【 孤独の果てに 】No.37
妻、鈴木惠美です。
今日は、秋のお彼岸のお中日。
両親の初彼岸を迎えている鈴木家です。
3月に父が逝き、
その後を追うように、
7月に母も逝ってしまいました。
母は、めちゃくちゃ、気を遣う人でした。
来客者には、必ず、お茶やお菓子を出さ
ないと、気が済まない性格でした。
断っても、断っても、勧めてくる母に、
来客者は根負けします。
帰るときには、必ず何かしらの品を持た
せます。
自宅から、徒歩10分程度の距離なので
「何も持って来なくていいから、いつで
も来てちょうだいね。」
と言われていました。
でも、気を遣いすぎる母と過ごす時間が
辛くなってくるのです。
帰り際に必ず持たされる品を考えると、
手土産を用意しばきゃいけない気がして
腰が重くなり、気軽にちょっと立ち寄れ
なかったです。
ある日、孫夫婦が、生後間もない曾孫を
連れて遊びに来ました。
愚図りだした赤ん坊をあやす為に、孫の
お嫁さんが立ち上がります。
すると、母も立ち上がって、お嫁さんが
座るまで、頑として座ろうとしない姿に
驚きました。
『お客さん』が立っているのに、自分が
座っているなんて、考えられないのです。
母は、子供であっても、孫であっても、
訪ねてくる人は『お客さん』という考え
の持ち主でした。
しかし、
誕生日とか母の日にプレゼントやケーキ
を持っていくと
「ありがとう。」と言うや否や、
「こりゃいくらするだん?」とか
「高かっただらぁ?」と聞いてくるのです。
なんと答えたら良いのでしょう?
母は気付いていませんでした。
相手が
母の対応に戸惑っていること。
付き合いにくいなぁ、面倒くさいなぁと
思っていること。
また、母は
自分の気落ちをきちんと伝える。
人の話を聞く。
人と話し合う。
人と一緒に過ごす。
中華料理のような取り分ける
料理を食べる。
ことが苦手な人でした。
父と母とは、65年以上苦楽を共にしま
した。
父は母を理解していました。
母は「他人と暮らすこと」も
「ひとりで暮らすこと」も出来ないので
父は、母を看取ってから、死を迎えよう
と決めていました。
母本人は、父と長年暮らす中で
「父の死」は考えていない、
もっと言えば、「父は死なない」
と思っているようでした。
自分が「ひとりで暮らすこと」なんて、
全く想像していない様子でした。
そんな母には、父が亡くなった現実を、
受け止められるはずがなく、
日に日に気力を失くしてしまったのです。
父を亡くして母が味わった『喪失感』と
『孤独』は、私の想像をはるかに超える
ものだったんだと思います。
新聞が読めない。
テレビも観ない。
食事をきちんと摂らない。
大好きだった花の手入れをしに
庭にも出られない。
夜も昼もなく、眠ってしまう。
トイレに歩いて行くのが精いっぱい。
その結果
耳は遠くなり、脚は浮腫み、痩せて……
目に見えて、どんどん弱ってしまいました。
母の体調悪化は、
坂道を転げ落ちるようというより
崖から真っ逆さまに落ちていくようでした。
『孤独』は
代表的な健康リスク『喫煙』や『飲酒』に
匹敵するほど、深刻だそうです。
『孤独』は
脳卒中などの『心血管疾患』、『がん』、
『認知症』を増加させるそうです。
各種疾患の発症のみならず、さらに死亡率
もあげているそうです。
母は『孤独』に蝕まれたんだと思います。
孤立・孤独は深刻な健康リスクである
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2020/0729531070/
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