「あいだの力学」の月刊メールマガジンです。 毎月11日に発行されます。

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　　　　　「あいだの力学」の気になる間の話
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2018/3/11
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皆さま、こんにちは！

いつもの散歩道を歩いていると…
近所の農家の畑の端っこに植えられている梅の木が、
花を咲かせていることに気づきました。

よ～くみると…、手前だけでなく、奥の木も。
白い花。ピンクの花。ぷっくりとま～るい、かわいい形が、
枝のアチコチについています。

おもわず、にんまり。

少し前まで「し～ん…」としていた森にも、野鳥の声が
戻ってきました。ちょっと賑やか、お日様ポカポカ。

季節は巡り、また春を迎える。

春から春までの一年が、同じ一年の繰り返しではなく、
ちょっとでも、前に進む一年の繰り返しでありたい。

震災からの7年間を振り返り、そんなことを想う今日この頃。

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【今月の気になる間の話】

●「わたし」と「AI」のあいだがら

今から30年くらい前のこと。
当時のわたし（和氣ひろゆき）は、三流理系大学の大学院生。やっていた
ことは応用数学で、生体現象を数学モデルで再現したり、現象そのものを
分析する研究をしていました（…が、結局1年とたたずに、自分の数学の
才能の無さを思い知らされ、修士で就職することになるのですが）。

院生ということもあり、ときどき後輩である、学部生の卒業研究の相談に
乗っていたわけですが、そのうちの一人が研究室の予算の大半を使って、
パソコンに取り付ける、「ある機械※1」を購入し、研究を（…というか、
遊び）始めたのです。

それから「あっ」という間に30年がたち、50を超えたある日のこと、ふと
好奇心でAIのことを調べ始めたら…どこかで聴いたようなハナシがチラホラ。

ほどなく、それが30年前に研究室でみた「あの機械」の改良版であること
に気づき、びっくり！いやあ…まさかこんなところでお目にかかれるとは！
もちろん、複雑さに雲泥の差はあるけれども、一気にそのときの感覚が
よみがえってきましたよ！…若さを除いて。

そんなこんなで、過去の経験があるおかげで、今のAIとは「どんなもの
なのか？」とか、「どの辺に問題があるのか？」とか、わたし自身は理解
できたわけですが、ネットの情報をみると、どうも正しく伝わっていない
ようにみえます。そんなわけで、今のAIとはどんなものか？を、まとめて
みようと思うのです。

1)今のAIがやっていることは…
　　A)膨大なデータを統計的に処理し
　　B)関係がありそうな(＝相関がありそうな)もの
　…を、探してくること

よって「定番」は強いけれども、「定番」からちょっと外れた、
「面白い」ものや、「個性的でユニーク」なものは、できません。

ただ人間では処理しきれない量のデータを分析できるので、
「をを！こんなところに関係があったのか！」というものを、
教えてくれることはあるでしょう。

2)だから言葉の意味を解って使っているわけではない。
　たとえ「それっぽい」返答ができたとしても

たとえば、AIが苦手な文章の典型例として…
　「わたしは岡田と、岡山と広島に出張で行った」
…という文があります。

人間のように、言葉の意味を理解しているわけではないので、
　「わたしは岡田さんと一緒に、岡山と広島に出張で行った」
と解釈できずに、
　「わたしは、（香川県の）岡田駅と、岡山駅と、広島駅に出張で行った」
と解釈してしまうんです。格助詞「と」の使い方で、同じ種類の
名詞を並べる場合が多い（つまり、そっちの方が定番だ）から
なんですが。

ぶっちゃけ、AI搭載のアニメキャラクターが、「あなたが好き！」
と言ったとしても、「好き」という言葉の意味を知って使っている
わけではないし、もちろん、「あなた」という言葉を理解している
わけでもないのです。

ただややこしいことに、「あなた」や「好き」に関連した事象を
引っ張ってくる可能性はありますので、誤解されることはあるかも
しれません。

3)AIが知性をもつかどうかは、あなたの「人間観」次第

もしあなたが、人間はDNAと細胞でできていて、「自分」という
存在は、脳の神経細胞を伝わる電気信号で表されていると、考えて
いるのなら、AIもいずれは「自分と同じような存在になる」と思う
ことでしょう。

人によっては、「自分の本質」は「霊魂」のようなものであり、
それがDNAと細胞でできた肉体に「宿っている」と、考えているかも
しれません。その場合、AIの技術がいくら進歩したとしても「霊魂」
が宿らないかぎり、自分のような存在にはならないことになります。

結局のところ、「AIが知性をもつか？」の答えは、それを判断する
人のそれぞれが、「自分」という存在を、どう思っているか次第で
変わるものであって、どこかで天才たちが集まって「統一された答え」
をつくれば済むような話ではないのです。

だからこそ、今まで以上に、AIを使うわたしたちのそれぞれが、
人間そのものに対する理解を深め、しっかりとした「人間観」を
持つことの方が大事であって、そこがグラつくと、気づかないうちに
不適切な使い方をしてしまう…なんてことが起きてしまうかも
しれません。


以上、AIを正しく理解するポイントをまとめさせていただきました。
みなさまの何かのお役に立てれば幸いです。

また…
　　「基礎研究というものは、
　　　　　かくも長い時間を必要とするものなんだなあ」
…ということを、AI技術の進歩をとおして実感いたしました。

あきめずに、信じたことを「コツコツ」と続けていくことの大切さ、
改めて大事にしていきたいものですね。

（ひろゆき）

※1「逆伝播法(BP)」の「ハードウエアアクセラレータ」というもので、
　 その技術はAIの基本技術である、ディープラーニングのもとになって
　 いるんです（ただ性能は、今のノートパソコンの1万分の1ぐらいの
　 性能しかありません）。


【今月のトピックス】
●和氣ひろゆきが、産業カウンセラー資格試験に合格しました！

今年の1月末に、一般社団法人 日本産業カウンセラー協会による、
産業カウンセラーの資格試験が実施され、同試験に和氣ひろゆきが
合格いたしました！

今後は、コーチングとともに、カウンセリングも活用して、
個人に組織に、そして社会に関わっていきます。

みなさま、よろしくお願い申し上げます♪


【あいだの力学に対するリクエスト募集！】

私たち、「あいだの力学」に対して、「あれやって欲しい！」とか、
「こういうのは無いかな？」とか、アイデアやリクエストがあれば、
ぜひぜひ遠慮なく私たちに伝えて※2くださいませ。

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　 　連絡して頂ければ、私たちに伝わります。
　 → http://www.aidano-rikigaku.jp/

よろしくお願いしますね♪

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これからも私たち「あいだの力学」に対する応援、よろしくお願い申し上げます。