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○○　○○　さま

いつもお世話になり、ありがとうございます。
税理士事務所ランニングパートナーズ、代表の鈴木陽介です。

昨日は二十四節気・白露の末候である「玄鳥去（つばめさる）」
夏から秋へ移り変わる9月は「燕去月」とも言われています。

特に朝夜は秋を感じる今日この頃、花巻では今週末に毎年恒例の花巻まつりがあり、来週は「敬老の日」もあります。
私は有難いことに両親もまだ生きており、祖父母では母方の祖母が97歳でご存命です。
すでに施設に入っており、なかなか逢いに行くことが叶わないのですが、ここ数年は毎月初めに手書きのはがきを送っており、母が訪問した時に読んでくれます。


話は変わり、昨日一昨日の週末は、10歳と5歳の娘たちと共に栃木へ行っておりました。
主目的は、栃木掃除に学ぶ会「第320回　宇都宮駅西口お掃除（90分拡大版）」に参加するためです。

お掃除がメインで、ついでに娘たちが楽しめる場所へ行く。
娘たちは今のところ掃除も大好きなので、喜んで着いてきてくれます。

今回は拡大版ということでお掃除が朝6:00～7:30、宇都宮駅西口2Fにある「餃子像」の前に集合して開始です。

開会式で栃木掃除に学ぶ会の皆さまが、手作りのわかりやすい資料を使い、ただの作業やボランティアにせず、掃除「に」学び、意味のある掃除にするために何を意識してやればいいかを説明してくださったおかげで、しっかりと考えながら掃除に取り組むことができました。

話がどんどん変わりますが、4日（木）は、日帰りで仙台に行ってきました。
人を大切にする経営学会東北支部の第9回公開フォーラムに参加するためです。

今回は、昨年3月に坂本光司先生や人財塾同期の仲間とともに訪問させていただいた、第13回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞にて審査委員会特別賞を受賞されている株式会社ナプロアース・池本篤会長のご講演
"
震災で全てを失って学んだ人を大切にする経営の大切さ
"
からスタートです。

池本会長は講演などをあまりされないとのことですが、同級生の副支部長・アップルファームの渡部社長が熱心に依頼してくださり、断り切れず(笑)お話をしてくださいました。

ナプロアース様のHPはこちら
↓
https://www.naproearth.co.jp/

ナプロアース様は、東日本大震災の津波と原発事故で店舗と工場を失い、さらには社員が散り散りになったことで倒産危機に陥ります。しかし、池本会長は「やれることをやり切って、あとは天に任せよう」と、人を大切にするいい会社づくりに取り組まれＶ字回復を成し遂げたストーリー、そして今もなお進化し続けるお姿に、涙なしには聴くことができませんでした。

次のトークセッションは、こちらも貴重なお話で、「おはぎ」で有名な株式会社佐市の佐藤浩一郎社長でした。
https://teshigoto-akiu.jp/m10_saichi/

さいちには私もこれまで何度も訪れ、その都度おはぎは必ずいただいていますが、仙台駅から離れた秋保温泉という場所にありながら、いつも長蛇の列。
平日で平均3,000個～4,000個、土日には平均6,000個～7,000個。お彼岸などの時期はさらにその2倍売れるというから驚きです。

なかなかお話を聞く機会もなく、今回も一度はお断りされたようですが、講演ではなくトークセッションなら・・・という条件で、特別に登壇してくださり、数時まで含めて誠実にご回答くださいました。

お二人のお話を事細かにお伝えしたいのはやまやまですが、長すぎるメルマガになってしまいますので、今回は坂本先生のご講演の内容を中心に共有いたします。

ご存じかと思いますが、人を大切にする学会では、2025年5月に「人を大切にする経営学用語事典」を発売しています。
https://www.kyodo-bunkasha.net/items/106268195

坂本光司先生を中心に、この事典の編纂にかかわった方々は約120名。
恥ずかしながら私も、執筆と査読に少しだけかかわらせていただきました。

坂本先生はこれまで8,500社以上の会社をご自分の足で歩き、ご自分の目で確かめてこられ、さらには100冊以上の本を出しながら、どうにかして正しいことをしている人が幸せを実感する世の中を作りたい、と奔走されます。

どこにも忖度をすることなく正しいことを書くのはもちろんのこと、本の裏表紙にはいつも、ご自宅の住所とメールアドレスを載せておられますから、坂本先生のもとには弱き方や、正しいことをしていても報われない、たくさんの方の魂の叫びが届きます。

その声に真摯に耳を傾けながら、正しい人が不幸になる間違った経営・世の中になっているのは、一般的に経営学という名で呼ばれる、その辞書そのものが間違っているからだ、と感じ、今回の事典作成につながります。

ですから、事典を編纂するきっかけ・目的は、

・誠実に生きている人々の声を見て見ぬふりなどできなかったこと
・一般的に正しいとされている経営学が、これがお天道様に顔向けのできる学問であろうか、と疑問を感じ、事典そのものを変えない限り、企業が不幸な人をつくる、と感じたから

