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【Tear’s Letter】政治が抱える3つの性的課題

2018年05月20日

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★　Tear’s Letter
★　政治が抱える3つの性的課題
★　2018年5月20日　No.370
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こんにちは！しあわせなみだです。

イギリスのヘンリー王子が、女優のメーガン・マークルさんと結婚
しました。黒人の血を引くアメリカ国籍で、離婚歴もある年上の
マクールさんとの婚姻が認められたことに、英国ロイヤルファミリー、
そしてイギリスの変化を感じます。一時期は様々なスキャンダルに
見舞われましたが、現在は母親であるダイアナ元皇太子妃を追う
ように、HIV患者等への慈善事業に取り組むヘンリー王子。
末永くお幸せに！

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.370 Topics】
┃★１．政治が抱える3つの性的課題
┃★２．編集後記
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★１．政治が抱える3つの性的課題
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国や地方の選挙で「男女の候補者数をできる限り均等」にするよう
政党に努力を求める法案が、可決成立しました（※1）。2018年3月
時点での日本の国会議員のうち女性が占める割合は13.7％。
191カ国中140位です（※2）。今回成立した法は、罰則規定がない
理念法のため、取り組みは各党の自主性に委ねられますが、「女性が
少ない（いない）ことが当たり前」の現状を、少しでも改善する
ための一歩となることが、期待されています。
そこで今回のメールニュースでは、政治の分野に女性が少ない背景
として、3つの性的課題を挙げます。

☆１．セクシュアル・ハラスメント（セクハラ）の蔓延

2015年に実施された「自治体議会における性差別体験アンケート」
では、女性議員の52％がセクハラを経験していました（※3）。
性暴力を撲滅を推進すべき立場にある議会が、セクハラの場と
なっています。
4月に起きた財務省事務次官のセクハラ問題では、抗議した女性
議員たちに、男性国会議員が「セクハラとは縁遠い方々」と発言、
謝罪しました（※4）。また、この問題を巡る麻生財務相の一連の
発言について、政府は「セクハラ罪という罪はない」と閣議決定
しました（※5）。
セクハラを含めた性暴力は、上下関係に基づき起きていることが
理解されておらず、加害者側の論理で、自らの言動を正当化する
議会に、あらゆる性が安心して参加することは困難です。

☆２．マタニティ・ハラスメント（マタハラ）ならびに
　　　パタニティ・ハラスメント（パタハラ）の蔓延

国会議員には産休は、「出産のための休暇」として認められて
いますが、育休は認められていません。国民の9割も、国会議員の
育休に反対しています（※6）。また公用車で議員会館内の保育所に
子どもを送迎していた議員も、批判の対象となりました（※7）。
一方北欧諸国では、休業期間中に職務を代行する「代理議員制度」
が存在。イギリスでは首相が、制度外ではあるものの、育児休業を
とっています（※8）。
「出産育児をしない」ことが前提となっている議会に、子どもを
産み育てる世代、とりわけ出産の主体である女性が安心して参加
することは困難です。

☆３．性的指向や性自認を理由とするハラスメント（SOGIハラ）
　　　の蔓延

日本にはLGBTQを法的に認める法律がありません。このため公的
機関が発行する、住民票、出生届、保険証といった、あらゆる書類
や証書では、性別欄に「男」「女」と明記され、同性の婚姻も
認められていません。婚姻については、証明書を発行する自治体も
出てきていますが、存在自体を承認していない議会に、多様な性を
持つ人々が安心して参加することは困難です。

「男女の候補者数をできる限り均等」にし、だれもが安心して参加
できる政治の実現には、解決すべき性的課題が山積みであるように
思います。

※1　5/16付毎日新聞『男女候補者「均等」に　罰則規定なし』
https://mainichi.jp/articles/20180517/k00/00m/010/070000c
※2 GLOBAL NOTE『世界の女性議員割合国別ランキング・推移』
https://www.globalnote.jp/post-3877.html
※3 アンケートの詳細はこちらです
http://www.dh-giin.com/article/20151110/4407/print/
※4 4/22付毎日新聞
『反セクハラ自民・長尾氏、女性議員に「縁遠い方々」』
https://mainichi.jp/articles/20180423/k00/00m/040/091000c
※5　5/18付毎日新聞
『政府「セクハラ罪」存在せず　答弁書を閣議決定』
https://mainichi.jp/articles/20180518/k00/00e/010/220000c
※6　2016/2/1付YOMIURI ONLINE
『国会議員の育児休業制度化、9割が「No」』
http://www.yomiuri.co.jp/yesno/20160201-OYT8T50082.html
※7　2017/6/30付JCASTニュース
『金子議員の「公用車で保育所送迎』
https://www.j-cast.com/2017/06/30302136.html?p=all
※8 2016/1/8付東洋経済ONLINE
『「育休」を国会議員の特権にしてはならない』
https://toyokeizai.net/articles/-/99754?page=2

★２．編集後記
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映画監督是枝裕和さんの最新作「万引き家族」が、カンヌ
国際映画祭で、最高賞の「パルムドール」を受賞しました。
「誰も知らない」では、親に見放された子どもたちを、
「そして父になる」では、子どもを取り違えられた家族を、
「海街diary」では母の異なる4姉妹を描き、家族のあり方に
様々な視点を投げかけてきた是枝さん。本作では、犯罪でつながる
一家を取り上げているそう。日本での公開が楽しみです！

↓詳細は5/20付「シネマトゥデイ」をご覧ください
https://www.cinematoday.jp/news/N0100948

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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