ゾーンでむき出しになる人間の本性
自分の真の望みを、
知っていますか?
ふだん意識している
表面的な望みではなく、
もっと奥底にある望みです。
例えば、
自分は大成功して
多くの富を得たいと切に願い、
それを第一に考えて
ビジネスを実践してきた。
でも実際には
ビジネスにはあまり情熱が入らず、
気がつくといつも
時を忘れ、
無心に絵を描き
彫刻を彫っている。
あるいは、
自分は、
人付き合いが下手で
人前に立つのも苦手だ。
だから、
あまり人と接触しないで
生きていきたい。
ずっとそう思っていたのに、
実際には、何かと
みんなの前に立つことが多く
いつも人に囲まれている。
でもそれが楽しく、
生き生き活動していることに、
自分でも驚いている。
このように、
誰もが、
自分の本来の性質
本当の願望には
なかなか気づかないのかもしれません。
ある小国。
命がけで危険地帯に潜入して
望みを叶えようとする者たちがいた。
そこは立入禁止で
鉄条網が張り巡らされ
厳重に警備されている。
侵入しようとすれば
容赦なく
機関銃で撃ち殺される。
だが、
その警備員たちは
決して鉄条網の中に入ろうとはしない。
なぜなら、その中では
人知を超えた超常現象が起こり
命さえ奪われるからだ。
以前送り込まれた軍隊は
まるごと全滅してしまった。
軍隊のうち誰一人として
生きて帰ったものはいなかったのだ。
その場所は
「ゾーン」と呼ばれていた。
そして
その「ゾーン」の中に
どんな願いでも叶うという
秘密の「部屋」があった。
こんにちは。
「わかるWeb」の国府田(こうだ)です。
この「ゾーン」の話は、
旧ソ連の映画監督
アンドレイ・タルコフスキー作品である、映画「ストーカー」の世界です。
タルコフスキー監督は
当メルマガの「七人の侍」
のお話のときに
黒澤明監督のファンとして登場しました。
https://wakaru-web.com/column/seven-samurai/
日本でもコアなファンの多い監督で、
知る人ぞ知る人物かもしれません。
非常に美く
透明感のある
独特な映像を撮ります。
極限まで説明を省き
映像と音で語ることが多く、
「映像詩人」とも呼ばれていました。
一見、
複雑な内容の台詞のもあり
よくタルコフスキー監督の作品は「難解だ」と評されます。
しかし、
黒澤監督はこう書きました。
「タルコフスキーは難解ではない。
彼の感性が鋭すぎるだけだ」
1986年に
54歳の若さでこの世を去りました。
映画「ストーカー」は、
危険地帯であるゾーンに進入して
どんな望みでも叶えるという
秘密の「部屋」に
命がけでたどり着こうとする
SF映画です。
ここでいうストーカーとは、
「特定の人を付け回す者」ではなく
「獲物を狙って忍び寄る者」という意味です。
そのストーカーたちの冒険を
追いかける前に・・・
WordPress(ワードプレス)の
簡単な話を一つだけ (^▽^)
(「ストーカー」の話を読みたい人は、飛ばしてください (^-^)/)
-------------------------------
「WordPressでよくわからないことシリーズ」です。
WordPressでよく
「ウィジェット」という言葉が出てきます。
この「ウィジェット」って、
もともと
どういう意味なんでしょうか?
