「あいだの力学」の月刊メールマガジンです。 毎月11日に発行されます。

　　　　　「あいだの力学」の気になる間の話
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皆さま、こんにちは。

日差しが強まり、ようやく春らしさが感じられるようになったのもつかのま、ロシアのウクライナ侵攻という、ショッキングなニュースが世界を駆け巡りました。こともあろうに、今回は原子力発電所にも攻撃をしかけているとのこと。ロシア軍の暴挙に言葉がありません。

その一方で、これらの暴挙に対して世界の多くの人たちが「戦争反対」の声をあげています。その声は、言論統制が強化されているロシア国内でさえ沸き起こっているようです。真相はわかりませんが、現ロシア政権の暴走による侵略のように、わたし(和氣ひろゆき)には感じるのです。

戦争は暴力による対外的な政治活動です。国民から支持されない政治が起こした侵略戦争に、何の大義があるのでしょうか。どういう形であれ、大義のあるなしにかかわらず、戦争の代償は、最終的には、そういう政治を選んだ国民が支払わなければなりません。今回の戦争で問われているのは、結局のところ国民と政治の関係が健全かどうか…ということではないでしょうか。

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【今月の気になる間の話】


●「ルーツ」と「わたし」のあいだがら(第2回)

「え!?お父さんフィリピンで生まれたの？」

父の死後、手続きをするために戸籍謄本を取り寄せたときのこと。わたしは（和氣よりこ）は父の出生地がフィリピンであることを初めて知ったのでした。
昨年11月のメルマガ「ルーツとわたしのあいだがら(第1回)」で、父の死がきっかけでルーツを調べ始めたと書きましたが、正確に言うと、父の死が直接のきっかけというより、戸籍謄本を取り寄せたことがきっかけだった気がします。「私は父親のことあまり知らないなあ…」と強烈に感じたのです。

生前の父はあまり自分のことを語る人ではなく、父から直接聞いたことがあるのは「幼少期の一時、台湾に暮らしていた」「戦後まもなく米留学に行った」「フランスから帰国したら、ベイビーだったよーりーに、父親と認識されず困った」という話。台湾？アメリカ？フランス？…という感じです。父から聞いた話をもとに、母と兄姉に父のことを聞いて、父の生い立ちがなんとなく見えてきました。

・1931年　父（＝よーりーから見ると祖父）が仕事のため、フィリピンで生活をしていた。３人兄弟の長男として誕生
・沖縄戦疎開のため、親戚がいる台湾の高雄で生活
・終戦後、沖縄にもどる
・地元の高校卒業後、本土の大学で学ぶ
・アメリカペンシルベニアの大学に留学
・私立国際大学に就職（※のちに国際大学は沖縄大学と統合し、1972年沖縄国際大学となる。そのため父の所属も沖縄国際大学となった）
・1971年　母とお見合い結婚
・1980年　大学に籍をおいて、数カ月フランス留学
・2000年　沖縄国際大学退職。

不正確な部分も多々あると思いますが…だんだん父の生い立ちが見えてきました。

海外旅行は「ちょっと行った」くらいの母に比べると、父は、フィリピン／台湾／アメリカ等々いろんなところに行ってるなと思いました。まあ、私の母に限らず当時の女性は海外にほとんど行ったことがないというのが大半だと思いますが。
ふと思いだしたのですが、私が子どもの頃、母が新聞の政治経済面を見て「米軍基地は…!!!」「首相は〇▲×!!!」とブツブツ怒ることがよくありました。その母に対してたまに父が「政治とか外交って、母さんが考えるように単純なものではないんだよ!!」と言っていました。母はまっすぐな性格な人なので、子どもながら、父の言葉が母の怒りに油を注いでいるように感じましたが、苦笑。

事実も人によって見方はそれぞれである。今思えば、父と母の会話から、そんなことを無意識に学んだような気もします。

父の生い立ちに話を戻します。

これも父の死後に知ったのですが、「金門クラブ※」というアメリカ留学者の親睦団体があり、父もメンバーの一人だったようです。発展的解消して現在は「ガリオア・フルブライト沖縄同窓会」という名前で存続しているようなのです。帰省したときに同窓会に連絡をとったら、父と一緒にアメリカ留学に行った人をみつけることができるかな?…と一人ワクワクしています。
今回はこの辺りで。次回のメルマガで父の大学教員時代の話を書く予定です。次回もお楽しみに！

（よーりー）

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