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★　Tear’s Letter
★　就職セクハラが起こる3つの背景
★　2021年5月23日　No.492
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

昨年6月から、性犯罪について、実態に即した対処を行うために、
刑法等の施策の在り方を検討してきた「性犯罪に関する刑事法
検討会」。5/21に第16回会議が開催され、「取りまとめ報告書」が
確定しました。
「障害を有する者を被害者とする罰則の在り方」については、
「障害を有するという特性に応じた対処の検討が必要」
とされました。
↓報告書はこちらです
http://www.moj.go.jp/content/001348762.pdf

先週の「Tear’ｓ Letter」では、詳細を解説していますので、
ぜひご覧ください。
↓「Tear’ｓ Letter」No491[「性犯罪に関する刑事法検討会」
取りまとめ（案）を解説]はこちらです
https://mail.os7.biz/b/8nJq/1379784

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！


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┃【Tear’s Letter No.492Topics】
┃★１．就職セクハラが起こる3つの背景
┃★２．編集後記
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★１．就職セクハラが起こる3つの背景
───────────────────────

厚生労働省が実施した実施した調査で、就職活動またはインターン
シップを経験した男女のうち、セクシュアルハラスメント
（セクハラ）を経験したことがある人が、4人に1人（25.5％）に
のぼることが明らかになりました。

↓厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書は
こちらです
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18384.html

通常、セクハラをはじめとする性暴力は、男性より女性のほうが、
被害を経験する割合が、圧倒的に高い傾向があります（※１）。
しかしこの調査では、被害を経験した割合は、女性25.1％、
男性26.0％、と、男女ほぼ変わらない結果になりました。
女性で多かったのは「性的な冗談やからかい」「食事やデートへの
執拗な誘い」であった一方、男性で多かったのは「性的な事実関係
に関する質問」「性的な内容の情報の流布」でした。

そこで今回のメールニュースでは、就職セクハラが起こる背景を、
3つの視点から考えます。


☆１．地位や権限の違い

企業側は、試験や面接を受けさせ、学生を選抜し、採用を決定する
人事権を有しています。一方学生側は、志望企業からの内定を
得られるよう、企業研究を行い、「求める人物像」に近づけるよう、
自らを研鑽していきます。
双方の地位の差は圧倒的であり、たとえセクハラ行為があっても、
不採用による「就職浪人」は避けたいと、耐え忍ぶことになります。


☆２．経験や知識の開き

企業側の人材は、社会人としてキャリアを積み重ねる中で、組織を
生き抜く知識や、コミュニケーションスキルを増やしていきます。
一方学生たちは、アルバイト等を通じた社会経験を有する人も
少なくありませんが、社会人に比べれば、年数も短く、発展途上の
段階にあります。
社会人が学生を騙すことは簡単であり、たとえセクハラ行為が
あっても、学生は「同意したと思い込まされる」「仕方がないと
諦めさせられる」状況に置かれます。


☆３．関係や対応が曖昧

「男女雇用機会均等法」は、セクハラをはじめとする
ハラスメントへの対策を、事業主の義務としています（※２）。
しかし就活生の場合、企業とは雇用関係にありません。
またOB・OG訪問を依頼された学生と個別で面会する行為は、
業務外です。
関係性が曖昧であるため、たとえセクハラ行為があっても、
相談先や、どこが責任をもって対応するか等が不明確であるため、
解決が困難な事態となります。


性暴力は、上下の人間関係に基づく性的支配であり、就活において
学生は、様々な要件で「下」の地位に置かれます。これが就活
セクハラが起きるリスクを高める要因となっています。
社会人への期待に胸を膨らませる学生たちが、就職セクハラに
よって、未来への希望を打ち砕かれることがないよう、企業側の
誠意ある取り組みが、求められるのではないでしょうか。


※１ 例えば内閣府の調査では、「配偶者からの被害経験」は、
女性が 25.9％、男性が 18.4％。「特定の相手からの執拗な
つきまとい」は、女性は 10.7％、男性は 4.0％。「無理やりに
性交等をされた被害経験」は、女性は 6.9％、男性は 1.0％でした。
内閣府「男女間における暴力に関する調査（令和2年度調査）」
https://bit.ly/3oD0Eo9
※２ 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
https://bit.ly/3fa6BFR


★２．編集後記
───────────────────────

改正少年法が成立しました。被疑者が18歳以上20歳未満の
事件について、これまで「更生」の視点の元、家庭裁判所で
取り扱われ、「保護処分」とされてきた、強制性交等罪や
強盗罪等を、成人同様刑事裁判として「刑事処分」を求める
ことが可能となりました。本名や顔写真等の報道も解禁されます。
罪を犯す少年の中には、親等からの虐待や暴力を経験している
子どもや、障がいが見過ごされて、適切な教育を受けられなかった
子どももいます。
「罪を認め、謝罪し、二度と罪を犯さない」という願いは、
被害者、そして加害者本人にとっても、共通であるはずです。
よりよい処分のあり方、そして子どもたちの支え方を、
考えていく必要がありますね。

↓詳細は5/21付『日本経済新聞』「改正少年法が成立　
18・19歳を厳罰化、来春施行」をご覧ください
https://s.nikkei.com/2REzz7N

☆最後までお読みいただきありがとうございました。


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