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【二つの蛙化現象と二つの物語】No.700

2024年06月03日

昨年、Z世代に「蛙化現象」という
言葉が流行ったそうです。

若者が使う「蛙化現象」と、従来
心理学で使われていた「蛙化現象」とは
使われ方が違っているとのこと。

この変化は、２年前位から起っている
ようです。

言葉は時代と共にどんどん変化している
んですね。

これまで「蛙化現象」といえば、
憧れだった人、恋焦がれる男性が、
いざ自分に好意をもってくれた途端に、
生理的な嫌悪感を抱いてしまい、
急に冷めてしまう時に使われていました。

しかし今の「蛙化現象」は、
この段階ではなく、好きな相手と
お付き合いをする中の些細なことが
原因で冷めてしまう時に使われるようです。

・車の運転が下手で駐車券が上手く取れない
・母親を「ママ」と呼ぶ
・走り方が変だった
・誕生日のレストランで割り勘にされた
・遠くから会いに来て交通費がかかるから、
　食事代を多めに払わされた

男性にデート代は無理しても男が出すもの、
格好つけるものという意識も少ないんですね。

「蛙化現象」の語源は、
グリム童話の「かえるの王さま」です。

ある国の王さまが
娘の誕生日プレゼントに黄金の毬を
をプレゼントします。

喜んだお姫様は、
庭で黄金の毬で遊んでいると、
誤って池の中に落としてしまいます。

泣いているお姫様にカエルが
「どうして泣いているの？」と尋ねます。

事情を話したお姫様にカエルが
こう言いました。
「毬を取ってきたら、
　お城で一緒に暮らして欲しい」と。

お姫様は、約束を守るつもりはないが
黄金の毬を取り戻したいと思い、
蛙に「そうします」と言ってしまいます。

実際に蛙が池から毬を持ってくると
お姫様は蛙を置き去りにして毬だけ
持ってお城に帰ってしまいます。

夕ご飯のとき、蛙がお城に訪ねてきます。

事情を知った王様は、
「どんな約束でも守らないといけない」と
言い、蛙を受け入れます。

一緒に食事をし、一緒の部屋で寝るのです。

お姫様は耐えられません。

ここから２通りのお話しがあります。

この蛙は、実は魔法をかけられた王子様
だったのですが、魔法が解けた方法が
２通りあるのです。

ひとつは、お姫様が蛙を壁に投げつけた。
ひとつは、蛙がお姫様にキスをした。

いずれにしても、お姫様は
蛙の本当の姿に戻った王子様を好きになり、
幸せに暮らしたということです。

あなたはどっちのお話しが心に響きますか？

私は、わがままなで残忍なお姫様です。

約束を破ったあげく
その蛙を殺してしまおうと
壁に投げつける。

でもそんな酷いことをしたお姫様が、
素敵な王子様と幸せな結婚生活を送る
なんて、どう考えたらいいでしょうか？

人の心は弱くわがままで残忍です。

でも幸せに暮らすこともできる。

この「蛙化現象」なかなか奥が深いです。

次回以降も「蛙化現象」について、
考えてみたいと思います。

ではでは