だとおっしゃいます。

私自身、独立してから経営に関する様々な学びをさせていただきましたが、その中には誤った教えがたくさんあり、私自身もそれを鵜呑みにして失敗したことも多々あります。

間違った経営学といえば例えば、

・人件費は企業経営における最大のコストである
・利益率は高ければ高いほうがいい
・費用対効果から見て採算の合わない仕事はやめるべきである
・不採算の仕事は外注すべきである
・会社の継続のためには、リストラはやむを得ない
・地域貢献・社会貢献は余裕がある企業がやればいい
・会社は株主のもの・経営者のものである
・年功序列ではなく成果主義が正しい
・節税は正しい
・顧客のための社員の犠牲は必要悪である
・転職は正しい
・中小企業の賃金は安くて当然
・急成長は正しい
・定年後に再雇用する社員の給料は下がって当然
・給与に男女差があって当然
・経営計画の中核は売上や利益である

・・・などなど。

どれも深い意味がありますが、何の疑問もなく上記のようなことを正しいと思いながら過ごしているのであれば要注意です。

自社の経営そのものはもちろんのこと、私たち税理士のような中小企業のサポートをする人間が間違った経営学を正しいと勘違いしていては、取り返しのつかないことになってしまいます。
この「人を大切にする経営学」に出逢えたことに感謝をし、私自身が正しい経営を貫くことはもちろん、お客様に対しても、本質的に向き合い、正しいことをお伝えようと努めています。

用語事典にはここまでの表現では書かれておりませんが、坂本先生はいつもこうおっしゃいます。
"
関係する人々が幸せを実感できない企業は、あるべき企業ではなく、社会の寄生虫であり、存在価値がない
"
"
関係する人々が幸せを実感できない活動ならば、それは経営ではなく奴隷・牢獄である
"

社会にとっての寄生虫や、社員とご家族をはじめとする関係する方々にとって、奴隷・牢獄のような存在になっていないか、気をつける必要があります。

最後に「この事典は印税を辞退した」と教えてくださいました。
少しでも安く、たくさんの方の手に届くようにしたいとの思いで印税分価格を下げたそうです。

懇親会の席で、ある中小企業診断士の方から坂本先生のエピソードを聞きました。
約20年前、中小企業診断士の最初の研修で坂本先生が登壇されたそうです。

その方曰く
"
おめーら、中小企業診断士の資格を取れたからって浮かれてんじゃねーぞ。
これから眠らずに勉強し続けないといけないんだからな。
"

と、いきなり鼻っぱしを折られたそうです。（表現はあくまでもその方から聞いたお話です）

おそらく
"
諸君たち、中小企業診断士の資格をとって終わりではなく、ここからが大切ですよ。
企業のサポートをするのであれば、寝る間を惜しんで学び続けなければいけないですよ。
"
とお伝えしたのだと思います。

私が税理士になって最初の研修では、講師の先輩税理士の方が、「税理士はおいしい仕事だからね」と笑いながらお話しをされ、強烈な違和感を感じたことを覚えています。

日々移りかわる税法はもちろんのこと、お客様の経営に対するアドバイスもするのであれば、それはそれは眠らずに勉強をし続けなければなりません。

しかも、その本質は経営の勉強ではありません。

一昨日、栃木に着いて最初に向かった場所は日光にある二宮尊徳記念館でした。

二宮尊徳が荒れ果てた農地を再興させた報徳仕法（勤労・分度・推譲）は有名ですが、その本質は荒れ地を耕すことではなく、人々の心の荒地を耕す「心田開発」でした。

その後、報徳二宮神社にある二宮尊徳のお墓にもお参りをしたところ、
敷地内にある二宮金次郎像の近くに、伊那食品工業の塚越寛最高顧問から教えていただいた、私の座右の銘である言葉が掲げられていました。

"
人生まれて学ばざれば生れざると同じ
学んで道を知らざれば学ばざると同じ
知って行うこと能はざれば知らざると同じ

故に人たるもの必ず学ばざるべからず
学をなすもの必ず道を知らざるべからず
道を知るもの必ず行はざるべからず
"

人として生まれて、学ばないのであれば生まれていないのと同じである。
学ぶのであれば、人としての道を知らなければ、学んでいないのと同じである。
人としての道を知ったにもかかわらず行わないのであれば、知らないのと同じである。

つまり、
人として生まれたのであれば必ず、
人としてどうあるべきかという道を学び、行動に移さなければならない。

ということです。

税理士として以前に、人としてのあるべき姿ですが、この言葉、そして現在の二宮尊徳のような坂本光司先生のお言葉を忘れずに、日々あるべき姿を学び、行動に移してまいります。


いつもながら、短めにしようと・・・と思いながら長くなってしまいました。
まとまりのない長い文章に最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
本日も皆様が周囲の方々と共に、思いやりと感謝を示し合い、末広がりの幸せを実感できる日々を過ごせますように。

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