サイドバーで使うウィジェットとしては、
例えば、
「サイト内検索」
「最近の投稿」
「カテゴリー」
「カレンダー」
「カスタムHTML」
などがあります。
管理画面で
ドラッグアンドドロップで
簡単に使えるようになります。
管理画面内で可能なところなら
どこでも好きなところに
配置できます。
さて
「ウィジェット」の
元々の言葉の意味は、
「小さな機械装置」とか
「小さな部品やちょっとした機能を持ったプログラム」
ということです。
WordPressでは、
直接は後者の意味ですね。
WordPress全体から見た
「ウィジェット」の立ち位置を表すとすれば、
「テーマ(テンプレート)」が
デザインや機能の大枠を決めるのに対して、
「ウィジェット」が
その中で動く
細かい表示・動作を担当する、
というイメージでしょうか。
「ウィジェット」は
細かい部品をたくさん使えるWordPressには、なくてはならない存在です。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://bit.ly/2Z1hDDo
-------------------------------
さて、「ストーカー」です。
危険地帯「ゾーン」とは、
地球上にありながら
未知の場所です。
あるとき、
隕石が落ちたか
宇宙人が来訪したか、
何かが起こって、
そこにあった村が消滅し
多くの人々がいなくなりました。
政府は
そこを「ゾーン」と呼んで
立ち入り禁止にし、
厳重な警備体制を敷きました。
「ゾーン」では、
想像を超えた
超常現象が起こると言われ、
「乾燥室」や「肉挽き機」
と呼ばれる不気味な場所では
何人もの人間が
命を落としてきました。
その「ゾーン」の中に
人間の望みを叶える「部屋」がある
という噂が立ちました。
すると、
自分の切なる願いを叶えるために
その「部屋」へ入りたいという者が現れます。
それら希望者を案内して
ゾーンに連れて行き、
報酬を得る者たち
それが「ストーカー」なのです。
しかし、
ストーカーも依頼者も
いつ警備隊に見つかって
撃ち殺されるかわかりません。
そして、
ゾーンに進入できたとしても
いつ超常現象で命を落とすか
わからないのです。
この物語では、
登場人物の名前が出ません。
「ストーカー」
「教授」
「作家」
彼らの職業名というか
ニックネームだけが存在します。
まるで
寓話の登場人物のようです。
この3人が
危険を顧みず
ゾーンに進入します。
互いに本名を名乗らず、
互いの正体を知りません。
この
信頼感の薄い人間関係が
緊張感を生み、
疑心暗鬼を生み、
ぶつかり合い、
お互いの腹の中を
探り合うことになります。
ゾーンは人間がいないため
非常に静かです。
風の音、
水の音、
森の音。
そして鳥の声が
遠くに聞こえます。
超常現象が起こるとは思えないほどの、美しい、静寂と幽玄の世界です。
風、森、靄、雨
無人の廃墟
焦げた戦車の残骸
水中に沈む鏡や拳銃
白骨化した誰かの遺体。
全てが、
朽ち果てるまま放置され
草木が生い茂っています。
ゾーンでは、
以前通れた道を
次も通れるとは限りません。
状況は常に変化していて
今まで安全だった場所が
いつの間にか罠に変わり、
人を混乱に陥れる。
まるで
自然や社会の象徴です。
直線で行けば
目的地まで200メートルで着くのに、
進める道は
まっすぐではありません。
直進するのが、
かえって危険なこともあるのです。
だから、
あえて迂回して進みます。
布を結びつけたナットを投げ、
何事もなく落ちた方向を
3人は歩いていきます。
ストーカーが進路を決め、
依頼者を先に歩かせます。
おそらく、
何か起こったときに
状況を見て指示を出せるのでしょう。
しかし
勝手に進行方向を決め
危険に満ちた場所へ
自分たち素人を先に行かせる。
そうしたストーカーのやり方に、
作家は次第に反感を持ち始め、
時には逆らい始めます。
ストーカーは
「従わないのなら
料金を返すから帰りましょう」
そう言います。
作家も教授も、
仕方なくストーカーに従います。
「乾燥室」と呼ばれる
轟音を立てて水が流れ出る場所。
「肉挽き機」と呼ばれる
朽ち果てた不気味なトンネル。
これらの場所では
何人もの人間が
命を落としたといいます。
慎重に少しずつ
3人は進んでいきます。
道中、
ストーカーと教授が
かつていた先輩ストーカーの
不思議な話をします。
「ジカブラス(ヤマアラシ)」
という名の人物です。
ジカブラスはゾーンに詳しい
先輩ストーカーであり、
今のストーカーも
その人物から
いろいろ教えてもらったと言います。
あるときジカブラスは
不幸なことに、
「肉挽き機」で弟を失ってしまいます。
そしてその後、
ジカブラスは
秘密の「部屋」に入り
亡くなった弟を蘇らせてほしい
そう願います。
後日
ゾーンから帰ったジカブラスに、
変化が起こりました。
彼は突如として、
大金持ちになったのです。
しかし
亡くなった弟は戻って来ません。
そしてジカブラスは
その一週間後に
自殺したそうです。
自分は弟の復活を願ったのに
自分が得たのは
莫大な札束だった。
ジカブラスは
おそらく
彼の奥底にある願望を
ゾーンの「部屋」に突きつけられた。
自分の本性を見たのです。
そしてジカブラスは
打ちのめされたのです。
やがて、
ストーカー、作家、教授の3人は
奇跡的にも
「部屋」の前に到着します。
ストーカーによると
何事もなくここまで来れるのは
珍しいことのようです。
しかし、
「部屋」の前で
作家と教授は
驚くべき行動に出ます。
作家は、
「部屋」には入らない
と言い出します。
俺は中に入らんぞ。
自分の醜い本性など見たくないし
他人にも見せたくない。
首を吊りたくもない。
ジカブラスの話もあって
彼は怖気づいたのか、
「部屋」に入ることを頑なに拒みます。
一方、教授は
バッグから金属の筒を出して
組み立て始めます。
何とそれは
研究室から盗み出してきた
20キロトンの爆弾だというのです。
この爆弾で、
秘密の部屋を爆破するのだ
教授はそう言います。
ここにはやがて
大勢の人間が詰め掛ける。
そしていつか、
政治家や悪人などに、
悪い目的のために利用されるかも知れない。
そうなったら、
世界は改悪されてしまう。
だから、
その前に消し去るんだ。
驚いたストーカーは
教授から爆弾を奪おうとして
揉み合いになります。
作家がそれを止めようと
割って入りますが、
彼は、何とストーカーを殴りつけます。
そして、
ストーカーをなじります。
お前らストーカーは
他人の不幸で食っている。
権力を使って
人の命を弄んで
楽しんでいやがるんだ。
偽善者め。
ストーカーは
泣きながら訴えます。
それは違います!
