【Tear’s Letter】『〈女子マネ〉のエスノグラフィー』著者インタビュー｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】『〈女子マネ〉のエスノグラフィー』著者インタビュー

2018年05月13日

☆4/8ならびに4/15配信号が一部配信エラーになり、お手元に
届いておりませんでした。心よりお詫び申し上げます。
↓バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
https://mail.os7.biz/b/8nJq

☆このメールは「しあわせなみだ」のメールニュース配信を
希望された方、SHE（Sexual Health Education）検定で
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★　Tear’s Letter
★　『〈女子マネ〉のエスノグラフィー』著者インタビュー
★　2018年5月13日　No.369
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こんにちは！しあわせなみだです。

財務省セクハラに対する麻生財務相の一連の発言について、
しあわせなみだスタッフ千谷のコメントが、5/12付「静岡新聞」に
掲載されました。麻生氏の発言が、これまで性暴力を経験してきた
多くの人びとをも傷つけていることを指摘しています。
是非お読みください。
↓記事はこちらです（PDFファイルです）
http://bit.ly/2KhwEc1

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.369 Topics】
┃★１．『〈女子マネ〉のエスノグラフィー』著者インタビュー
┃★２．ウェブサイト更新情報
┃★３．編集後記
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★１．『〈女子マネ〉のエスノグラフィー』著者インタビュー
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しあわせなみだ元スタッフで、メールニュースで「Smile Tear」
を担当していた関めぐみさんが、書籍を出版しました。
そこで今回のメールニュースでは、関さんへのインタビューを
掲載します。

↓書籍『〈女子マネ〉のエスノグラフィー大学運動部に
おける男同士の絆と性差別』詳細はこちらです
http://www.koyoshobo.co.jp/book/b353292.html

☆書籍出版おめでとうございます！
しあわせなみだでの活動と、活動を通じて
考えたこと、感じたことを教えてください

しあわせなみだでは、2013年1月～2016年10月まで、大阪で
性暴力被害にあわれた女性や性的マイノリティの方を対象とした
ピアサポートグループ「Tear’s Cafe」を開催していました。
また、2016年1月～2017年9月まで、メールニュース
Smile Tearを担当していました。

しあわせなみだを通じてさまざまな方にお会いすることで、
“被害”が本当に身近であると感じるとともに、生き延びる力、
その後の生き方の多様性を知ることができました。性にまつわる
“害を被る”経験をなくしていくための活動を続けていきたいと
いう思いを強くするとともに、PTG（心的外傷後成長）と呼ばれる
トラウマ経験後のポジティブな側面にも触れることができました。
また、たくさんの情報を集め、精査し、発信していく重要性も
経験させていただきました。

☆女子マネをテーマに論文を執筆しようと
考えたきっかけを教えてください

研究を始めた頃は、いわゆる“体育会系男子”の集団が起こした
性暴力事件にまつわる情報を集めていました。そのなかで、
「ホモソーシャル」と言われる男同士の絆の問題性を暴くため、
ある大学のアメリカン・フットボール部で調査を開始しました。
約1年間の観察を通して気づいたことは、男同士の絆へ影響を
与える“女子マネージャー（以下、〈女性マネ〉）”の存在でした。

海外ではそもそも〈女子マネ〉制度がないことを知り、日本の制度
を客観的に書き記し、分析することの必要性を感じ、博士論文の
テーマとしました。その後、男子選手60人に対して
女子マネージャーが40人（！）いる別の大学で観察をおこない、
さらにその後カナダでも同様の調査をおこない、比較研究を実施
しました。

☆執筆してみての気づきや発見、感想を、
特に性暴力、性差別の観点から、教えてください。

そもそも、マネージャーがおこなう掃除、洗濯、炊事等は、
「女子」生徒が「男子」生徒のために「女性的役割」を担うという
点で、性別役割分業が学校内で再生産されていると批判されて
きました。また、「体育会系」の部活動に所属する女子大学生が、
「一般」の女子大学生よりもセクシュアル・ハラスメント（以下、
セクハラ）を認識しづらく、深刻な問題に発展しやすいという
先行研究がありました。

私の調査の中でも、「女性的役割」を過度に担うことで起こる問題
やセクハラ事象が確認されました。マネージャーの仕事の中に
含まれるマッサージやテーピングは、専門の資格等を持たずに選手
の身体に直接触れるという行為であることから、境界線をあいまい
にさせやすくするのかもしれません。

☆今後取り組んでいきたいことを教えてください。

性差別問題を抱えている〈女子マネ〉ですが、一方で大学レベル
では、実際にマネージャーがミーティングに参加して部の運営に
携わったり、コーチのような仕事を担うことがあります。
カナダでは有償で担われている仕事を無償で、むしろ部費を
払いながらおこなうことで身につけるスキルが、社会人になった際
にどのように生かされるのかに関心があります。

特に、何人かの元マネージャーが、「男性集団の中で過ごした経験
が、今の仕事に生かされる」と話していることの意味を探ることで、
大学での経験と会社の中で起こるセクハラや性暴力の問題を
つなげて考えていきたいと思っています。

これからも、ハラスメントや性暴力を人権の問題として捉え、教育・
研究に取り組み続けていきます。いつも、しあわせなみだの活動を
応援しています。

☆プロフィール
関めぐみ（せきめぐみ）
京都光華女子大学女性キャリア開発研究センター助教。2016年、
大阪府立大学大学院人間社会学研究科博士課程修了（人間科学博士）。
専門は、社会学とジェンダー論。スポーツとジェンダー学会幹事。
ボランティア活動として、LGBT支援事業にかかわっている。

★２．ウェブサイト更新情報
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☆【イベント情報】に[6/10:東京]「社会を変えるワンボイス
～命を支えるルール作り～」を掲載しました
http://shiawasenamida.org/170462
↑しあわせなみだスタッフ山本が代表を務めています

☆【イベント情報】に[6/23-全5回]「性的な傷つきを体験した
女性のためのセルフケアグループ『そよら』」を掲載しました
http://shiawasenamida.org/170429

★３．編集後記
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JKビジネス防止に向けた啓発に、若年女性に人気のモデル、
みちょぱこと池田美優さんが出演しています。「売春」「性交渉」
「強制わいせつ」といった性暴力関連の予防啓発媒体に、
有名タレントが登場することは、少し前までは考えられないこと
でした。それは、こうした媒体に出演することは「本人が被害
経験者である」と受け止められ、「イメージが悪くなる」と
考えられていたからです。
性暴力の経験を告白する「#metoo」は、ハリウッドの有名女優に
端を発し、日本でもわずかではありますが、署名人が自身の経験を
語り始めています。そして性暴力に「No！」ということが、
「ポジティブ」「クール」「カッコイイ」という印象を持ちつつ
あります。こうした機運を皆で盛り上げていきたいですね。

↓池田美優さんが出演する「JKは売りものなんかじゃない。」
動画、ポスター、リーフレットはこちらです
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/index.html

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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