NPO法人しあわせなみだのメールニュースです。 「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目標に、様々な事業を展開しています。 「しあわせなみだ」の活動や、性暴力に関する最新情報をお届けします。 発行団体ウェブサイト→http://shiawasenamida.org/

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★　Tear’s Letter
★　男女共同参画週間に考える「性暴力と男女共同参画」
★　2022年6月19日　No.539
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こんにちは！NPO法人しあわせなみだです。

読売新聞取材班による書籍『わいせつ教員の闇』に、
理事長中野のコメントが掲載されました。
読売新聞特集記事「許すな わいせつ教員」を書籍化したもので、
学校が抱える課題、ならびに、しあわせなみだもヒアリングに
参加した「わいせつ教員対策法」成立までの過程を追っています。
コメントでは、障がい児が通う放課後デイサービスでの性被害の
多くが潜在化していることを踏まえ、実態を明らかにする
必要性をお話しています。ぜひご一読ください。

読売新聞取材班
『わいせつ教員の闇　教育現場で何が起きているのか』
中公新書ラクレ　840円プラス税
↓書籍詳細はこちらです
https://www.chuko.co.jp/laclef/2022/06/150767.html

それでは今週の「Tear’s Letter」をお届けします！


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┃【Tear’s Letter No.539 Topics】
┃★１．男女共同参画週間に考える「性暴力と男女共同参画」
┃★２．編集後記
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★１．男女共同参画週間に考える「性暴力と男女共同参画」
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毎年6月23日から29日までの1週間は「男女共同参画週間」です。
6月23日に「男女共同参画社会基本法」が施行されたことを踏まえ、
男女共同参画社会基本法の目的や基本理念への理解を深めるために、
様々な取組が実施されます。

↓詳細は内閣府「男女共同参画週間について」をご覧ください
https://www.gender.go.jp/public/week/index.html

そこで今回のメールニュースでは、男女共同参画と、しあわせ
なみだが取り組む性暴力との関係について、解説します。


☆１．女性に対する暴力の実態
内閣府の調査（※１）によると、配偶者からの暴力被害経験が
『あった』と回答した人は、女性が 25.9％、男性が 18.4％と
なっています。
交際相手から暴力を受けたことが『あった』と回答したのは、
女性が 16.7％、男性が 8.1％となっているます。
無理やりに性交等をされた被害経験の有無を尋ねたところ、
被害経験のある女性は 6.9％、男性は 1.0％となっています。
いずれの暴力でも、女性からの被害報告のほうが、男性よりも
多くなっています。


☆２．なぜ“性暴力撲滅”に“男女共同参画”が関わるのか

暴力は「権力関係」に基づく「支配」と「コントロール」を目的に
起こります。「権力構造」は、「体力差」「学歴の高さ」
「経済力」等を、どの程度「持っているか」によって生じます。
また「人種」や「年齢」等、自分では変えることのできない属性が、
権力構造の要因となることもあります。その1つが「ジェンダー
（社会的性差）」です。
日本は、男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」が、
156か国中120位となっており（※２）、女性であることにより、
様々な不利益が生じています。このため、ジェンダー差別の
解消は、暴力の構造を崩していく上で、重要な取り組みの1つと
なっています。


☆３．“複合差別”という視点が“暴力の構造”を明らかにする

すべての人が暴力を経験するリスクを有していますが、その中でも
特に、リスクの高い層があります。それが「複合差別」（※３）の
状況に置かれた人々です。「女性」であることに加え、「障がい」
や「国籍」等、マイノリティの属性を有することによって、福祉や
医療、教育や雇用といった、日常生活における、様々な差別を
受けます。その結果、権力構造においても、極めて厳しい地位に
置かれるだけでなく、その存在自体が、見逃されがちになります。
マイノリティ女性が暴力に遭う背景を知ることで、暴力の構造が
より明確になります。


「性別」は、誰もが有する身近な属性であるからこそ、そこに
ある差別が当たり前のように習慣化、制度化し、見えづらく
されています。日々の生活の中にある「ちょっとした違和感」は、
実は、社会的に組み込まれた差別構造に、端を発しているのかも
しれません。
「男女共同参画週間」が、そうした背景を考えるきっかけとなり、
暴力防止への機運が高まることを望みます。


※１　男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査
（令和2年度調査）」
https://tinyurl.com/2su5v7vn
※２　男女共同参画局「共同参画」2021年5月号
https://tinyurl.com/2ehhx2mr
※３　日本女性学習財団「複合差別」
https://tinyurl.com/5fddjd6x


★２．編集後記
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衆議院議長や、国会議員、参院選立候補予定者等、政治家による
セクシュアル・ハラスメントと受け止められる発言や、未成年女性
への飲酒を伴う経済的援助が報道されています。女性関連の施策を
含めた、法制度立案に携わる地位にある人々が、こうした価値観を
持って行動していることに、愕然とします。
これまでの人生で培われてきた考え方は、すぐに変わるものでは
ありませんが、せめて、国民に選出される代表者として、
「令和時代の国民はどう受け止めるかの」という視点は、
忘れないでほしいですね。

☆最後までお読みいただきありがとうございました。


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