【近江商人の成功の秘訣に学ぶ】No.284｜ソーシャルスタイル（前S-style）メルマガバックナンバー

【近江商人の成功の秘訣に学ぶ】No.284

2022年05月28日

昨日は、商売の基本は笑顔が重要
だということで、近江商人の
「商は笑なり」というお話でした。

今日は、この「商は笑なり」という
考え方を重んじた近江商人の成功の
秘訣”三方よし”経営をみてみたいと
思います。

京都に近い近江は、古くから交通の
要所であり、戦国時代に織田信長が
「楽市楽座」を制定し、商業が盛ん
な地域でした。

文字通り、近江の商売人のことを
近江商人といいますが、
地元の近江で商売をしていても、
近江商人という呼称はつきません。

菅笠を被り、縞の道中合羽を羽織り、
肩に前後に振り分けた商品の荷物を
下げた天秤棒を担いで遠くまで行商
したので、近江から来た”近江商人”
と呼ばれるようになったのです。

情報が少ない江戸時代に国を離れて
商売をするのは、凄い勇気と苦労が
あったんだと思います。

その上、信用が必要です。

近江商人は、江戸の街の人に直接、
モノを売らず卸売をしました。

商品を江戸に運び、その商品を
安く卸して、江戸の商店に儲けて
もらったので近江商人は受け入れ
られたのです。

近江商人が天秤棒を担いで運んだ
商品は、近江産の麻布（あさぬの）、
蚊帳（から）、畳表（たたみおもて）
のほか、商売先各地の特産品のお茶、
木綿、紅花(べにばな)、生糸、漆器、
薬など多岐にわたりました。

そして、いろんな品を買うことが
できる江戸に住んでいる人たちにも
喜ばれたのです。

これが近江商人の経営哲学
”三方よし”の考え方です。

商売は、売り手と買い手が満足して
”笑う”だけでは成り立たず、

江戸の街に住んでいる人々
”社会”にも貢献することが
”三方よし経営”なのです。

商いの基本中の基本ですよね。

最近では、大手電機メーカーが
長年にわたり、社内データを改ざん
していたことが問題になっています。

これまでにも同様の不祥事が何回も
報道されています。

商売の基本が崩れていますね。

大企業でない個人事業主として
起業家も商売をするという観点
では、全く同じです。

”三方よし経営”はスタートライン
ですね。

そして、最近では、SDGｓ経営が必要
だといわれ、”六方よし経営”という
本も出版されています。

”六方よし経営”についても
この先、触れてみたいと思います。

ではでは

ーーーーーーーーーーーーーーーー
（参考）
近江で創業し、歴史のある有名企業
は、こんなに沢山あります。

・ふとんの西川産業（1566年）

・学習机や照明の小泉産業（1700年）

・百貨店の高島屋（1831年）

・総合商社の伊藤忠商事や丸紅
　（いずれも1858年）

・繊維関係の東洋紡績（1882年）

・日本生命（1889年）

近江商人恐るべし！
凄いですね。