税理士 神佐真由美が毎週発信する、会社経営や、家庭経営、そして、人生の経営にちょっと役立つメルマガです。 税務や会計を中心に、日々の仕事での気づきを混ぜながら。

こんにちは！
税理士の神佐真由美です。
今日もご開封いただき、ありがとうございます。

本日のメルマガの内容です。
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１．黒字が出ていたら問題がないか？そこに潜む問題に気付けますか？
２．現在＆これから公募の補助金　中小企業新事業進出補助金
３．おすすめ書籍　今週はお休みです。
４．セミナー＆イベント情報
５．活動日記　シンガポールからのお客様と日本観光

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１．黒字が出ていたら問題がないか？そこに潜む問題に気付けますか？


黒字が出ていて安心していたけれど、実は問題があった、という事例をお話します。

もちろんフィクションですよ！


地域で有名な和菓子メーカーが、京都駅のような観光地の中心である駅で、

小さな店舗を設け、商品を売り出すことになりました。


その駅といえば、地域を代表する駅で、たくさんの観光客や出張者の方が訪れます。

地域を代表するお菓子を売り出したい、ということで、

スタンダードなラインナップとは一線を画し、プレミアムな商品を開発。

そのために設備も増設して、プレミアム商品を製造し、駅の店舗で販売することに。

プレミアム手焼きせんべい　５枚入り550円です。


部門別会計をしているので、その店舗での売上や損益はわかるようになっています。

店舗開設から半年、ふたをあけてみると･･･

とても売れ行きがよく、売上は月120万円、高い駅のリベートを払って、人件費などを差し引いて、

経常利益は15万円/月の黒字でした。

黒字が出てよかったですね！社長！！

（部門別会計ちゃんと導入しておいてよかった～～）

と、ここで終わりではありません。



黒字だから、って問題が本当にないでしょうか？

新しい取り組みで、ちゃんと利益が出たから、いいじゃない。

赤字じゃなくてよかったじゃない。

ついつい、そのような判断になってしまうかもしれません（特に、会計人）。


試算表だけを見ていると、そのような判断になるかもしれませんが、

いくつか問題が潜んでいます。

どこが問題でしょうか？



１つは、もっと売上が増やせるんじゃないか？ということです。

具体的には、プレミアム手焼きせんべい550円　という価格設定と、

駅のお土産売場という場所の関係です。


京都駅などの駅のお土産売場は、当然ながら観光客や出張の方などが、お土産を買う場所です。

お土産はどのくらいの価格のものを選ぼうとするでしょうか？

職場や、お世話になっている人などへの"ちゃんとした"お土産を買うとき、いくらくらいのものを探すでしょうか？


550円のものは選ばないことが多いように思います。

ちゃんとしたお土産･･･を探すとき、だいたいの相場は2,000円～3,000円で選ぶように思います。

550円のプレミアム手焼きせんべいは、ちゃんとしたお土産を選ぶ人には、価格でスルーされてしまいます。

550円のお品を、そのくらいの価格になるように組み合わせて、

ちゃんとしたお土産として選んでもらえるようにすることで、スルーされなくなると思います。


550円のおせんべいは誰に買ってもらっているのか？ということですが、

ちゃんとしたお土産というよりも、"ちょっとしたお土産"で選ばれていたり、

新幹線などの移動中で、自分で楽しむ"自分のためのお菓子"として選ばれていたのでしょう。


同じ商品でも、

異なる目的カテゴリー（ちゃんとしたお土産、ちょっとしたお土産、自分用）のニーズに対応することで、

売上をとりこぼさずに済む、という事例でした。

これが上手くいけば、売上はもっと上がりますね。


黒字か、赤字か？はわかりやすい問題です。

黒字が正解で、赤字はよくない、ということが明らかであるからです。


しかし、数字だけではなくて、その事業の現場や取り巻く環境などを観察していくと、

異なる問題が見つかることがあります。

今回は、駅のお土産売場に来る人（ターゲット）の目的カテゴリーと、そのニーズへの対応です。

"ちゃんとしたお土産"ニーズには、対応できておらず、売上を逸失していたのではないか？

ということが問題として浮かびあがりました。

黒字だからと言って、安心していてはいけない、という事例でした。



実はもうひとつ、問題（かもしれないこと）があります。

地域で有名な和菓子メーカーが、駅で売り出すことをきっかけに、

プレミアムな新商品を開発し、設備を増設した・・・とありますが、

観光客や出張で来られている方は、そのメーカーのそもそもの商品を知らなかったとしたら、

プレミアム商品の価値がわからないかもしれません。

プレミアムな商品を出すのであれば、普段のファンに対して、周年記念などの機会の方が伝わりやすいでしょう。

今の設備の増産で対応できたのであれば、追加の設備投資も、再考できたかもしれません。

結果的に、利益が出ることになったので、オーライではありますが、

せっかく開発するプレミアムな商品は、その価値がわかるお客様に伝えたいところですね。


この事例はもちろんフィクションです。

試算表を見て、黒字か、赤字かだけでジャッジしていては、これらの問題には気づけないかもしれません。

このような数字では見えにくい問題にも、気付けるようになりたいと思っています。


こんなことを、事業再生の実務豊富な、公認会計士の弓削先生に師事して学んでいるところですが、

お客様のビジネスそのものへの視点を養うことができて、とてもありがたいです。

関心を持つだけでなく、知識を持ってみていかないと、潜む問題に気付けないからです。


問題に気付けると、そこに課題が生まれ、取り組むべきアクションを設定することができます。

問題は、現状の把握と、あるべき姿のギャップから生まれますが、

本当のあるべきところはどこなのか？がわからないと問題に気付けません。

（今回だと、売場に合った価格設定やプレミアム商品の価値が伝わる場所、などですね。）


会計で現状認識は部分的にはできますが、会計以外の情報もプラスして、現状の把握をし、

ギャップに気付けるように、自分自身の目を養っていきたいと思います。



（税理士などの会計人向けに、毎月勉強会を京都で行っておりますが、

　ご興味のある専門家の方や、おすすめしたい方がいらっしゃったら、ぜひお声がけください！

　詳細をお知らせいたします！）



２．現在＆これから公募の補助金　中小企業新事業進出補助金


・中小企業新事業進出補助金　New!!
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/shinjigyo_shinsyutsu.pdf


