オレンジメールにて配信したメルマガのバックナンバーです。

袖振り合うも
（そでふりあうも）

他生の縁
（たじょうのえん）

ちょっとすれ違うだけの人でも
ご縁があるという意味です。

ポイントは「他生」の縁です。
「多少」の縁ではないんです。

日本には１億２千万人も住んでいます。

「袖振り合う」というからには
着物を着ていた時代から言われて
きたんだと思います。

明治維新の日本の人口は推計で、
3,340万人という数字があります。

人口は約３.６倍です。

そう考えると同じ時、同じ場所に
出会う人は、自分にとって、
「深い」縁があると考えることは
間違いないような氣がします。

「他生」は、仏教用語で前世や
来世など現世以外という意味です。

この諺に込められた意味は、
すれ違っただけの人でさえ深いご縁が
あるから、そのご縁を大切にしなさい
ということになります。

同じクラスで學ぶ仲間
同じ職場で働く人
同じマンションに住む人
同じ地域に暮らす人

こうしたご縁のある人との関係性を
もっと大切にしていくべきでは
ないでしょうか？

人はもっともっと謙虚さをもつべき
ではないでしょうか？

みんながこう考えれば、世の中から
ハラスメントはもっと減ると思います。

人を「切る！」と露骨に口にしたり、
不愉快な思いをしたので「逆切れ」し、
対話をせずに逃げていく人がいます。

「他生」の縁があるから、
同じ時間、同じ場所にいるのです。

俯瞰したり、長尺で捉えてみれば、
意見の違い、言い方や態度の悪さ
からくる感情による行き違いは、
本当は取るに足らない些末なことだと
考えられないでしょうか？

この考え方は、現実的ではないと
いわれるかもしれません。

しかし、私は最近つくづく思うのです。

負の感情に支配された結果、
自分が起こす行動は、
本当にそれで良いのか？と考え、
もう一度、立ち止まって、自問自答する
習慣をつけるべきではないか？

さて、ほんの些細なことですが
最近、身の回りに起こった
「袖触れ合う程度」の出来事をいくつか
ご紹介したいと思います。

まずはこの間の日曜日の夜のことです。
東京から豊橋まで新幹線「こだま」に
乗りました。

乗り込む際、私の席は通路側でした。
窓側の席の若い女性とほぼ同じ
タイミングで席に着きました。

お互いスーツケースを引いています。

席に着くまでの成行きで、
彼女のスーツケースを私が網棚の上に
乗せてあげることになったことから、
打ち解けた空気感になりました。

「こだま」なので各駅停車です。

どの駅か忘れましたが、女性の前の席
の乗客が降りるために通路を歩き出した
人の背中を指差しました。

私は彼女が、降りていく人の忘れ物を
発見したのかなと思い、すぐに前の座席を
見たのですが、なにも見当たりません。

「ん？？　どういうこと？？」
　何があったの？」と思い

私の隣に座っている女性の顔を見ました。

彼女は、リクライニングを戻さずに
下車したことがルール違だと、
私に訴えていたのです。

繰り返しますが女性の席は窓側でした。

私の前を通らないとリクライニングを
戻せないため、私は前の座席に行き、
レバーを引き、座席を元に戻しました。

これをきっかけに、マナーが悪いよね
という話から、私は彼女に名刺を渡し、
コミュニケーションの話や睡眠の話など、
私がやっている仕事などについて、
話しながら移動しました。

下車する前には、私が持っていた七夕の
イベントパンフレットまで渡すことが
できました（笑）

この女性、たぶん私の娘よりも
若いように感じられました。

以前、私は、自称「人つなぎ人」と
公言していたことがあります。

この想いは今でも変わっていません。

人のご縁は繋ぐもの。

もっともっと「ご縁」を活かすために
器を大きくしたいと思います。

袖振り合うも他生の縁ーその２は、
スーパーのレジ待ち時での初老の女性
のお話をさせていただこうと思います。

ではでは