【Tear’s Letter】施策から見える「性暴力被害者を取り巻く現状」｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】施策から見える「性暴力被害者を取り巻く現状」

2021年04月04日

☆このメールは「しあわせなみだ」のメールニュース配信を
希望された方、SHE（Sexual Health Education）検定で
メールニュースにご登録いただいた方に配信しています。
不要の方はお手数ですが下記URLから
配信停止のお手続きをお願いいたします。
https://mail.os7.biz/del/8nJq

★☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
★
★　Tear’s Letter
★　施策から見える「性暴力被害者を取り巻く現状」
★　2021年4月4日　No.486
★
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★

こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

現在第204回通常国会が開催されています。様々な委員会で、
障がい児者への性暴力について、国会議員が質問してくれています。
ブログでは、これまでの質疑と動画を、まとめて掲載しています。
ぜひご覧ください。
https://blog.canpan.info/shiawasenamida/archive/1408

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃
┃【Tear’s Letter No.486 Topics】
┃★１．施策から見える「性暴力被害者を取り巻く現状」
┃★２．ウェブサイト更新情報
┃★３．編集後記
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★１．施策から見える「性暴力被害者を取り巻く現状」
───────────────────────

「性犯罪等被害者支援の取組の充実・強化」が盛り込まれた、
「第4期東京都犯罪被害者等支援計画」が完成しました。計画
策定に当たっては、しあわせなみだも調査に協力をいたしました。

↓「第4期東京都犯罪被害者等支援計画」はこちらです
（しあわせなみだが協力した調査は「第4期東京都犯罪被害者等
支援計画（本文）」のp.81-です。）
https://bit.ly/39IqpwS

性犯罪・性暴力については、被害者への調査結果が、他の犯罪被害
と別に集計が行われており、その実態が、より明らかになりました。
現状を踏まえ、施策の柱には「性犯罪等被害者支援の取組の充実・
強化」が盛り込まれています。

そこで今回のメールニュースでは、この結果を踏まえた、
性暴力被害者を取り巻く現状を紹介します。

☆１）「身近な人」の理解が得られない

性暴力について特に改善が求められているのが「二次的被害」です。
「二次的被害」とは、捜査・公判の過程や、医療、福祉等の場での
配慮に欠ける対応により、更なる心身的傷つきを経験したり、
加害者による報復への恐怖や不安を抱える等、犯罪による直接的
被害以外に受ける、精神的・身体的被害のことです。
性暴力については、「被害者自身の服装や言動等に、被害の原因が
ある」といった「落ち度論（強姦神話）」が加わり、「セカンド
レイプ」と呼ばれることもあります。

東京都の調査では、二次的被害について、他の犯罪に比べ、
「友人、知人」によるものが10ポイント以上、「親、兄弟、姉妹」
によるものが20ポイント以上、高くなっています。
性暴力に対し、「身近な人」の理解が得られないことが、
特徴となっています。

☆２）「性犯罪被害者」でなければ支援の対象にならないことも

国や地方自治体は、犯罪被害者に対し、給付金の支給や、医療費・
心理療法の費用負担軽減等、様々な施策を整備しています。
しかし、性暴力のように、警察への相談が難しく「性犯罪」と
して認知されない場合、妊娠を回避するための緊急避妊薬の
処方等に交付金が活用できるかは、自治体によるばらつきが
あります（※1）。

内閣府の調査では、無理やりに性交等をされた方のうち、警察に
連絡・相談した方は、わずか5.6％です（※2）。つまり、性暴力の
9割以上は、「性犯罪」として認知されていないことがわかります。

都の計画を含め、犯罪被害者関連の施策に「犯罪被害者等」と
「等」がついているのは、「性犯罪」として認知されなくても、
被害者支援センター等に相談し、「犯罪に準ずる心身に有害な
影響を及ぼす行為」として認知されれば、施策の対象に含む
ためです（※3）。
国も、緊急避妊等の公費負担制度が全国同水準で運用される必要性
や、性犯罪に伴う精神疾患が犯罪被害給付制度の対象となることの
周知に、言及しています（※4）。

☆３）障がいのある性犯罪被害者への対応はこれから

犯罪被害者への支援施策においては、犯罪による後遺症として、
障がいを負った方への対応を、充実させてきました。一方で、
障がいのある方が犯罪に遭った場合の相談支援については、
例えば、メール相談が可能な性暴力被害者ワンストップ支援
センターは16自治体にとどまり（※1）、聴覚障害や音声・
言語障害のある方はアクセスしづらい等の課題がありました。

政府は昨年、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」（※5）の中で、
「障害者が被害を受けることが多い一方で、被害が潜在化しやすい」
という指摘を踏まえ、対策強化の方針を打ち出しました。
これを受け、2021年4月から5年間を計画期間とする『第４次犯罪
被害者等基本計画』（※4）では、障がいのある犯罪被害者への
「支援体制の充実のための施策の検討」や、「警察学校等における
研修」「被害実態の調査・分析」等が盛り込まれました。

性暴力を経験した人が必要な支援にたどり着けるように、
そして性暴力のない社会を実現するために、施策の進捗を見守り、
声を届けていく必要がありますね。

※1 内閣府『行政が関与する性犯罪・性暴力被害者のための
ワンストップ支援センター（一覧）』によると、性犯罪・
性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに相談しても、
警察に相談しなければ、医療費等の公費負担の対象に
ならない県が４つあります（2020年11月1日時点）。
https://bit.ly/3cPIkE5
※2内閣府『男女間における暴力に関する調査（令和2年度調査）』
https://bit.ly/3sSrt95
※3 警察庁『犯罪被害者等基本法』では、「犯罪等」を「犯罪及び
これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為」と定義しています。
これは性暴力等、警察に相談しても、被害届を出すことが困難な
行為を指しています。
https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kihon/hou.html
※4警察庁『第４次犯罪被害者等基本計画』
https://bit.ly/3sSqCFi
※5『性犯罪・性暴力対策の強化の方針』
https://bit.ly/3mhR8FK

★２．ウェブサイト更新情報
───────────────────────

☆【しあわせなみだの本棚】に川上未映子著
『夏物語』を掲載しました
https://booklog.jp/users/shiawasenamida

★３．編集後記
───────────────────────

2021年度がスタートしました。昨年コロナ渦で開催できなかった
入学式の開催や、対面とリモートの組み合わせによる事業の推進等、
様々な工夫が生み出されています。不安が安心に変わり、前を
向ける機会が増えていくよう、自分にできることに取り組んで
いきたいです。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

☆☆☆ー☆☆ー★ーーーーーーーーーーーーーーー

特定非営利活動法人しあわせなみだ
mailto:info@shiawasenamida.org

【ウェブサイト】http://shiawasenamida.org/
【facebook】https://www.facebook.com/nposhiawasenaida/
【メールニュース登録】https://mail.os7.biz/b/8nJq
【ブログ】http://blog.canpan.info/shiawasenamida/

【ステッカー購入によるご寄付はこちら】
https://store.ribbonmagnet.jp/?pid=158044173
【クレジットならびにブランド品販売によるご寄付はこちら】
https://syncable.biz/associate/shiawasenamida
【ご不要になった本・DVD・CD・ゲームによるご寄付はこちら】
https://www.39book.jp/supporter/2028/

☆☆☆ー☆☆ー★ーーーーーーーーーーーーーーー