金は、日本に住むすべての人を対象とした
10万円の特別定額給付金でしょう。ただ、この特別定額給付金の
申請書が世帯主あてに届くことに引っかかります。

私の知っている範囲でも、複数人の学生が「経済的虐待」とも
言える状況にあるという話を耳にしたことがあります。決して
貧しい家庭ではないのに親から満足なお金を与えられず、
アルバイトで学費や生活費を賄っていたり、学費を盾に親から
過度なコントロールを受けていたり、家族との関係の悪さから
困っていても経済的に頼れなかったり。こうした学生は想像以上に
多いのではないでしょうか。このような学生の保護者が世帯主と
して、本来は学生本人が受け取る権利のある給付金の申請書を
受け取ったとしたら、本人の自由には使わせてもらえないでしょう。
この給付金は、配偶者、親族からの暴力の被害者は世帯主以外でも
申請できるように配慮されています（※3）。ただ暴力が家の外
からは見えず、本人の意思とは異なるお金の使い方を世帯主に
されてしまう人たちは、どのように救済されるのでしょう。

退学を考えるほど追い詰められた学生の元に、確実に10万円の
給付金が届くような家庭ばかりではありません。コロナ禍における
外出自粛が家庭内の弱者へのDVや虐待を増加させることが懸念
されていますが、暴力には経済的なものも存在します。何度も
言われていることですが、改めていま「世帯主」を介する形では
なく「個人」への給付にして欲しかったと感じています。



※1 [大学・専門学校生の2割が「退学検討」学生団体調査]　
『東京新聞』2020年5月3日
https://bit.ly/2XNstNh
※2 [文部科学省「学びの継続」のための『学生支援緊急
給付金』～ 学びの継続給付金 ～]
https://bit.ly/3gCGAxA
※3 総務省特別定額給付金ポータルサイト　
https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/download/
※参考記事：[「給付金、ギャンブルに使われる」　
依存症の家族「個人支給にして」]
『東京新聞』2020年5月27日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/31406


★２．編集後記
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奄美、沖縄に続き、九州南部も梅雨入りしました。しばらくは、
洗濯物を干すのも、天気予報とにらめっこになりそうです。
新型コロナウイルスによる外出自粛で、これまでより上手くなった
「STAY HOME」を、梅雨の自宅での日々にも、活かしたいですね。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。


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