「あいだの力学」の月刊メールマガジンです。 毎月11日に発行されます。

　　　　　「あいだの力学」の気になる間の話
　　　　　　----------------------------　　2021/9/11

皆さま、こんにちは！

パラリンピックも終了し、朝夕に秋の気配が感じられる今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか？

気づくと近所の田んぼでは、稲が頭を垂れ始めています。
あと少しで刈り入れ―新米の美味しい季節がやってきそうです。

もちろん、まずは炊き立ての白ご飯を堪能したいところ。

でも、今年はおにぎりでもこしらえて、外で食べる…っていうのも
良いな。近所にちょっとした遊歩道があるし。

そんなこんなで、ちょっと楽しみな日々を過ごしています。

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【今月の気になる間の話】


●「白飯」と「わたし」のあいだがら

6月のこと。ひろちゃんに
　「諸富祥彦先生(※1)って知ってる？
　　来月、先生のセミナーに参加するけど、
　　傾聴とかがテーマだから、興味あればよーりーも申し込んだら？」
と誘われました。

わたしは、何の研究をされている方なのか存じ上げなかったのですが、
ひろちゃんから「傾聴を生み出したロジャーズの著作を、たくさん翻訳した
先生だよ」と教えてもらいました。

とりあえず先生が書かれた本でも読んでみようと思い、ネット検索してみると
新著「カール・ロジャーズ　カウンセリングの原点」というのがでてきて、
本の帯にはデカデカと「本物の『傾聴』とは何か？」と書かれていました。

コーチングやキャリアコンサルタントの養成スクールで、「傾聴」について
めちゃめちゃ勉強したから知っているよ―とわたし(和氣より子)は言いたく
なったのですが、セミナーの参加費に比べたら本代なんて安いもんだし、
「とりあえず買ってみよう」という軽いノリで購入したのです。


本を読みはじめてすぐに…
　自分が「知っているつもり」になっていて、
　　ロジャーズの言う「傾聴」については、本当の意味では
　　　分かっていなかったのだ
ということに気づかされました。

スクールでは「受容、共感、(自己)一致」が、ロジャーズの傾聴の基本だと
教え込まれていたので、「受容、共感、一致の３つを足し合わせれば
『ほんものの傾聴』を体現できる、というわけではない(※2)」という本の一節を
読んだときには、「え!?違うの?」とかなり驚きました。

コーチングでもキャリアコンサルティングでも、傾聴は欠かせない重要な要素で、
土台となるものです。自分の傾聴についての認識は間違っていたのだろうか…と
モヤモヤしながらも読みすすめていくと、

ロジャーズの言う傾聴について、自分が誤解していた部分はあるけれども、
決して「間違い」という訳ではないことが分かって、ちょっと「ほっ」としました。
諸富先生の言葉を借りると「深いほんものの傾聴」かどうかが大事だ…ということ
なんです。

一カ月かけて約450頁の本を読み終えたとき、達成感とともに、これまで自分は
クライアントに対して、深い傾聴ができていたのかどうかについて、不安な
気持ちになりました。

そんな折、先輩コーチに近況報告をする機会がありました。

　「この間、諸富先生の新著を読んだんですけど、もっと早くロジャーズの著作を
　　読んでおけばよかったと思っているんです。
　　先輩はずっと前から諸富先生のセミナーで学んだことを、現場で活かしているん
　　ですよね…」

と思わずぼやいたのです。すると…

　「『活かす』?? フン、どうだろうね？
　　わたしは『自分自身』と『知識』の関係は、『白飯』と『ふりかけの関係』と
　　似てるなあと思っているの。ふりかけが美味しくても白飯がイマイチだったら、
　　美味しいとは思えないでしょ？
　　知識どうこうより、よーりーという『白飯』が美味しいものであり続けることの
　　方が大切なんじゃないかなあ。ね！よーりー！」

ハッとしました。「これをもっと早く知っていいたら…」なんて、「タラレバ」を
言っても仕方ないな、と。

数日経ってから、ふと
　「美味しい白飯」の「わたし」って、具体的にどんな状態なんだろう？
ということを考え始めました。

すぐには答えがでなかったので、美味しいご飯を炊くために、普段から気を付けて
いることを思い出してみると…

　・お米の鮮度を維持し、虫がつかないよう、お米はペットボトルにいれて、
　　冷蔵庫で保存する
　・ご飯を炊くときの水加減を厳密にする
　・美味しく炊ける量だけ炊飯器で炊く
　…などなど。

といった感じ。美味しいご飯を食べるために色々なところに気を配ったり―で、
結構手間をかけたりしているな、な～んてね。

改めてさっきの「美味しい白飯」の「わたし」について考えてみると、
　・自分自身や周りの環境を整えながら、「より良く」なることに貪欲である状態
なんだろうな…と。そんなイメージがあらわれてきたのです。


より美味しくなる努力をしつづけると、今回のように認識をアップデートした方が
「良い」こともあると思います。

そのときに、これまで自分がやってきたことを変に否定せず、美味しくなる努力を
やめない自分であり続けたい。そう感じるのでした。

（よーりー）

※1 　諸富祥彦先生　明治大学文学部教授　臨床心理士／公認心理師
　　　→ https://morotomi.net/
※2 　「カール・ロジャーズ　カウンセリングの原点（諸富祥彦著）」177頁

†　　この記事の作成にあたり、岩元佳子コーチにご協力いただきました。
　　　ありがとうございました！


【今月のトピックス】

●和氣よりこが、9月日に開催された
　「コーチング体験会inひろしま」にコーチとして参加しました～！

先の9月5日に開催された、「コーチング体験会inひろしま」に、
和氣より子がコーチとして参加しました～。

参加者の皆さま、そしてコーチングコミュニティひろしまのコーチの皆さま、
本当にありがとうございました～♪

また今後ともよろしくお願いします。


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