確かに私は
世間では
何もできないろくでなしです。
妻も幸せにできず
友達もない。
でも、
私と同じように
痛めつけられた人たちを
ここへ連れて来て
助けてあげることができる。
希望を与えることができるんです!
ストーカーの必死の声に
心を動かされたかのような
作家と教授。
教授は
爆破するのをやめ
爆弾を解体して
水の中に投げ捨てます。
しかし
作家も教授も
結局は「部屋」には入りませんでした。
3人は
ゾーンから帰ってきました。
家に帰ったストーカーは
妻に切々と訴えます。
彼ら(作家や教授)は
何も信じていない。
今回は、
全くの骨折り損だった!
いつまでも嘆きます。
ここで初めて見えるのですが、
部屋の中
彼の背後に
壁いっぱいの本棚があり
膨大な蔵書が置かれています。
どれも古くて重厚そうな書籍です。
一見して
不器用な労働者風に見えた彼は、
実は深い思索をする
人物だったのでしょうか。
映画では
何の説明もありません。
これを、
SF映画といっていいのか、
精神世界を描いた映画というべきか。
あるいは、
ごくありふれた
人間の迷いや欲求を、
あぶりだした映画なのか。
結局ゾーンの中では
はっきりとした
超常現象が起こったり
未知の生物が出てきたりという、
SFがかった出来事が一切ありません。
しかし、
ラストシーンで
生まれつき足が不自由な
ストーカーの娘のカットがあります。
ここで、
この映画初めての
驚くべき現象が映されます。
それは何か・・・
是非作品を見てください。
とにかく、
ゆったりした時間と
美しい映像と音に
2時間40分もの間、
どっぷり浸かることができます。
映画を見るというよりも
空間を体験している感覚に近いのではないかと思います。
時間に追いまくられている
私たちにとって
非常に貴重な体験です。
ただし、
普段から薄っぺらい説明だらけのテレビに慣れていると、
この映画、
どうしたらよいかわからないかもしれません (*^-^*)
素直に感じること。
自分なりに
イマジネーションを膨らませること。
脳内をリフレッシュして
活性化させ、
感性や集中力を研ぎ澄ますこと。
それと同時に、
ゆっくりと流れる時間に身をゆだねて
自分もその世界の一部になっていくこと。
「ストーカー」は
そんな映画だと思います。
僕に言わせると、
タルコフスキー作品は、
一度はまると抜けられない
一種の麻薬のような映画です。
ではまた!
メルマガの過去記事はこちらです。
面白そうなタイトルがあったら、読んでみてください!
https://wakaru-web.com/column/
このメルマガは、無料レポートを申請していただい方、
これまで名刺交換をさせていただいた方などへ送信しています。
メルマガの配信停止はこちらからお願いします。
解除専用ページURL
****************************************
「わかるWeb」LINE@
初心者向けのWordPressやWebの情報、「わかるWeb」のサービス、日々気づいたことをお送りします。
是非こちらから「友だち追加」してください!
(追加したら、何でもよいのでひとこと送ってください!)
