勝ったのは百姓たちだ。わしたちではない。
戦国の世。
ある村で
侍が率いる農民と
村の作物を奪おうとする野武士との戦いが、繰り広げられた。
最後の決戦の時。
雨の中
刀と槍、火縄銃を使った
激烈な戦いが続いた。
馬に乗って襲ってくる野武士。
その野武士を追い詰め、
槍で突き殺す村人たち。
すさまじい蹄の音。
ずぶ濡れで
泥まみれになって
やるかやられるか、
息絶えるまで戦いは続いた。
そしてついに、決着はついた。
勝ったのは、
侍と農民たちだった。
互いに多くの犠牲者が出た。
七人いた侍のうち、
生き残ったのは三人。
しかし侍は、
この戦いで
何ら報酬をもらえるものではなかった。
どこかの君主に取り立ててもらえるわけでもない。
「腹いっぱいの飯が食える」
それだけが、彼らへの見返りだった。
いったいなぜ侍は、
農民のために
困難な戦を請け負ったのだろうか。
こんにちは。
「わかるWeb」の国府田(こうだ)です。
侍と農民、そして野武士の戦。
これは現実の話ではありません。
1954年に公開された、
黒澤明監督の映画「七人の侍」の一場面です。
ここでいう「野武士」とは
戦国時代、君主に仕えず、
野山に住んだり旅から旅に渡り歩いたりする落武者で、
中には、この物語のように
盗賊まがいの者もいたようです。
さて、
なぜ侍は農民とともに戦ったのか、
その話を続ける前に・・・
WordPress(ワードプレス)の
簡単な話を一つだけ (^▽^)
(侍の話を読みたい人は、飛ばしてください)
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「WordPressでよくわからないことシリーズ」です。
(わかっている人は侍の話へ (^-^)/)
WordPressの設定で
たまに出てくる「パーマリンク」というもの。
この「パーマリンク」とは、
要するに何なのでしょうか?
「パーマ」といえば、
美容室でかける「パーマ」を連想するかもしれません。
美容室の「パーマ」は
「パーマネントウェーブ(permanent wave)」の略で、「パーマネントに(永久的に)崩れないウェーブ」のことです。
WordPressの「パーマリンク」もこれと同じ、「永久的・半永久的に変わらないリンク」という意味で使われます。
それは、「URL」のことです。
URLというのは、これですね↓
https://wakaru-web.com/column/lucas/
サイトやページのアドレスのことです。
https://wakaru-web.com/
↑ここまでの部分はページごとには変わらないので、問題はその後の「/column/lucas/」の部分です。
これは、ページごとに変わります。
WordPressの管理画面では、
この「/column/lucas/」の部分の「命名のルール」を、設定することができます。
これを、
「パーマリンク設定」と言います。
さてこの「URL」というもの、
一度インターネット上で認識されたら、あとから変えないほうがいいですよね。
なぜなら、
URLを変えてしまうと、
せっかく認識されて検索結果に載っている状態を、なくしてしまうことになるからです。
そのURL紹介してくれている他のサイトの運営者にも、混乱を与えます。
URLは、永久的に変えるものではない。
だから、
「パーマリンク」という名前なのです。
WordPressでの
「パーマリンク」の設定の仕方は、
こちらをご覧ください。
https://goo.gl/rSZSXK
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さて映画「七人の侍」。
世界的に有名なこの作品は、
観客を熱狂させたばかりではなく、
世界中の映画作家に影響を与えてきました。
これからも、与え続けるでしょう。
「七人の侍」をリメイクした西部劇「荒野の七人」は有名ですが、もっと映画作家たちの人生に影響を与えた例が、数え切れないほどあります。
当メルマガによく登場する
ジョージ・ルーカスは
その中の代表選手といえます。
彼は「黒澤監督が、自分の人生と作品にとてつもなく大きな影響を与えた」と言い、さらにこう述べています。
「『スター・ウォーズ』シリーズは、
SFという舞台で黒澤明のサムライ劇を再現したかったのだ」
「ジェダイの騎士は
『七人の侍』のキャラクターを元に創作されたのだ」
そして、
「スター・ウォーズ」に出てくるマスター・ヨーダの存在や振る舞いは、「七人の侍」で侍たちを率いる浪人・勘兵衛(志村喬の役)をモデルにしています。
ヨーダが時折「頭をかく」しぐさをするのですが、これはまさに、勘兵衛のしぐさを模したものなのです。
スティーブン・スピルバーグ監督は、
幼少期に黒澤作品に触れて
多大な影響を受けたそうです。
スピルバーグは、
映画の撮影前、
あるいは
製作中に行き詰まったとき、
物づくりの原点に立ち戻るために、
「捜索者」
「七人の侍」
「素晴らしき哉、人生!」
「アラビアのロレンス」
を必ず観るそうです。
旧ソ連の巨匠
アンドレイ・タルコフスキー監督は、
大の「黒澤明好き」でした。
自身のあらゆる映画の中に
様々な形で、
黒澤明へのオマージュが込められています。
これは、彼の独特なエピソードです。
「惑星ソラリス」を撮影中の
タルコフスキー監督が
そこに訪れた黒澤明と会食をしたことがありました。
タルコフスキーは酒に酔い、
その場に流れていた音楽を止めて、
大声で「七人の侍」のテーマ曲を歌い始めたそうです。
もはや、
「黒澤マニア」と言ってもいいでしょう。
その他、
