第351号★月次決算で、何を振り返っていますか?――ドラッカーに学ぶ「数字の読み方」/仕事が速い人がいつも頭においていること/「経営計画」そのものを欲しい人はいないのではないか【税理士 神佐真由美】
税理士の神佐真由美です。
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.月次決算で、何を振り返っていますか?――ドラッカーに学ぶ「数字の読み方」
2.現在&これから公募の補助金
3.おすすめ書籍 仕事が速い人がいつも頭においていること
4.セミナー&イベント情報
5.活動日記 「経営計画」そのものを欲しい人はいないのではないか。本当に欲しいのは・・・
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本日のメルマガの内容をGeminiNotebookでポッドキャスト風にしています。
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1.月次決算で、何を振り返っていますか?――ドラッカーに学ぶ「数字の読み方」
前回は、マーケティングとイノベーションについて、3社の事例と一緒に考えてみました。
今回はその続きで、毎月の「月次決算」のお話です。
月次の数字を出して、どのように振り返りをしているでしょうか。
「今月は黒字か赤字か」 「予算に届いたか」だけを見ていないでしょうか。
これだけでは、せっかくの会計データがもったいないことになっているかもしれません。
ドラッカー先生は「成果は会社の外にしかない」と言っています。
そう考えると月次決算は、成績表というより、数字を手がかりに
「外で何が起きているか」を読む場なのかもしれません。
ドラッカー先生の考え方から、大事にしたい視点を4つご紹介します。
1)予想より「良かったところ」から見る
月次の会議は、未達の原因探しから始まりがちだと思います。
悪かったところは目につきやすく、良かったところは「順調で何より」で終わってしまいます。
ドラッカー先生は、問題点を並べたページとは別に、
期待を上回った項目を並べたページを作ることを勧めています。
予算や前年より伸びた商品、お客さん、地域はどこか。
それは「たまたま」なのか、市場が変わり始めた兆しなのか。
たとえば、力を入れていなかった商品が前年の1.5倍売れていたとします。
合計の数字だけ見ていると埋もれてしまいますが、
「誰が、なぜ買ってくれたのだろう」と一歩踏み込んでみると、
思ってもいなかった使われ方や、新しいお客さんの層に気づけるかもしれません。
前回お話しした「予想外の成功」は、毎月の数字の中にも隠れているように思います。
2)利益が「どこから」来ているかを見る
全社の合計だけでは見えないことも、商品別やお客さん別に分けてみると見えてきます。
売上は大きいのに利益がほとんど残っていない商品や取引はないか。
人と時間は、伸びているところと、かつての主力のどちらに多く使われているか。
ドラッカー先生は商品を「今日の主力」 「明日の主力」 「昨日の主力」に分けて考えました。
長年会社を支えてくれた商品ほど愛着があって、気づけば「昨日の主力」に一番手間をかけていた、
ということも意外とあるのかもしれません。
お客さん別に見るのも同じです。
売上の大きいお得意先が、値引きや特別対応を含めて考えると実はあまり利益が残っていなかった、という話も耳にします。
前回ご紹介したヤマト運輸が、長年の大口取引を見直したことを思い出します。
「今ゼロから始めるとしたら、これをやるだろうか」という問いを、
月に一度、数字を見ながら当ててみるのもよさそうです。
このようなことを振り返るためにも、部門別会計や、勘定科目の内訳の工夫が必要なのだと思います。
経営判断のための会計、まさに管理会計です。
3)「未来のため」に使えたかを見る
ドラッカー先生は、利益は目的ではなく、事業を続けるための条件であり「未来のコスト」だと言っています。
今月、新しい試みや人を育てることに、どれくらいのお金と時間を使えたでしょうか。
経費を抑えられた月は嬉しいものですが、そんな月ほど、明日の種まきまで削っていなかったか、
少し立ち止まって見てみたいところです。
あわせて気にかけたいのが資金繰りです。
ドラッカー先生は、成長している会社ほど、利益よりも先に現金の流れを見ておくことが大切だと強調しています。
売上が伸びているのに手元のお金が苦しい、というのは決して珍しい話ではありません。
4)先月の「読み」と比べてみる
ドラッカー自身が長年続けていたのが「フィードバック分析」です。
何かを決めたら、期待する結果を書き留めておき、後で実際の結果と比べるというものです。
月次なら、先月「こうなるはず」と考えていたことと、実際の数字を見比べるだけでも十分だと思います。
「この新商品は月に30個は出るだろう」 「あの値上げで客数は少し減るだろう」。
そんなメモ書き程度でかまいません。
続けていくと、自分の読みが当たりやすいところ、外れやすいところが見えてきます。
それが自社の強みを知る手がかりにもなるそうです。
私たちの事務所では、月1回の月次決算で、どのようなお話をしたか、これからどのような見立てをされているか、
内容を記録するようにしています。
数字だけでなく、その内容まで、しっかり把握したいからです。
4つ並べてみると、どれも数字そのものではなく、その向こう側を見ようとしていることに気づきます。
伸びた数字の向こうには、選んでくれたお客様がいるかもしれません。
減った数字の向こうには、離れていったお客様がいることを示しているかもしれません。
月次決算は、お客様の声を、そして、外部環境の変化を、数字という形で聞く時間、と言えるのかもしれません。
「◯◯なら、〇〇さん」と思い出してもらえる存在を目指したい、というお話をしました。
そこに近づけているかどうかも、どのようなお客様が増えたか、繰り返し頼んでくださる方が増えたかといったかたちで、
毎月の数字に少しずつ表れてくるのだと思います。
