【Tear’s Letter】「不同意性交等罪」における「障がい」とは｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】「不同意性交等罪」における「障がい」とは

2021年02月14日

☆このメールは「しあわせなみだ」のメールニュース配信を
希望された方、SHE（Sexual Health Education）検定で
メールニュースにご登録いただいた方に配信しています。
不要の方はお手数ですが下記URLから
配信停止のお手続きをお願いいたします。
https://mail.os7.biz/del/8nJq

★☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
★
★　Tear’s Letter
★　「不同意性交等罪」における「障がい」とは
★　2021年2月14日　No.480
★
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★

こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

2/13夜、宮城県及び福島県で、最大震度6強を観測する地震が発生
しました。避難所が開設され、ケガ人も出ています。
この地震は、2011年3月11日の東日本大震災の余震と考えられる、
とのこと。自然界は、人間の想像をはるかに超える規模を有する
ことを、改めて実感します。
災害時や感染症など、社会不安が増幅する際は、性暴力が発生する
リスクが高まることが、指摘されています。しあわせなみだでも、
情報を発信しています。ぜひご覧ください。

↓「震災後の性暴力」はこちらです↓
http://shiawasenamida.org/m03_07
↓日本危機管理防災学会『自治体危機管理研究　第18号』
「災害時の性暴力とは～見えないリスクを可視化する～」
はこちらです
http://shiawasenamida.org/data/jemathesis.pdf
↓性の健康医学財団『性の健康ジャーナル　Vol.17　No.3』
「災害時の性暴力撲滅に向け医療従事者に期待すること」は
こちらです↓
http://shiawasenamida.org/data/1810sexualhealth.pdf

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃
┃【Tear’s Letter No.480 Topics】
┃★１．「不同意性交等罪」における「障がい」とは
┃★２．編集後記
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★１．「不同意性交等罪」における「障がい」とは
───────────────────────

現在法務省には「性犯罪に関する刑事法検討会」が設置され、
刑法性犯罪見直しに関する議論が進めされています。

↓「性犯罪に関する刑事法検討会」サイトはこちらです↓
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00020.html

そんな中、市民からは、「不同意性交等罪」を望む声が
あがっています。しあわせなみだが参加する「刑法改正市民
プロジェクト」でも、不同意性交等罪創設を求める署名を
法務省に提出しました。

↓「【緊急署名】不同意性交等罪をつくってください！」
署名サイトはこちらです↓
https://bit.ly/3piTEve

しあわせなみだでは、障がい児者への性暴力に取り組んできました。
そこで今回のメールニュースでは、「不同意性交等罪」における
「障がい」について、解説します。

☆１．現行の刑法性犯罪における「障がい」

現在の刑法性犯罪では、被害者の障がいが「心神喪失もしくは
抗拒不能」状態と認定されれば、「準強制性交等罪」や
「準強制わいせつ罪」が適用されます（※1）。
ただ「障がいがあること」は、本質的には、「心神を喪失」して
いるわけでも、「抗拒が不能」なわけでもありません。「介助を
受けられないリスクを想定し、抵抗できない」「抵抗の意思の
示し方が、第三者に伝わりづらい」「誘導されやすい」といった、
障がいならではの「特性」が、司法の求める「抵抗」の基準を
満たすことが、困難な現状があります。
また、法務省の統計では、平成30年度、被害者に障がいが
あっても「心神喪失もしくは抗拒不能」状態と認定されず、
「強制性交等罪」が適用された事件が43件あり、すべて不起訴
処分となっています（※2）。

☆２．「不同意性交等罪」とは

「同意がなく、無理やり行われる性的な行為」を「性犯罪」として
処罰を求めるものです。
内閣府は、「相手の同意のない性的な行為」を「性暴力」として
います（※3）。しかし日本の刑法では、「暴行又は脅迫を用いて」
わいせつな行為、もしくは性交、肛門性交、口腔性交をした者を
処することになっています（※1）。
法務省の統計では、平成30年度に強制性交等罪で不起訴処分と
された事件387件のうち、不起訴の理由が「暴行・脅迫の認定に
難あり」とされたのは138件、「暴行・脅迫の程度の認定に難あり」
とされたのは55件でした（※2）。この結果を踏まえると、「暴行
脅迫が立証できなかったために、罪に問えなかった事件がある」と
考えることができます。
「実際に起きている性暴力」と「刑法で処罰される性犯罪」の
かい離を埋めるために、「不同意性交等罪」が提案されています。

☆３．「不同意性交等罪」における「障がい」とは

刑法改正市民プロジェクトでは、「暴行・脅迫」及び「抗拒不能」
に代わり、「その他意思に反した性的行為」＝「不同意性交」を
提案しています。また、新たな要件として、「威迫、不意打ち、
偽計、欺罔、監禁、無意識、薬物、洗脳、恐怖」と合わせて
「障害」「疾患」を提案しています。
海外では、「不同意性交等罪」とは別に「障がいを知りうる立場に
乗じた性犯罪」を設けたり、被害者に障がいがある場合は、重罰化
しています（※4）。それは、障がいがあることは、「同意・
不同意の意思を示せない」ことではなく、先に記載した、障がい
ならではの「特性」により、司法が求める「不同意」の基準を
満たすことが難しいためです。

しあわせなみだでは、諸外国同様「障がいを知りうる立場に乗じた
性犯罪」創設を求めるオンライン署名を実施しています。
ぜひご賛同ください。
↓署名はこちら
https://bit.ly/3aeGriS

※1 刑法条文はこちら
https://bit.ly/2OsQXui
なお、被害者が13歳未満の場合、もしくは心神喪失や抗拒不能に
乗じた場合は、暴行脅迫は問われません。
※2 法務省「第14回性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査
ワーキンググループ」
http://www.moj.go.jp/hisho/saihanboushi/hisho04_00032.html
※3 内閣府「令和2年度　女性に対する暴力をなくす運動」
https://bit.ly/3jMB1P4
※4 海外の性犯罪関連条文はこちら
http://www.moj.go.jp/hisho/saihanboushi/hisho04_00015.html

★２．編集後記
───────────────────────

今日2/14はバレンタインデーです。
最近では、売上の一部が、チャリティになるチョコレートも、
販売されるようになりました。これまでは、チョコレートの
原料となるカカオの産地で働く子どもたちへの支援等が中心
でしたが、今年は、新型コロナに携わる医療従事者への感謝を
伝えるものも、出てきています。
「バレンタインは菓子メーカーの戦略」という批判もありますが、
寄付を身近に感じるきっかけになったり、普段なかなか
伝えられない気持ちを届ける機会として活用するのも、よいのでは
ないでしょうか。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

☆☆☆ー☆☆ー★ーーーーーーーーーーーーーーー

特定非営利活動法人しあわせなみだ
mailto:info@shiawasenamida.org

★#コロナを超えて～STOPコロナ暴力キャンペーン～★
https://lonewolfofapirate.wixsite.com/website

【ウェブサイト】http://shiawasenamida.org/
【facebook】https://www.facebook.com/nposhiawasenaida/
【メールニュース登録】https://mail.os7.biz/b/8nJq
【ブログ】http://blog.canpan.info/shiawasenamida/

【クレジットならびにブランド品販売によるご寄付はこちら】
https://syncable.biz/associate/shiawasenamida
【ご不要になった本・DVD・CD・ゲームによるご寄付はこちら】
https://www.39book.jp/supporter/2028/

☆☆☆ー☆☆ー★ーーーーーーーーーーーーーーー