オレンジメールにて配信したメルマガのバックナンバーです。

実家を手放すため
この1か月間、父と母が
遺していったあらゆる
モノと悪戦苦闘中です。

リフォームして住むことを
あれこれ検討した時期も
ありました。

しかし、夫婦二人にしては
広すぎます。

高額なリフォーム費用も
かかります。

人間も今が一番若いように
家も放っておけば老朽化
するだけです。

それにしても、よくもまあ
色んなモノが出てきます。

昭和ひとケタ生まれの両親は、
モノがない時代に育ちました。

もったいない精神が骨の髄まで
沁みついていました。

本来、何十年も前に捨てられる
運命にあったモノと
使われるべきモノが、
渾然一体となって家じゅうの
至る所に押し込められて窮屈そう。

これまでも姉と妹に見てもらい
それなりに片づけてきたつもり
でした。

しかし、いざ空っぽにしなければ
ならないとなると、、、、

これまでしてきたことはほんの
氷山の一角だったような感じです。

片づけの方針

〇業者に依頼するもの
・タンスなどの大型家具
・大型家電品

〇我々夫婦で処理するもの
・その他すべて

精査すればするほどもったいない
と思うものが出てくるものです。

例えば
・母の嫁入り道具
　桐の整理タンス
　茶箪笥
　三面鏡

ホコリをかぶり
納戸に押し込められていた
「桐の整理タンス」は、
非常に軽く、３段に分かれる構造。

確かに傷んでいるものの
私はこれを潰せませんでした。

facebookに投稿したところ
なんと使っていただける方が
いらっしゃいました。

「茶箪笥」は、マンションに
連れて行きました。

母が生前、「これは良いものだから」
と何度もつぶやいていたことが
ようやく理解できました。

今まで古臭い、どうでもいいもの
と思っていたのですが、
いざ真剣に向き合うと
大変趣のあるものだったのです。

「三面鏡」
これは鏡と台座の接合部に不具合が
あるので、母も長年使っていません。

何も考えずに捨てるつもりで取っ手の
金具をひぱって取り外したときに
気が付きました。

淡い飴色に塗られた木製の引き出し
部分が曲線造りになっていて、
何とも味があるのです。

こんな素敵な家具、
今ではもう作れないと思い、
壊す手が止まりました。

あと二日しかないのですが、
対処方法が見つかっていません。

このほか、食器類の中には
昭和レトロブームとかで、
アデリアのガラスのティーカップは
妻がジモティーで紹介すると
たちまち引き合いがありました。

敬老の日を前にしたシルバーカー

職業用ミシン

景品のウイスキーグラス類

木製の衝立

沢山のものを妻がfacebookや
ジモティーで引き取り手を
探してくれました。

妻には本当に感謝しています。

我が家にきた湯吞み茶碗や
菓子器や食器類は、
驚くほど輝いてみえます。

納戸や食器棚の奥底に忘れ
去られていたものが、
妻の手により、
日の目を浴びて、
いきいきして
本来の使われ方を
してもらい
きっとよろこんでいるから
なのでしょう。

実家は、解体されず
次に住んでくれる家族を
待っています。

父と母は、６０代半ばで、
以前の家を取り壊し、
自分たちが理想とする
家を建て直しました。

しかし、
一切、使われない部屋もあり、
家全体が膨大な押し入れの
様相を呈していたのです。

それが、家の中には何もなく
清々しい景色に生まれ変わり
つつあります。

太い大黒柱のある在来工法です。
床にきしみも見当たりません。

きっと、この家は、
明るく、にぎやかな家族が
現れることを待ち望んで
いると思います。

母の「三面鏡」共々、
ご興味があれば
ご案内いたします。