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【心で経営する】No.654

2024年02月22日

私は定年退職するまでの5年間、
電機メーカーでハラスメント
相談窓口を担当していました。

人は無意識に導かれます。

ウェルビーング伝道師として
生きることを決意したのは、
サラリーマン時代のこの経験が
繋がったと考えています。

最近、ある経営者さんの講演を
お聞きする機会がありました。

その方の器の大きさ、
温かさ、捉え方に
感銘を受けたのでご紹介します。

その社長さんは、職場の上司が
突然、辞められたため、若くして
営業所長に任命されたそうです。

２０代前半のことです。

「人を動かす」にはどうしたら
いいのかわからず、机の横に
木刀を置いていたそうです。

社員を脅したり、力づくで
命令に従わせようとしました。

昭和のモーレツ時代の話です。

今なら、
ハラスメントで一発アウトです。

その社長さん、この方法では
ダメだと気づきました。

そこで、

「心で経営する」

ようにしたそうです。

そうしたら仕事が上手く
回るようになりました。

「心で経営する」とは、

仕事は義務感で
やらされ感で
やると楽しくない。

美点（良い点）をほめ続けることで、
想定をはるかに超える成果を出する
ことができる。

人間には無限の可能性があることを
発見されたのです。

トップは、自分の理念をビジュアル化し、
社員に示すことが重要であると
仰っていました。

毎月の売上や利益もガラス張りにし、
"フィロソフィー委員会"の参加者は、
社外の人であっても経営情報を持って
帰ることができるようにしたそうです。

税理士さんからは、

「社長！そんなことして、
　何かあったら
　どうするんですか？」

と注意されたそうです。

しかし、そんなこと意に介さず、

「なんかって、なんや？
　何も悪いことしとらへん。
　同業者がみてもかまへん」

とあっけらかんしたものですから、
税理士さんも返す言葉がありません。

社業を通じて、
社会を良くしよう！
人のお役に立とう！

経営トップのあり方、
器の大きさに触れたとき、
人（社員）は心を開き、
応援したいという気持ちになります。

心でやるから
心で返ってくる

一生懸命に仕事をしようと
内発的に湧きあがってくる。

【心で経営する】とは、
社員やスタッフを信じ切ること。

私はそう捉えました。

【経営】はもともと仏教用語です。

"経"は、布を織るときの
経糸（たていと）のことで、
意味は、「筋道（道理）を通すこと」

“営"は、それを「行動に現す」

要するに、【経営】とは
筋道が通ったことすること。

筋道が通らないことは、
【経営】とは言えないのです。

今では経営といえば
企業経営のことですが、
先ほどご紹介したように
もともとは仏教用語なので、

【経営】＝【人の営み】＝【人生】

という図式が分かりやすいと思います。

縦糸である経は、

「何のために生きているのか」

「自分自身をどう生かすか」

であり、私はこれを

「縦に筋を通す生き方」と捉えました。

筋が通った生き方をする。

これを肝に銘じて日々

過ごしていきたいと思います。