【Tear’s Letter】性暴力が「ない」とされる3つの理由｜【しあわせなみだ】Tear's Letter バックナンバー

【Tear’s Letter】性暴力が「ない」とされる3つの理由

2022年01月23日

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★　Tear’s Letter
★　性暴力が「ない」とされる3つの理由
★　2022年1月23日　No.521
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

大分県、宮崎県で、大きな地震がありました。心からお見舞い
申し上げます。1/15にトンガで起きた、大規模な海底火山の噴火
でも、津波による船舶の転覆や、養殖魚の大量死等、様々な影響が
出ています。新型コロナウイルスの感染も再拡大しており、心配は
尽きませんが、二十四節気では、次は立春。春を待つワクワクした
気持ちは、忘れないようにしたいですね。

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！

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┃【Tear’s Letter No.521 Topics】
┃★１．性暴力が「ない」とされる3つの理由
┃★２．編集後記
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★１．性暴力が「ない」とされる3つの理由
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市の幹部から性暴力を受けたとして、記者が市に損害賠償を求めて
いる訴訟を巡り、市議会で「性暴力はない」という趣旨のやじが
飛んだことが、問題となっています。被害者である記者の弁護団は、
市議会に対し、発言した議員の究明と謝罪、そして再発防止の徹底
を求める要望書を提出しました（※1）。

この市が属する県では2020年、強制性交等が7件、強制わいせつが
29件起きています（※2）。
そこで今回のメールニュースでは、性暴力が、起きているにも
関わらず、「ない」とされる理由を、3つの視点から考えます。

☆１）性暴力の経験を「誰にも話さない」人が6割
内閣府の調査（※3）では、無理やりに性交等をされた被害が
あった人のうち、警察や相談窓口、家族、友人を含め「だれにも
相談しなかった」人が、59.9％と、約6割に上ります。性暴力を
経験した人の話を「聞いたことがない」人からすれば、性暴力は
「ない」という認識になりがちです。

☆２）性暴力が「加害である」という認識がない
性暴力の加害者、そしてこの社会全体に「性に関する認知の
ゆがみ」があることが、指摘されています（※4）。例えば
「嫌だと言わないのは同意のサイン」「それくらいガマンしろ」
「後から騒ぐのは、何か別の意図があるに違いない」等、性暴力を
「加害」と認識せず、許容する傾向は、けっして珍しくありません。
こうした価値観が浸透するほど、性暴力は「なきもの」とされます。

☆３）性暴力が「ない」と思いたい
性暴力は、心身を深く傷つける犯罪であり、誰一人経験して
ほしくない出来事です。「そんなことは起きてほしくない」
という想いの強さが、「性暴力のある現実」の否定につながる
ことがあります。
また、性暴力の存在を認めることは、人間関係における困難性や、
治安における課題を、顕在化させることでもあります。強固な
家族観を持つ人や、日本の治安の良さを誇りに思う人からすれば、
性暴力が「あっては困る」のです。

性暴力が「ある」現実の否定は、性暴力を経験し、今日まで
生き抜いてきた人の存在を、否定することです。
「性暴力のない世界」を実現するためには、まず、性暴力が
「ある」現実を見つめ、世界を変えていく取り組みを、
進めていく必要があるのではないでしょうか。

※1 1/21付NHKニュースウェブ『“性暴力はない” 議員のやじ
弁護士ら長崎市議会に申し入れ』
https://tinyurl.com/mr4xja4x
※2 長崎県警察「過去５年間の犯罪統計（平成28年～令和2年）」
https://tinyurl.com/33f3z4un
※3 内閣府『男女間における暴力に関する調査（令和2年度調査）』
「無理やりに性交等をされた被害経験」
https://tinyurl.com/4st38zpw
※4 原田隆之「性犯罪者の現状」法務省『性犯罪に関する刑事法
検討会　第３回会議』
https://www.moj.go.jp/content/001324318.pdf

★２．編集後記
───────────────────────

理事長中野が、内閣府『令和3年度「性犯罪・性暴力被害者の
ためのワンストップ支援センターにおける障害者、男性等を
対象とした支援事例に関するヒアリング」に係る有識者検討会』
に登壇しました。
性暴力に遭った方に必要な支援を包括的に提供する「性犯罪・
性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」で、障がいの
有無に関わらず、必要なケアが受けられるよう、現状と課題を
共有しました。
今後もこうした機会を増やせるよう、努力してまいります。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。

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