フランシス・フォード・コッポラ
マーティン・スコセッシ
クリント・イーストウッド
などなど。
世界の第一線の監督の多くが、
黒澤明から多大な影響を受けています。
「タクシー・ドライバー」の監督
マーティン・スコセッシに至っては、
「黒澤は、私や他の多くの映画製作者の師だ」
とまで言っています。
そして近年、
イギリスのエンパイア誌が発表した「外国映画ベスト100」
さらに、2018年10月に
イギリスのBBC Cultureが発表した「史上最高の外国語映画ベスト100」
いずれにおいても
一位は「七人の侍」でした。
これらの事例は、
決して誇張したものではなく、
どちらかというと
控えめに書いたものです (^-^)
(世界の監督の黒澤明からの影響の話は「ウィキペディア(Wikipedia)」より抜粋・引用 メルマガ用に調整しています)
さて、
この侍たちの物語です。
侍たちは
農民の頼みを聞き入れて、
村を守る約束をしました。
「腹いっぱい飯(白米)を食わせる」
それが報酬でした。
しかし、侍たちは、
空腹だから引き受けたのではありません。
侍を雇うことになるはるか前、
不作や野武士の横行に苦しめられていた農民は、
泣き叫び、
自分たちの運命を嘆いていました。
もはや彼らの忍耐も
限界に来ています。
「こうなったら、突き殺すか、突き殺されるかだ!」
村人の一人は激高しますが、
村人たちには
戦う術も、勇気もありません。
「仕方ねえだよ。
長いものには巻かれるだよ」
結局は、
そんな絶望的な言葉が出てくるばかりです。
どうにもこうにも
解決できない村人は、
知恵者である長老のもとへ
相談に行きます。
話を聞いた長老はひとこと
「侍を雇うだ」
と結論付けます。
侍を雇って
野武士と対決せよ
というのです。
「昔、あちこちの村が襲われて焼かれたとき、ただひとつ、侍を雇った村だけが無事だった。おら、この目で見ただ」
長老は言います。
しかし、
侍を雇う金など
どこにもありません。
長老は言います。
「腹減ってる侍雇うだよ、
腹減ってりゃ、熊だって山降りるだ!」
こうして村人は
「飯を食わせる」という
それだけの条件で、
町に出て「侍探し」を始めます。
しかし、
食べ物を出すという条件を
「百姓から施しを受ける」
と解釈し、怒って突っぱねる侍。
一歩間違えば
侍の怒りを買って
切り殺されてしまうのではないか。
そんな危険な空気の中で、
村人はおびえながら
泣きながら
引き受けてくれる侍を探します。
ぐずぐずしていると
収穫の時期が来てしまう。
収穫を終えたら、
40騎もの野武士が襲ってくる!
そんな時、
町の一角で
赤ん坊を人質に立てこもる事件が発生します。
たまたま通りがかった
一人の浪人が、
その事件を知って動きます。
急遽、自分の頭を剃り
僧侶から衣装を借りて
握り飯を持って僧侶のふりをし、犯人に近づきます。
そして、
犯人が油断した隙をついて、
瞬時に赤ん坊を取り返し、
犯人を切り殺します。
これを見ていた村人は
「この人しかいない!」と思い、
赤ん坊を救った、
この浪人・勘兵衛に
村を守ってもらうように頼み込みます。
ところが勘兵衛も
飯を食わせるだけでは無理だ
と言って断ります。
しかし、
村人たちの絶望感、悲壮感を見て、
そして、
そばにいた人足(力仕事で生計を立てる者)に「なぜ助けないのか」と詰め寄られ、勘兵衛はついに、この困難な頼みを引き受ける決心をします。
村を守るには、
少なく見積もっても
七人は必要だ。
勘兵衛は考えます。
こうして、
勘兵衛に集められていく侍たち。
ある者は
勘兵衛の人格に惹かれ、
ある者は、
自分自身の鍛錬のために、
集まってきます。
やがて
七人の侍たちは
村人と合流して、
野武士との戦いの準備をします。
村での様々なドラマは、
是非、もう一度映画を観てください。
(台詞の音声が悪くなっていることが残念ですが、映画の迫力をそぎ落とすわけではありません)
そして決戦の時。
雨の中、
野武士との戦いが終わり、
40騎いた敵は、ついに全滅しました。
多く犠牲者が出て、
生き残った侍は、たったの三人。
勘兵衛もその一人です。
全ては終わったのです。
村は生き延びました。
やがて
元気な歌声とともに、
また田植えが行なわれます。
土で盛られた、侍と村人の墓。
勘兵衛は、ふとつぶやきます。
「今度もまた、負け戦だったな」
勘兵衛の相棒である七郎次が
「え?」と怪訝な様子。
勘兵衛は言います。
「勝ったのはあの百姓たちだ、わしたちではない」
村人は、
長老に言われ
野武士と戦うという、途方もない「決断」をしました。
そして、
金もないのに
村を守ってくれと
侍に頼み込みました。
本当にそんなことができると
彼らのうち、誰が思ったでしょう?
しかし、
村人たちは
そうすることを決めて、
動いたのです。
泣きながら、
わめきながら、
必死に行動しました。
そしてついに、
生き残ったのです。
「できるかどうか」ではなく、
「やるかどうか」を決めたのです。
最初に公開されてから
65年もの歳月が流れていますが、
「七人の侍」は、
まだまだ、
見るべきことががたくさん残っている、「宝箱」だと思います。
ではまた!
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2019年4月1日 第026号発行
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発行責任者:国府田 誠
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