オレンジメールにて配信したメルマガのバックナンバーです。

汽笛一声（いっせい）新橋を
はや我汽車は離れたり
愛宕（あたご）の山に入りのこる
月を旅路の友として


『鉄道唱歌』の歌いだし。
１番の歌詞です。


先日１１月１日のこと。
品川駅経由で新橋駅に降り立ちました。
ＳＬ広場の機関車を見た瞬間から、私の
脳内ではメロディと歌詞がリフレイン。


そして、宿泊したホテルは、愛宕（あたご）
の山のふもとにありました。
まったく出来過ぎていました。


さて、私の生まれ育った岡崎ですが。
唱歌では３１番に歌われています。


見よや徳川家康の　
おこりし土地の岡崎を
矢矧（やはぎ）の橋に残れるは
藤吉郎のものがたり



私の居宅は、矢作川（やはぎがわ）に
かかる矢作橋（やはぎばし）の近くに
あります。


国道１号線を名古屋方面から岡崎市に
向かう途中、矢作橋（やはぎばし）に
石像があります。
日吉丸（のちに木下藤吉郎、豊臣秀吉
と名を改めた）と蜂須賀小六の
「出合之像」です。


石像の説明碑に書いてあります。

１.豊臣秀吉は子供の頃、
　 日吉丸（ひよしまる）という名前で
　 尾張中村（現在の名古屋市中村区）
　 で生まれました。

２.父は織田信秀（信長の父）の足軽の
　 弥右衛門といい、日吉丸は８歳の時
　 に奉公に出されました。が、１２歳
　 で奉公先を飛び出し実家に帰ること
　 もできずに岡崎の矢作橋で野宿して
　 いたのです。

３.そこに尾張北部で勢力を持っていた
　 野武士で、盗賊の統領・蜂須賀小六
　 が通りかかり、野宿していた日吉丸
　 の頭を蹴飛ばしました。

４.日吉丸は怒って小六に言い寄ります。
　『人の頭を蹴り、詫びもしないとは
　　無礼だろ！謝れ！』
　 すると蜂須賀小六は
　『子どもなのに度胸があるではないか
　　手下にするからその初手柄を見せよ』
　 と日吉丸に言います。

５.日吉丸は頷き、橋の東にある味噌屋に
　 侵入し、小六達を引き込みます。
　 しばらくの間、味噌屋を荒らしていた
　 小六達でしたが、味噌屋の人がそれに
　 気づいてしまいます。

６.小六達を逃がすために、日吉丸は一計
　 を案じます。
　 味噌屋の井戸の中に『ドボン！！』と
大きな石を投げ入れたのです。
　 すると味噌屋の人達は、泥棒が誤って
　 井戸に落ちたと思い込み、井戸の周辺
　 に集まり覗き込みました。
　 日吉丸はそのスキに逃げ出し、小六達
　 に追いつきました。

７.その後、日吉丸は木下藤吉郎秀吉と名
　 を改め、織田信長に仕えます。
　 そして、墨俣一夜城の築城、稲葉山城
　（岐阜城）攻略と、数々の手柄を上げ
　 ます。
　 その手柄をサポートしたのが、蜂須賀
小六正勝を統領とする、川並衆だった
　 のです。

８.後に蜂須賀氏は秀吉の配下となります。
小六の息子・蜂須賀家政は、豊臣政権
　 で阿波国（現在の徳島県）の国主とな
　 ります。


以上が、『鉄道唱歌』の歌詞にある藤吉郎
のものがたりです。


因みに、
『鉄道唱歌』は、明治３３年（１９００年）
に発表されました。
東海道編だけで６６番まであるんですよ！！


余談ですが、
品川駅の開業は１８７２年６月１２日。
２００２年６月１２日の開業１３０周年の
記念日より、ＪＲ東海道線上下線ホームの
発車メロディーに『鉄道唱歌』が使用され
ています。汽笛の音も流れます。


YouTubeで、音源も確認できますので、

一度じっくり聞いてみませんか？
歌詞の内容は面白く、奥深く、知っている
と自慢できるかも知れません。