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【茶々の教育と大阪夏の陣】No.639

2023年12月15日



慶長20年(1615年)の大阪夏の陣で
豊臣家は滅亡しました。

大阪夏の陣が回避できなかった訳は?

色んな見方があると思います。

12月10日に放送されたNHK大河ドラマ
「どうする家康~乱世の亡霊」から
その理由を考えてみました。

古沢良太さんが書かれた脚本
「どうする家康」は、これまでにも
このメルマガで紹介しています。

とっても温かみを感じます。

一貫して愛が流れています。

戦国時代という舞台背景を使いながら
現在の社会課題が盛り込まれています。

すんごく好感を覚え、古沢良太さんの
大ファンになっちゃいました。

さて、話を大阪夏の陣に戻します。

豊臣秀頼は、なぜ勝ち目のない戦を仕掛け、
自刃(じじん)したのでしょうか?

今回のタイトル「乱世の亡霊」とは
何を指しているのか?

私は、「乱世の亡霊」を天下統一で
満足せず、明国の制服を目指し、
2回も朝鮮出兵した豊臣秀吉の野望と
その側室茶々(淀君)に宿る屈折し
複雑な感情だと捉えました。

秀頼は、秀吉57歳の時の子です。

子どもに恵まれなかった秀吉は、
待望の子、秀頼を溺愛しますが、
秀頼5歳の時に亡くなります。

秀頼は、茶々の厚い庇護のもと
英才教育を受けて育ちます。

19歳で家康と二条城で会見する
まで大阪城から殆ど出た事がない
ような生活ぶりだったようです。

妻千姫は、秀頼に問いかけます。

「真(まこと)のあなた様は
 どこにあるのですか?」と。

一方、戦乱の世を離れ天下泰平を
目指す家康公は、早々に将軍職を
"大いなる凡庸"秀忠に譲ります。

家康公は、我が子、秀忠に言います。
「お前は戦さを知らんで良い」。

争い事の世の中は、自分の代で
終わらせるという決意でしょう。

このふたりの親、茶々と家康公を
通じて教育の重要さを問うている。

私は、そんな見方をしていました。

どうしても戦を避けたい家康公は
熱い想いを茶々に届けます。

茶々は、その手紙に心揺らぎます。

我が子を守り、豊臣家および家臣が
生き延びるために、負け戦は避けたい
と内心思ったことでしょう。

しかし、秀頼に判断を任せるのでした。

秀頼は、母親の言いなりではなく、
"真の自分の心"で戦いを決意します。

こうして夏の陣は起こりました。

教育によって人の人生が変わり、
豊臣家は茶々の教育によって滅びた。

自分が信じている"真の心"も危いもの。

これを痛感した放送回でした。

誰しもステレオタイプで生きている。

先入観に囚われて生きている。

あなたには、どんな先入観がありますか?


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