「あいだの力学」の気になる間の話
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皆さま、こんにちは!
猛暑の8月が過ぎ、朝夕に秋らしさを感じる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか?
夜間の気温が下がったこともあり、ここ最近は、寝室のエアコンを使わなくても快適に眠れるようになりました。夜にぐっすり寝ているんで、日中は快調…のハズなんですが、実は昼間も結構眠かったりして。ちょっと夏の疲れが出ているのかも…そんなときはムリをせず、15分くらい「お昼寝」するようにしています。
ツクツクボウシの声を聴きながらお昼寝…最高。そんなことに幸せを感じるのは、ココロに余裕を持てるようになったからかもしれませんね。
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【今月の気になる間の話】
●「わたし」と「ワキ」のあいだがら
このメルマガでも度々取り上げている、自分の「ルーツ」についての話を今回もしようと思う。今回のテーマは自分の名字である「和氣(わき)」について。内容的には、どちらかというと歴史の話しではあるけれども、いかんせん昔のことなので、想像(たぶんフィクション)で補わなければならないことも多くある。そのことを踏まえたうえで、お付き合いいただけたらと思う。
ぼく(和氣ひろゆき)が、自分の名字について考えるようになったきっかけは、たぶん剣道をはじめたときに覚えた「違和感」にあると思う。剣道では防具の「垂れ」(たれ/腰回りを保護する)に自分の名前を入れるのだけれども、はじめて防具をつけたときに、なんだか違和感があったなあ。画数が多い「宮澤」とか、左右対称の「田中」のような漢字が格好良く見えたのだけれども、「和気」という字が何だかどこかスカスカで、なんだか納まり悪い感じがした。防具そのものは格好いいのに、垂れだけなんでかなあ…と、小学生ながら思ったものだ。
そんな風に思いつつ防具をつけて練習をしていると、「おっ!和氣清麻呂!」と声がかかった。へっ?だれ??…ボーっとしていると、年配の先生※1が手招きをしている。そのときようやく、自分のことを呼んだんだ…ということに気が付いた。家に帰ってから百科事典で調べたなあ…書いてあることが難しすぎて、そのときはなんだかよくわからなかったけれども。まあ、ともかく、その先生が「清麻呂」と呼んだことがきっかけで、剣道の同級生からは「清麻呂」と呼ばれることになった。
「和氣清麻呂」の影響が未だに残っているのか、ぼくの名字を「ワケ」と読む人は多い。とはいえ、実のところ親父も清麻呂との関係は知らないし※2、そもそも先祖が住んでいる場所も全然違うし。そんなこんなで適当に放っていたのだけれども、親父が亡くなってからの何回目かの法事のときに、ふと自分のルーツについて、「ちゃんと調べたい」という思いが沸き上がってきたのでした。
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いろいろと調べ始めてみると、まず最初に見つかったのは栃木県立図書館によるもの※3。でも、よく内容を吟味するとなんだか時代の前後関係が変※4で、どうも皇国教育のために後付けされたように思う。そんなこともあり、時代をさかのぼって調べたところ…結局は古墳時代までさかのぼることになった。
まず「和氣」のもと、「ワケ※5」とは、もともとは「別」という文字が使われていて、地方を治める豪族に充てられていた称号※6のことだったらしい。時代が下ると「君・王・公(キミ)」や「臣(オミ)」の称号に変わることになった…とのこと。
…んで、ぼくらのご先祖さんにあたる別さんについてだけど、主要な別さんについてまとめると大体こんな流れになっている。ただ古墳時代の話なので、どこまでが真実で、どこからが神話なのか、区別することは難しい。
【皇位の流れ】
・崇神天皇(10代)→垂仁天皇(11代)→景行天皇(12代)
【「別」の関係】 年代が古い順
・豊城入彦命(とよきいりひこのみこと/垂仁天皇の異母兄)
→八綱田→彦狭島→御諸別(みもろわけ/東方(現在の群馬~埼玉~栃木周辺)を治めた)※7
・鐸石別(ぬてしわけ/景行天皇の兄弟)
→和氣清麻呂の先祖。鐸石別の一族は、主に備前(現在の岡山県周辺)を治めた
・武国凝別(たけくにこりわけ/景行天皇の子で、日本武尊(やまとたける)の兄弟)
→伊予別(いよわけ/現在の愛媛県周辺)や御村別(みむらわけ/筑紫地方)
この中で一番関係がありそうなワケさんは、東方を治めた御諸別王(みもろわけのきみ)ということになりそうだ。
この時代、関東平野の東部には「香取海(かとりのうみ)」という内海が存在し、埼玉県/栃木県/茨城県/千葉県あたりは船で移動することができた。香取海の西側には現在の鬼怒川の河口があったらしい。幸いにして(?)ぼくの和氣家の本家も鬼怒川の近くなので、御諸別の子孫が住んだとしても矛盾はない。だから和氣ひろゆき調べとしては、自分の先祖は「御諸別王」ということにしようと思う。
なおネットの名字調査※8によると、和氣姓の比率が多い県は、栃木県/岡山県/愛媛県らしい。この辺、だいたい御諸別/鐸石別/武国凝別が治めていた地域なので、その意味でもあんまり外れていないと思う。でも証明はムリだろうなあ。たぶん。
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さて次回は、もう少しフィクションに足を突っ込んで、ワケ一族全般について考えてみようと思う。
※1:戦前/戦中の皇国思想の教育で、「和氣清麻呂」は皇国を守った忠臣として教えられていた。また戦前の10円紙幣の肖像にも使われていた。
※2:親父は親父で、「自分が『和氣清麻呂が先祖だ』と思うんなら、それで良いんじゃない?」という感じだった。まあ家柄よりも、人柄を大事にしていた人だから、先祖がどうとかはあまり気にしていなかったんだと思う。
※3:「リファレンス協同データベース」→ https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000150397
※4: 清麻呂系の和氣氏は、戦国時代に当時の後柏原天皇から「半井(なからい)」という姓を与えられているので、「和氣」という姓は使っていない。
※5: 「ワケ」も「ワキ」も、けっきょくは一緒らしい。ちなみに「和氣」も「脇」も同じ系統だそうだ。
※6: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B1
※7: 「古墳の森探検日誌」→ http://kofunnomori.web.fc2.com/other/kingsofeast.htm
※8: 「名字由来net」→ https://myoji-yurai.net/myojiPrefectureRanking.htm?myojiKanji=%E5%92%8C%E6%B0%A3
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