【わけのわからない涙の正体はなんだろ？】｜ソーシャルスタイル（前S-style）メルマガバックナンバー

【わけのわからない涙の正体はなんだろ？】

2021年08月23日

数日前、妻に誘われて１年半ぶり位に
市松模様のような座席配置の感染対策
が施された映画館で映画を観てきました。

山田洋二監督の『キネマの神様』です。

その映画にはちょっとしたご縁がありま
した。

そのご縁とは、

２０２０年３月２９日、志村けんさんが
新型コロナウイルスで亡くなったという
衝撃的な出来事と関係があります。

私はその数日後、元同僚と話をしながら
当時の勤務先に向かって歩いていました。

その同僚のお嬢さんが、映画関係のお仕事を
されていて、志村けんさんと菅田将暉さん
がダブル主演の”松竹１００周年記念映画”
『キネマの神様』に携わっておられました。

志村けんさんが亡くなり撮影が中断してい
るとのことでした。

志村けんさん亡き後、親交の深かった沢田
研二さんが抜擢されました。

原作の「キネマの神様」は、別冊文藝春秋
2007年7月号～2008年9月号に連載された
原田マハさんの小説「キネマの神様」です。

原作の「キネマの神様」は、ギャンブル依
存症で無類の映画好きだった原田マハさん
のお父様がモデルです。
壊れかけた家族を映画が救う奇跡の物語で、
お父さんが亡くなった時にマハさんが棺に
文庫本を忍ばせたとされています。

しかし映画『キネマの神様』は、原作の
「キネマの神様」とストーリーは違います。

原作の「キネマの神様」を読まれた山田洋二
監督が、原作で最も重要なエッセンスである
『映画愛』と『家族愛』を抽出し、原作に
対する深い読解と敬意、真の創造力で書き
上げた脚本が映画『キネマの神様』です。

”カットとカットの間に神様が宿る”

冒頭からこの映画の世界に惹き込まれてしまい
何度も何度もなぜか【わけのわからない涙】
が溢れてくるのです。

ボキャブラリーが乏しい私は、この映画を
どのように表現して良いのか術がありません。

登場人物は少なく、ストーリーもシンプルです。
カメラアングルやテンポは”しっとり”　穏やか
で落ち着いています。

映画の世界に惹き込まれ、

”汚れた私の心が洗われた”

という想いだけは確かのようです。

大切なものが心に染み入る感じでした。

そして、妻がエンディングロールに冒頭の
元同僚のお嬢さんの名前を発見したのです。

映画を観た翌日、退職後初めて元同僚に
電話をかけたところ、封切りの翌日にお嬢さん
と一緒に観に行かれたと聞き、羨ましい親子だ
と思いました。

この映画の衝撃を受けて、私はkindle出版プロ
デューサーとして、勉強すべきことが沢山ある
ことと出版の大変さを改めて痛感しました。

ご縁のある方の気持ちに寄り添い、お役に立つ
ができれば、こんな幸せなことはありません。

今週も一週間頑張りたいと思います。