【主演男優賞ウィル・スミスの言動の是非】No.226｜ソーシャルスタイル（前S-style）メルマガバックナンバー

【主演男優賞ウィル・スミスの言動の是非】No.226

2022年03月30日

今日は、昨年７月３０日に父を追いかけて
逝ってしまった母の８回目の月命日です。

母の様子を目の当たりにした私としては、
父が呼び、その声に答えた母が誤嚥性肺炎
で入院したのちすぐに脳梗塞になったのは
ふたりの想いが強かった証のように感じて
います。

母は、父の傍に行けて喜んでいると思うの
です。

母の月命日の今日は、家族愛（夫婦愛）と
人間として許される行為の境界線について
考えてみたいと思います。

その事件は日本でも大きく取り上げられて
いるので、あなたもご存知かもしれません。

衝撃的なその事件は、３月２７日、米国
ロサンゼルスのドルビー・シアターで
起こってしまいました。

第９４回アカデミー賞の主演男優賞の受賞
発表の前に、ウィル・スミス氏（５３歳）
が壇上に上がり、コメディアンの
クリス・ロック氏（５７歳）をビンタした
模様がテレビで生中継されたのです。

私はクリス・ロックというコメディアンを
知りませんでしたが、この機会に調べて
みました。

アメリカには、観衆の目前で演じるスタンド
アップコメディというスタイルのコメディ
（即興話芸）があるようです。

題材はユーモアやジョーク、人間観察、
下ネタ、政治、宗教、人種差別など幅広く、
コメディアンが皮肉交じりにしゃべるのが
特徴です。

壇上のクリス・ロック氏は、コメディとし
て次のような言葉を言い放ったのです。

「ジェイダ、
　『G.I.ジェーン2』が早く見たいよ」

言葉としてはたったこれだけです。

これを聞いたジェイダさんの顔が強張り
ます。その直後にビンタ事件が起こった
のです。

どういうことか解説しますね。

「ジェイダ」とは、
ウィル・スミス氏の妻で女優の
ジェイダ・ピンケット・スミスさんの
ことです。

そして、彼女は自己免疫疾患で脱毛症に
悩んでいて、これを公表し、短髪にして
います。

「G.I.ジェーン」とは、
主演女優のデミ・ムーアが短く刈り上げ、
鍛え上げた肉体で海軍特殊部隊に入り
男性顔負けの特訓シーンが話題となった
１９９８年頃の映画です。

「G.I.ジェーン２」とは、続編です。

脱毛症で仕方なく短髪にしている髪型を
いじって、「G.I.ジェーン」の続編が
早く見たいとからかったのです。

実際の映像を見てみましょう。
　↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=ursODSS9NKU

この映像をみて、
私はとても胸が痛みました。

あなたはどう感じましたか？

この直後、ウィル・スミス氏は、映画
『ドリームプラン』で初の主演男優賞を
受賞したのですが、

その際の彼の涙ながらのスピーチは
素晴らしいと感じました。
　↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=q_jC6FrskHA

このスピーチでは、自分が殴った
クリス・ロック氏に謝罪していませんが、
後日、謝罪したようです。

ロック氏は、警察に告発する意思は
ないと発言しているため刑事事件には
ならないようです。

しかし、米アカデミーは、スミス氏の
一連の行動を非難し、この事件に関して
正式に調査を開始し、カリフォルニア州法
に基づき、措置を検討すると発表して
います。

先ほど私は、この事件でとても胸が痛んだ
と述べましたが、自分自身にも同じような
経験をしたことがありました。

その時に取った自分の行動で相手を深く傷
つけることになって、スミス氏の気持ちと
自分の気持ちが重なってしまいました。

人は何気ない言葉で傷つくものです。

今回は、スタンドアップコメディですが、
人の身体的な特徴や自分が感じたことを
そのまま口にしてしまうことで、相手を
簡単に傷つけてしまうか可能性があると
いうことを肝に銘じなければならないと
改めて感じた次第です。

以前のメルマガで
「口は命の入口、心と文化の出口」と
いうお話をしたことがありましたが、

「口は禍（わざわい）の元（もと）」

ということわざを付け加えたいと思います。

ではでは