【日本語の美しさ~爽籟(そうらい)~】No.44
今日のテーマは
「風」です。
風を使った日本語は
たくさんあります。
・風向きが変わる
風は一定の方向にだけ
吹いてはおらず、
風向きは必ず変わります。
ですから物事はすべて
順調に進むこともなく
ずっと悪い事ばかりでも
ないので、流れを読む
ことが大切ですね。
・風当たりが強い
出る杭は打たれると
言いますが、目立つと
風当たりが強くなります。
風当たりが強くなるのは
一人前の証拠でしょう。
・肩で風を切る
威勢がよく、得意そうに
歩く様子ですよね。
常にこんな風に胸を
張って歩きたいです。
・風上にも置けない
人からこんな風に批判
されたらおしまいです。
謙虚さを忘れないように
したいものです。
・風が吹くと桶屋が儲かる
何事も意外なところに影響
が出ることの例え話です。
どうして風が吹くと桶屋
が儲かるのでしょうか?
風が吹く
⇒ 埃が立つ
⇒ 埃が目に入る
⇒ 盲人になる
⇒ 三味線で生計を立てる
人が増える
⇒ 三味線の胴を張る猫の
皮の需要が増える
⇒ 猫が少なくなる
⇒ ネズミが増える
⇒ ネズミが桶をかじる
⇒ 桶屋が儲かる
ビジネス的に捉えると、
何か事が起こると儲かる
人が必ずいます。
ですから常に大局でモノを
みたり、先見性を持つ必要
がありますね。
・風雲児
社会の変動などに乗って
大活躍するような
英雄的人物。
孫正義さんとか
ホリエモンとか?
あなたは誰を
思い浮かべますか?
・風物詩
風景または季節を
うたった詩という
意味や
季節の感じを表して
いるもの
秋の風物詩といえば
十五夜
紅葉
赤とんぼ
彼岸花
サンマ
柿
ハロウィン
まだまだ
沢山ありそうですね。
・風来坊
「手羽先唐揚げ屋」さん
のイメージが強いですが、
もともとは
風に吹かれてどこからか
やって来た
身元不明の人
という意味です。
ふらふらせず地に足を
付けて歩きたいと思います。
・風
風と言えば
私の青春の思い出ですね。
「かぐや姫」の伊勢正三さんと
「猫」の大久保一久さんが
1975年に結成したフォークデュオ。
伊勢正三さんが付けた
「風」の由来は、
「空気のように留まらず、
音楽的に常に進化して
いくことを目指す」
と言われています。
「ささやかなこの人生」
聞いてみたくなりました。
よかったらご一緒にどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=2id1Kp-Fk1I
さて、タイトルの「爽籟(そうらい)」
清々しくとってもさわやかな秋の風を
表す言葉です。
早春に吹く東寄りの風の
ことを東風(こち)と言いますが
爽籟って、”風”という字を使って
ませんよね。
どうやって付けられたんでしょう?
「籟」は穴が三つある笛のこと
その笛を吹くことを
「吹籟:すいらい」とよんでいた
そうです。
次に、松を渡る微細な
風音が笛の音に聞こえる
ことから「松籟:しょうらい」
という言葉が生まれたそうです。
さらに秋風の響きを「爽籟」と名付けた
と言われています。
なんて繊細で素敵な言葉なのでしょう。
松を渡る微妙な風の音
その昔、日本の秋の風を
呼んだ本当に美しい日本語
だと思いませんか?
どんな感じなんでしょう?
亜熱帯化した現代とは
隔世の感がありますね。
でも、心は爽籟を感じ
取れる感性を失わない
ようにしたいです。
今週もあと2日。
台風が接近し、天気が崩れ
そうですが、被害がないと
いいですね。
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