幸せに働くために必要な「安心」と「喜び」を生み出すことのできる「よりよい会社づくり」のための人事・労務管理における良質で新鮮な情報を毎週お届けしていきます。

今回もSUCCESSIONに日々寄せられる相談を物語風にアレンジした「社労士事件簿」をお送りします。
現場でのトラブルを未然に防ぐための備えや心の準備にお役立ていただければ幸いです。

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【社労士事件簿Case10】副業のケガで休職、そのとき会社は…？（後編）
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※フィクションにつき、登場人物や会社名は現実のものとは一切関係ありません。

前回の続きです。

青葉マーケットの総務課・大西さんは、副業先のケガで長期間出社できない田村さんについて、社会保険労務士法人SUCCESSIONに相談しました。

担当社労士
「副業でのケガによる長期休職でも、就業規則に懲戒や休職の規定があれば解雇できるケースはあります。ただし、解雇は従業員にとって負担が大きく、トラブルの火種にもなりやすいので慎重に進めてください。」

大西さん
「やっぱり、いきなり解雇は避けた方がいいですよね。何か実務的なポイントはありますか？」

担当社労士
「はい。まずは会社の休職制度を活用し、一定期間、従業員の回復を待つのが一般的です。そのうえで、休職期間が満了しても復帰できない場合に、“休職期間満了による退職"として整理するのが、トラブル防止にも有効です。」

大西さん
「分かりました。本人にも会社の方針や制度について丁寧に説明します。」

宮本店長も「田村さんが戻れれば一番いいけど、やむを得ない場合はみんな納得できる形にしたい」と話し、現場と総務が協力して対応を進めることになりました。

【後日談】
その後、大西さんは田村さんに休職制度や今後の流れを丁寧に説明し、定期的に連絡を取りました。しばらくして田村さんのケガが順調に回復し、休職期間中に無事復職できることに。職場も温かく迎え入れ、田村さんも「会社に迷惑をかけてしまったけれど、待ってもらえて本当にありがたかったです」と感謝の言葉を口にしました。

大西さんも「もし解雇を前提に早く話を進めていたら、田村さんとの関係も職場の雰囲気もこじれていたかもしれない」と感じ、専門家のアドバイス通り慎重に進めてよかったと実感しました。
今回の経験から、大西さんは今後も副業規定や休職制度の見直しを積極的に進めていくことを決めました。

【まとめ】
・副業による長期休職でも、就業規則に沿った対応で解雇が認められる場合がある
・ただし、解雇は慎重に。まずは休職制度を利用し、期間満了による退職がトラブル防止につながる
・会社のルールと誠意ある説明が、従業員や職場の安心感につながる

【根拠法令・参考情報】
労働契約法 第15条（懲戒）
労働契約法 第16条（解雇）

【お問い合わせは社会保険労務士法人SUCCESSIONまで】
社会保険労務士法人SUCCESSIONでは、
・副業に関する労務トラブル対応
・就業規則・賃金規程の整備
・社会保険・労働保険手続き等のアウトソーシング
など、各種ご相談を受け付けております。気になることがございましたら、お気軽にご連絡ください。

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