【Tear’s Letter】刑法性犯罪改正を後押しした活動が書籍になりました｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】刑法性犯罪改正を後押しした活動が書籍になりました

2018年10月14日

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★　Tear’s Letter
★　刑法性犯罪改正を後押しした活動が書籍になりました　
★　2018年10月14日　No.387
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こんにちは！しあわせなみだです。

2018年のノーベル平和賞は、コンゴ民主共和国のドニ・ムクウェゲ
さんと、ナディア・ムラドさんに決定しました。「戦争兵器」として
用いられる性暴力の撲滅を目指す取り組みが評価されました。
ムクウェゲさんは医師として、紛争下で性暴力に遭った方の治療を
続けています。ムラドさんは、ISに性奴隷として拘束された経験を
伝え、少数派教徒の権利擁護を訴えています。
「性暴力のある社会は平和ではない」という価値観が示された、
非常に大きな出来事でした。この考え方が日本にも拡がり、
平和に向けた取り組みが進むよう、ともに歩んでいきましょう。
↓詳細は10/5付APP通信「2018年ノーベル平和賞、紛争下で
性暴力と闘う2氏に」をご覧ください。
http://www.afpbb.com/articles/-/3192336

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.387 Topics】
┃★１．刑法性犯罪改正を後押しした活動が書籍になりました　
┃★２．編集後記
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★１．刑法性犯罪改正を後押しした活動が書籍になりました
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しあわせなみだ他3団体で構成した
「刑法性犯罪を変えよう！プロジェクト」。
2017年の刑法性犯罪見直しを後押しした、
約8か月の活動が書籍になりました。

『地域共生社会に向けたソーシャルワーク　
社会福祉士による実践事例から』
公益社団法人日本社会福祉士会編集、中央法規
↓購入はこちらです
https://www.chuohoki.co.jp/products/welfare/5756/
↓チラシはこちらです（PDFファイルです）
http://bit.ly/2zFN8bl

第3章第6節「多様な働きかけによる世論喚起と現実的な要求で
刑法改正を実現した実践」を、理事長中野が執筆しました。

そこで今回のメールニュースでは、本書の出版プロジェクト委員を
務め、第6節でコメントをいただいた高良麻子さんに、ご寄稿
いただきました。

＊＊＊

地域における分野横断的かつ包括的な相談支援体制が模索される
なか、その体制におけるコーディネート人材としての社会福祉士の
あり方を明確にする必要性が認識されました。その後、「地域共生
社会」に関する議論が進むにつれ、ソーシャルワークの機能の
重要性が確認されましたが、それらの機能を発揮するソーシャル
ワークの方法等は明らかにされていませんでした。
そこで、日本社会福祉士会では出版プロジェクトを立ち上げ、
地域共生社会の理念等を説明したうえで、社会福祉士の実践事例を
もとに、地域共生社会に向けたソーシャルワークに求められる
役割や方法等をまとめた本書を出版しました。

本書に掲載している6つの事例の1つとして、「刑法性犯罪を
変えよう！」プロジェクトについてご執筆いただきました。
編集委員会では「地域共生社会に向けた実践としては馴染まない
のでないか」といった意見もありましたが、地域共生社会が
「強制」や「排除構造の強化」にもなりえることを考えると、
生活問題の背景である社会構造に目を向けることの必要性や
市町村等の枠を越えた対応の重要性を認識してもらうために、
ぜひ掲載したいソーシャルアクションの実践事例ということで
執筆をお願いしました。

社会構造が人権侵害や権利の非実現を生じさせているものである
ならば、社会的に不利な立場に置かれている人びとの機会と資源
を拡大し、権利を実現できる社会構造に変革すべく、ソーシャル
ワーカーのストレングスを活かしたソーシャルアクションを実践
する必要があると思います。多忙や理解を得られないといった
組織要因や、実践方法がわからないといった知識・技術等の不足
などによって、想いはあってもソーシャルアクションを実践
できない現状があるなかで、「刑法性犯罪を変えよう！」
プロジェクトを含む本書を実践の参考にしていただければ幸いです。

アメリカに象徴されるように、分断や対立が世界的に深まっている
なか、日本も例外ではなく、ますます格差が拡大し、強者による
社会的弱者の搾取や抑圧等が強まっていると感じます。このような
状況において、社会的に発言力の弱い人々の声を社会に届け、
それを社会福祉等の充実に活かしていくことは、ソーシャル
ワーカーの責務であり、ソーシャルアクションに関する研究と
実践を共に推進していければと思います。

☆プロフィール
高良　麻子（こうら　あさこ）　
本書の出版プロジェクト委員・執筆者
東京学芸大学教育学部社会科学講座教授

経　歴
横浜国立大学教育学部教育学科卒業後、株式会社ビギ勤務。
コロンビア大学大学院スクールオブソーシャルワーク修了後、
在宅介護支援センター勤務。東京家政学院大学人文学部
人間福祉学科助手を経て、現在、東京学芸大学教育学部
社会科学講座教授。
東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科社会福祉学専攻修了、
博士（ソーシャルワーク）。社会福祉士。　

主な著書
『日本におけるソーシャルアクションの実践モデル−
「制度からの排除」への対処』(単著)中央法規、2017年
https://www.chuohoki.co.jp/products/welfare/5465/
『独立型社会福祉士−排除された人びとへの支援を目指して−』
（編著）ミネルヴァ書房，2014年　
http://www.minervashobo.co.jp/book/b181466.html

★２．編集後記
───────────────────────

内閣府が実施した、若年層の性暴力に対する相談支援に関する調査で、
支援した若年層127名中、55.１%にあたる70名に、障がいの可能性が
あることがわかりました。性暴力と障がいの関係を明らかにした
省庁の調査は、これまでほとんど実施されてきませんでした。
障がいが性暴力に遭うリスクとなること、障がいのある被害者が迅速に
相談支援につながること、そして加害者が適切に処罰されるよう、
対応を促してまいります。

↓内閣府『「若年層における性的な暴力に係る相談・支援の在り方に
関する調査研究事業」報告書』はこちらです（PDFファイルです）
http://bit.ly/2BZ9VQX

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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