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【言葉にならない】No.548

2023年02月22日

宇宙戦艦ヤマトの監督松本零士氏が
お亡くなりになりました。

宇宙戦艦ヤマトがテレビ放映された
のは、1974年、私が中学生の時です。

テンポ良いリズムとヤマト最大の武器
"波動砲"など、初めてのことだらけ。

亡父と一緒に見た当時の高揚感を
今でも思い出すことができます。

私は"戦争を知らない子供たち"の
１人です。

松本零士氏の訃報に接して、
私はふと父がどんな想いで
"宇宙戦艦ヤマト"を見ていたのか
考えてしまいました。

父の兄、すなわち私の伯父は、
戦地に送られる船もろとも
海底に沈んでしまったからです。

今の日本人の殆どは戦争を知りません。

しかし、世界では至る所で戦争が
繰り返されています。

日本海には頻繁にミサイルが落下
しています。

アメリカでは偵察気球や国籍不明の
飛行物体が追撃されています。

明後日２月２４日には、
ロシアのウクライナ侵攻から１年を
迎えます。

本当にやるせない氣持ちになります。

ロシアから戦争に反対する人が国外に
流出しています。

テレビ取材で国外に移住した家族への
インタビューが報道されていました。

ロシア国内では、自分の思うことを
そのまま表現することができません。

ロシアのウクライナ侵攻について、
意見を求められると、その女性は
涙を流して言葉になりませんでした。

言葉を失ってしまうのです。

原始時代、人は、決して強い動物では
ありませんでした。

弱い人間は、話言葉を獲得します。

進化のはじまりです。

力を合わせて、集団で強い相手を倒す
ことができるようになりました。

その結果、生態系ピラミッドの頂点に
立つことができたのが人類でした。

野生動物の世界では、食うか食われるか、
常に戦々恐々としていなければなりません。

集団をつくった人類は、言葉と文字により
さらに豊かなコミュニケーションの方法を
次々に生み出すことができました。

しかし、戦争はコミュニケーションでは
ありません。

人間は、進化の歴史の中で"大脳"が発達
しました。

大脳は、大脳新皮質と大脳辺縁系に分類
されます。

コミュニケーションは、大脳新皮質を
使います。

戦場では、生身の人間が、
戦車や飛行機を使い、
あるいは機関銃を手に取り、
戦うか逃げるかを繰り返しています。

まさに原始時代と同じ状態だといえます。

だから"言葉にならない"のです。

戦争はコミュニケーションではないから。

コミュニケーションを取るのが人間のはず。

大脳辺縁系にある偏桃体に血流が優位だと
コミュニケーションを担う大脳新皮質に血流
が回らない状態になってしまうのです。

誰もが豊かなコミュニケーションを交わす
ことができる世の中を強く望んでいます。

上手く伝えることができません。

言葉になりません

ただ、表面的には戦争のない日本の中に
あっては、戦うか逃げるではなく、

しっかりとコミュニケーションが取れる
社会になるように、私にできることを
していきたいと考えています。