【Tear’s Letter】「寅さんのなみだ」とは～千谷直史のSmile Tear～｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】「寅さんのなみだ」とは～千谷直史のSmile Tear～

2023年05月28日

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★　Tear’s Letter
★　「寅さんのなみだ」とは～千谷直史のSmile Tear～
★　2023年5月28日　No.576
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新型コロナウイルスの感染防止措置が緩和されたこともあり、
外食、イベント、そして旅行する機会も増えてます。
宿泊先で欠かせないものの1つが、お風呂ではないでしょうか。
異性の子どもを連れて温泉や銭湯等を利用する場合、混浴できる
年齢を「6歳まで」に引き下げる動きが、加速しています。
2020年の要領等の改正で、それまで「10歳以上」であった年齢が
「6歳以上」に見直されたことに伴うもので、条例を定める
自治体も出てきています。
「お風呂」という身近な場所から、子どもの性の尊重を考える
きっかけが増えるといいですね。

↓詳細は5/27付47NEWS『親子混浴「6歳まで」多数派に　条例改正、
引き下げ加速』をご覧ください
https://www.47news.jp/9377465.html
↓「公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について」はこちら
https://tinyurl.com/mscyp7jk

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.576 Topics】
┃★１．「寅さんのなみだ」とは～千谷直史のSmile Tear～
┃★２．編集後記
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★１．「寅さんのなみだ」とは～千谷直史のSmile Tear～
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こんにちは。今月から新たにメールニュース「Tear’s Letter」の
担当をさせていただきます理事の千谷直史です。
よろしくお願いいたします。
今回は自己紹介がてら、私が運営を担当している「寅さんのなみだ」
の話をさせていただければと思います。

寅さんのなみだとは、性被害を受けた女性をパートナーにもつ
「男性」の語り場の会の名前です。2016年から始まり、参加者
ゼロの回やコロナの影響もあり、休会していた事もありましたが、
7年目になります。被害当事者ではなく、パートナーを対象とした
会に確かな意味を見出してはいましたが、果たして需要はあるのか、
集客につながるのかは未知数でした。

「寅さんのなみだ」という名前は参加者の方と名前を決め、この場
では「男(自分)もつらいよ」という気持ちを認め合うという意味が
込められています。

なぜ当事者ではなく、パートナーに対しての支援が必要なのかと
疑問に思われる方もいらっしゃると思います。そういった方々の
ために寅さんのなみだに参加される方が共通して抱く感情を紹介し、
一緒に性暴力がもつ邪悪な力について考えていただければと
思います。

被害を打ち明けられた時「どうして自分に話したんだろう」と
考える方が多いです。一緒に長い時間を過ごすことになる相手
とはいえ、黙っていれば知られることはほぼ考えられません。
実際に「なぜ打ち明けられたのか」聞いた人も中にはいました。
『言わないといけないと思った』と言われたとのことです。

性被害に遭った方の中には自分のことを「汚れた存在」と思う人が
いて、そういう自責の念から付き合う相手として本当に自分が
相応しいのか判断を求めているのかなと参加者で話したりします。
決して答えのない問いをみんなで話し疑問に思っていても本人には
聞けないことを話し合い、この場で消化することでもやもやを
解消します。被害の傷に塩を擦り込むことだと分かっているので、
もちろん帰ってから本人に聞くということはしません。

また、参加者の方が共通して抱く感情として強調して伝えたいのは
「行き場のない殺意」です。加害者に対する殺意ですが、強い
怒りの感情を貯めこんでいると「どうして自分はこんなにも無力
なんだ」と被害に苦しんでいる姿を見ることしかできないことや
たとえ過去のことであってもパートナーが被害に遭ったことに
自分が救いの手を差し伸べられなかったのかと途方もない疑問が
浮かび、次第に自分を責めるようになったりします。

寅さんのなみだに参加される男性の方は性暴力について
勉強されている方が多いので、セカンドレイプをしないように
非常に気をつけていると感じています。そのため、行き場のない
強い感情をパートナーではなく、自分に向ける人が多いのかなと
思います。

他にも、カップルだからこそ、性生活についての悩みもあります。
パートナーを傷つけた行為と同じことをすることに対する恐怖や
それをしたいと思っている自分への嫌悪感。被害に向き合うことは
フラッシュバックや体調が悪くなることも考えられるため、最も
苦しいことであり、そのタイミングは本人が決めるものです。

誘うことも被害に正面から向き合わないといけないため、本人の
意思にかかわらず、急に被害に向き合わせることは避けないと
いけません。
それを分かっているが、このままだとカップルとして進むことが
できないと考えて悩んでいる方もいます。

いかがでしたでしょうか。
性暴力は当事者の周囲の人にも影響があり、傷を与えます。一緒に
悩んで少しでも回復に向かうような関係性になればいいですが、
中には共倒れになってしまうこともあります。

寅さんのなみだでは、今後もパートナーを支える男性を支え、
間接的に性暴力の被害者を支えていきたい。性暴力を容認しない
社会を実現したいと思います。

★２．編集後記
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理事長中野が、特定非営利活動法人Gender Action Platform主催
勉強会「G7諸国で大きな遅れ？性犯罪に関する公正な刑事司法に
向けて」に登壇しました。
「障がいのある人を取り残さない刑法性犯罪改正を～見えづらい
差別を考える～」をテーマに、障がいのある人への性被害は法の
狭間で“見えなくされている"ことを踏まえ、“障がい特性"を
踏まえた刑法性犯罪改正の必要性を、お話しました。

刑法性犯罪改正案は、今週衆議院を通過し、参議院に送られる
見通しです。今国会での成立に向け、引き続き声を届けて
いきましょう。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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