NPO法人しあわせなみだのメールニュースです。 「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目標に、様々な事業を展開しています。 「しあわせなみだ」の活動や、性暴力に関する最新情報をお届けします。 発行団体ウェブサイト→http://shiawasenamida.org/

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★　Tear’s Letter
★　 「性犯罪に関する刑事法検討会」取りまとめ（案）を解説
★　2021年5月16日　No.491
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

理事長中野ならびに理事千谷が、YouTubeに出演しました。
Nobita from Japanが配信する動画で、性暴力以外にも、職場での
性差別、女性ホームレス、家事分担、海外女性との比較等について、
多様な人種、性別の人々が、自らの率直な意見を伝える内容です。
ぜひご覧ください。
※音声は英語と日本語、字幕は英語です

↓「Being a Woman in Japan (Documentary Series Ep.1/2)」
動画はこちらです（全体で56：08、性暴力については37:33から）↓
https://www.youtube.com/watch?v=pJb7HrijLV0

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！


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┃【Tear’s Letter No.491Topics】
┃★１． 「性犯罪に関する刑事法検討会」取りまとめ（案）を解説
┃★２．編集後記
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★１． 「性犯罪に関する刑事法検討会」取りまとめ（案）を解説
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2020年6月から、法務省で「性犯罪に関する刑事法検討会」が
開催され、刑法性犯罪の検討が進められてきました。
4月12日に開催された第15回会議では、取りまとめ（案）が
提案されました。

↓法務省「性犯罪に関する刑事法検討会」
ウェブサイトはこちらです↓
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00020.html
↓「性犯罪に関する刑事法検討会」取りまとめ報告書（案）は
こちらです（PDFファイルです）↓
http://www.moj.go.jp/content/001346064.pdf

そこで今回のメールニュースでは、取りまとめ（案）のうち
「障がい」に関する項目を解説します。


☆１．「心神喪失」「抗拒不能」の適用を安定させるために
「被害者の重大な障がいにつけ込む行為」等を例示列挙する

被害者に障がいがある場合、障がいが、刑法第178条第2項の
「心神喪失」「抗拒不能」状態にあると判断された場合は、
「準強制性交等罪」もしくは「準強制わいせつ罪が」が適用され、
加害者による暴行脅迫がなくても、罪に問えることになっています。
「心神喪失」とは、「精神的な障害によって正常な判断力を失った
状態」、「抗拒不能」とは、「心理的又は物理的に抵抗ができない
状態」とされています（※１）。

しかし、平成30年度に不起訴処分となった性犯罪事件のうち、
被害者が障がいを有していても、それが「心神喪失」「抗拒不能」
と判断されず、加害者による暴行脅迫の有無を問われる
「強制性交等罪」が適用された事件が43件ありました（※２）。
このため、どのような障がい状態にあると、「心神喪失」
「抗拒不能」と判断されるのかを、明確化する必要性が、
指摘されています。

一方で、『そもそも障がい状態を「心神喪失」「抗拒不能」と判断
すること自体が、障がい児者の人権を侵害しているのではないか』、
という主張も、丁寧に受け止める必要があります。


☆２．「他人に生活を依存している状況」を利用する行為への対応

障がいのある方は、食事、排泄、入浴等の日常生活や、
外出、コミュニケーション、書類作成等の社会生活、
また治療や検診、服薬といった医療措置を含め、
他者による支援を必要とすることがあります。

介護者、支援者、医療従事者等による性暴力を拒否する場合、
加害者や、加害者が所属する機関から、必要なケアを
受けられなくなる可能性があります。このため、同意して
いなくても、行為を受け入れざるを得ない環境が生まれます。

障がいにより、生命維持や生活維持に「他人の支援を必要とする」
状況が、性犯罪を問えないことにつながらないよう、対応を検討
していく必要性が、指摘されています。



☆３．「障がい特性」を利用する行為への対応

障がいによっては、論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、
判断等に支障が出ます（※3）。こうした障がい特性は、
「素直で純粋（＝誘導されやすい）」「人懐こい（＝本意で
なくても受け入れる）」「いつもニコニコしている（＝何が
起きているか理解できない）」といった、性暴力を経験する
リスクにつながっています。

現在の刑法では、こうした障がい特性が踏まえられていないため、
「同意した」「抵抗しなかった」「行為後も平静に見えた」
といった、加害者側の主張につながっています。
障がい特性が、「罪を問えないこと」につながらないよう、
規定を見直していく必要性が、指摘されています。


こうした状況を踏まえ、しあわせなみだでは「障がいを知りうる
立場に乗じた性犯罪」創設を求めるオンライン署名を実施して
います。ぜひご賛同ください。

↓署名賛同はこちらです
https://bit.ly/3hzLnDb


※１ 法務省「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査
ワーキンググループ取りまとめ報告書」p.17
http://www.moj.go.jp/content/001318153.pdf
※２ 法務省「性犯罪に係る不起訴事件調査」p.19-20
http://www.moj.go.jp/content/001318165.pdf
※３ 厚生労働省「知的障害（精神遅滞）」
https://bit.ly/3ygLo4P


★２．編集後記
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しあわせなみだチャリティグッズが増えました！
リボン型のマグネットに続き、
☆リボンステッカー（携帯などにも貼れるサイズ）
☆リボンアクリルチャーム（キーホルダー）
ができました。
購入費の一部がしあわせなみだへの寄付となり、性暴力撲滅に
向けた啓発活動に使われます。ぜひご購入ください！

↓リボンドネーション公式オンラインストはこちら
https://bit.ly/2RZm16B

☆最後までお読みいただきありがとうございました。


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