・事業再構築補助金（今回で最後です　3月26日まで）
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/


・IT導入補助金2024 （今年度分は終了しました）


・中小企業省力化投資補助金（随時受付）
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、
IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。
↓カタログの内容が増えています！↓
https://shoryokuka.smrj.go.jp/product_catalog/


・中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金 （2025年2－3月頃に公募を開始）
https://seichotoushi-hojo.jp/
https://seichotoushi-hojo.jp/information/2025/01/29.html
補助上限が50億円で、10億円以上の投資が対象となります。


・省エネルギー投資促進に向けた支援補助金
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/support/


・事業承継・引継ぎ補助金（次回公募　詳細未公開)
https://jsh.go.jp/r5h/
2019 年 9 月 17 日～2024 年 9 月 16日に事業承継をした
事業承継者の新しい取り組み支援（経営革新支援）や、
M＆Aにかかる費用の支援（専門家活用型）があります！


・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
（第19次締切はまだこれから）
https://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html


・小規模事業者持続化補助金（第17回公募まだ・・・）
https://s23.jizokukahojokin.info/


・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
地域の公募情報も手に入ります。

・このページ便利です！
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/support.html


３．おすすめ書籍　お休みです。


４．セミナー情報＆イベント情報


★大阪産業創造館様　主催セミナー★

・管理会計シリーズのセミナーが毎月開催！頑張ります！！

■10/23無事終了しました！
数字を経営に活かす「月次決算」―翌月10日の決算で経営判断の精度を上げる！―
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=45031

■11/19無事終了しました！
数値計画を実現させる「予算管理」 目標を実現させるためのポイント
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=45045

■12月17日無事終了しました！
数字を戦略的に活かす「変動損益計算書」―収益構造を図解して経営改善につなげよう！
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=45470

■1月21日開催 無事終了しました！
課題を明確にする「部門別会計」　採算性を見極めて高収益に繋げよう！
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=45246

■2月18日開催 投資意思決定会計
事業投資判断に役立つ「意思決定会計」失敗しないための基礎フレームワークと投資評価
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=45545

いずれも14時～16時30分　の予定です。


・産創館には、お役に立つセミナーがたくさん企画されています。
https://www.sansokan.jp/events/


■インテックス大阪でも講演させていただくことになりました！

【DXPO大阪25】バックオフィスDXPO -IT・DX展示会-
経営判断を加速する「月次決算」導入のススメ ～押さえておきたい仕組みづくりのポイント～
https://dxpo.jp/real/box/osaka25/conf.html#b118



５．活動日記　シンガポールからのお客様と日本観光


先月、数年来ずっと行き来しているシンガポールの友人ご夫妻が、日本に来てくださいました。

Ongさんご夫妻とおっしゃるのですが、

もう何度も日本に来られていて、主な観光地はだいたい回っているそうです。


どこに行ってみたい？とお聞きすると、中山道を歩いてみたい、と。

ということで、我が家と一緒に、朝から新幹線と特急を乗り継いで、岐阜県の馬籠宿から、長野県の妻籠宿までを歩きました。


お天気はよかったですが、雪が積もっているところもあって、

常夏の国から来られたお二人は、雪道がとても怖かったようですが、

昔はこの道を使って、江戸と大阪や京都を行き来してたんですよというようなお話もできて、

楽しい１日となりました。


7年ほど前に、シンガポールのTax accountantであるOngさんから、

シンガポールの税制についてディスカッションするFacebookのグループにお誘いいただいた、というのがご縁の始まりですが、

私の英語力が乏し過ぎて、グループではディスカッションもできずじまい。


来日されても、なかなか私の英語は上達せず、

毎日少しずつですが、アプリで英語の学習を続け、今回はいろんなことをお話できるようになりました。

やっと・・・日本とシンガポールの税制の違いについて、お話ができるようになりました。まだまだですが。


「円がこれだけ弱くなって、物価も上がるでしょう？人々の暮らしは大丈夫なの？」

と外から見ても心配になるくらい、日本円は安くなったようです。

一方で、シンガポールを始め諸外国では、（賃金も）物価も上昇中とのこと。

どんどん差が開いているのではと思いました。

来てもらうハードルは下がるけれど、こちらが出ていくハードルは上がるばかりですね。


経営も家庭も舵取りが大変な時代です。

どこにどんなチャンスがあるんだろう？と考えながら、

これまで通りにはいかないこれからを生きていかないと、と思います。


いつも、そして本日もお読みいただき、ありがとうございました。

今週も、皆さんにとって、たくさんよきことがありますように！


　　神佐　真由美


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