↓
https://line.me/R/ti/p/%40pcn1617z
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2019年4月11日 第027号発行
「わかるWeb」運営事務局
発行責任者:国府田 誠
https://wakaru-web.com/
「わかるWeb」についてのお問い合わせはこちら。
https://wakaru-web.com/inquiry/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
記事一覧
昭和の昔。 まだ家庭用のビデオが 普及していないころ 1970年代なかばから70年代後半 僕が小学生から 中学生のころです。 そのころは 映画がブームでした。 外国映画の話題作が 続々と公開さ
2025年01月25日
宇宙飛行士は 忙しい。 宇宙に行く前も 宇宙にいる間も 地球に戻ってきてからも とにかく忙しい。 現在の宇宙飛行士は わかりませんが アポロ計画のころは 忙しかったのです。 「アポ
2024年09月29日
24平方キロメートルという 東京都品川区ほどの 広大な土地を「所有」し そこに自分のオフィスや スタジオを構え 図書館、宿泊施設、シアター、 オーケストラステージを作り プール、テニスコート、カ
2024年09月22日
こんにちは! 「わかるWeb」の国府田(こうだ)です。 いまだに続いている 日本の長寿番組と言えば ニュース、バラエティー ドラマ、アニメ等・・・ そのジャンルによって 様々ありますが 例えば
2024年08月03日
あれ? 今まで何してたんだっけ? どこにいたんだ? いったいどれほど眠っていたんだろう? そんな風に目覚めたことは ないでしょうか。 さらに、数秒経っても 思い出せないときは ちょっと不
2024年07月26日
こんにちは! 「わかるWeb」の国府田(こうだ)です。 突然ですが あなたは、日本のどこか 人家から離れた山奥に一人で暮らせますか? 「ポツンと一軒家」のような家ではなく 全くの「山の中」です
2024年07月11日
あれ?このメルマガ何だっけ? と思ったでしょうか。 いやいや、こんなメルマガとってないよ・・・ そう思ったかもしれません。 何を隠そうこのメルマガは・・・ 1年5か月ぶりに配信します!
2024年07月08日
人は最新の世界ではなく15秒間のキャッシュを見ている。脳が動かす驚くべき視覚システム。
朝起きて まずあなたは 何をしますか? トイレに行く 水を飲む 顔を洗う。 いや、その前に スマートフォンなどを 見るかもしれません。 スマホで時間を確認して LINEやメールもチェックする。
2023年02月16日
最近、こんなことがありました。 ある朝、いつもの通り 3:30ごろに目を覚ましました。 4:00からジョギングするためです。 そんなに早い時間から? と思うでしょう。 そうなんです。 とて
2022年09月02日
初心者向け「実践WordPressマスター講座」開始のお知らせ
こんにちは! わかるWebの国府田です。 今回は、「わかるWeb」の新たな講座についてのご案内です。 面白ストーリー編をお楽しみにされている方は、次号をお待ちください! さて、寄り道せずに進
2022年08月18日
1週間 ほとんど寝ずに歩いた。 山に向かう線路に沿って どこまでも歩いた。 空腹になると山柿を取って食べ 疲れ果てたら 線路のわきで何かにもたれて眠った。 学生服に通学カバンを下げ 大きなスコ
2022年07月26日
最初はひとつの小さなピースから(WordPressスタート講座のお知らせ)
こんにちは! 「わかるWeb」の国府田(こうだ)です。 物事を始めるには きっかけとエネルギーが必要です。 「これを始めよう、あれを始めよう」 趣味でも、仕事でも アイデアはよく湧いてきますが
2022年06月10日
「懐かしさ」の正体とは何か。ノスタルジアが作る未来 【講座予告あり】
ある穏やかな春の日。 ひとりの少年が 小川に沿った小道を歩いている。 年のころ8 、9歳だろうか。 しゃがみ込んで、小川を見つめると 水の窪みに、蛙の卵が浮いている。 周囲に聞こえるのは 鳥の
2022年05月05日
「達人」の視点はあらゆる分野に通じる。アマゾンビジネスを基礎から体得。
「わかるWeb」の国府田(こうだ)です。 今回は、今気になるビジネスの紹介(第1回)と、「わかるWeb」の小さな募集のお知らせです。 【今、気になるビジネス(第1回)】 ●「達人」が教えてく
2022年02月08日
年のころ 60歳前後であろうか。 男は、その中華料理屋に一人でやって来た。 中華丼や唐揚げを食べて ビールと焼酎を飲んだ。 飲み終わると、彼は立ち上がり 突然ナイフを出した。 「おい」 店
2022年01月22日