全部を毎月やるのは大変かもしれません。
「予想より良かったところを1つ探す」ことから始めてみるのはいかがでしょうか。
また、月次決算のポイントなど、今後も書いていきたいと思います。
少しでもご参考いなりましたら幸いです。
2.現在&これから公募の補助金や融資制度
・【New!!】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金|中小企業基盤整備機構
中小企業等が行う、技術的革新性のある製品・サービスの開発や既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制の強化を後押しします。
https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/
・業務改善助成金|厚生労働省(9月1日から申請受付開始)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
・・【大阪府限定】中小企業の賃上げ促進支援について
賃上げのための財源をつくるための取組を支援する補助金が複数あります。
https://www.pref.osaka.lg.jp/o110050/keieishien/chinagepackage.html
・https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
社会的、経済的環境の変化などにより、一時的に業況の悪化を来している事業者が経営基盤の強化を図るために活用する資金の融資制度です。
中東情勢、全東信破産手続き開始、熊本地震などの相談窓口もあります。
・デジタル化・AI導入補助金2026(第6次10月30日締切)
https://it-shien.smrj.go.jp/
・中小企業省力化投資補助金(一般型は第8次公募10月16日締切)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、
IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。
カタログ型と一般型があります。
カタログ型は締切がなく、随時申請です。
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第24次公募未定)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
・小規模事業者持続化補助金(12月15日締切)
一般型
https://r6.jizokukahojokin.info/
創業型
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
地域の公募情報も手に入ります。
3.おすすめ書籍
仕事が速い人がいつも頭においていること
著:とあるコンサルタントさん
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784763143259
(本の紹介より)
コンサルが実践している
その日のうちに終わらせるワザ
仕事が速い人は、曖昧なまま仕事を始めない
×とにかく目の前のことからやる
◎全体像を把握してから進める
仕事が速い人は、「大至急」をいったん疑う
×「大至急」と言われたら急いでやる
◎「本当に大至急で終わらせないといけないか」から考える
仕事が速い人は、人への依頼から進める
×先に言われたことから手をつける
◎「自分が動かなくても進むもの」を先に走らせる
本書は、毎日降ってくる仕事に追われる側から、
仕事を自分の手でコントロールし、
その日のうちに終えることが
できるようになるための1冊です。
「仕事が速い」と単なる「作業が速い」は異なります。
仕事が速い人がやっているポイントは3つ。
①終わらせ方を決めてから始める
②仕事の「操作性」を高める
③構造的に無理なものを根性で片付けようとしない
著者は、自身もかつてバーンアウト寸前で
転職した経験を持つ現役戦略コンサルタント。
現場で磨かれたテクニックで仕事が速くなり、
タスクにのまれず「余裕」を生む技法を
1冊に凝縮しました。
★おすすめポイント
仕事ってキリがないな~と思いつつ、
上手に終わらせて成果を出している人の思考・行動パターンを取り入れたいと思い、
読んでみることにしました。
読んでみれば、そりゃそうだ、ということばかりではありますが、
これをちゃんと言語化してできているかどうかはまた別の話で。
さらに、その仕事の仕方を、部下になる人に指導できているかは、またその先です。
成果を出す仕事の仕方を、コンサルに限らず、あらゆる仕事に当てはまる考え方を、
行動ベースで落とし込み、わかりやすくかみ砕いだ本です。
こんな仕事の仕方ができたらいいよね、とチームで共有できるとよいかもしれません。
・仕事が速い人は、「目的」と「ゴール」を握ってから動く
・ゴールに至る「ルート」まで分解する
・たたき台を出す人が一番偉いし、主導権を握れる
・人に依頼しないといけない仕事から始める→手をつける順番がある
・完成前に方向性を確認する→やりなおしが一番かき乱すし、めんどくさい
・ポジティブな断り方
・やる気に頼らない、やる気がないときのルーチンを持つ
・考えてわからなければ、わかるとして考えるなど方法を持つ
・失敗を一人で抱え込まない など
4.セミナー情報&イベント情報
★角谷会計事務所 主催セミナー★
◆11月5日(木)14:30 - 17:00 @京都 烏丸御池 懇親会あり(希望者のみ)
変わる前提、変える経営。
― 2027年に向けて、これからの「稼ぐ力」を考える ―
https://mijikanazeirishi.tkcnf.com/seminar
物価高騰、人件費上昇、金利UP・・・様々な"前提"が変わる中で、
じっくりこれからの経営の舵取りについて、考え、描くためのセミナーです。
関与先様以外の方でもご参加いただけます。大歓迎です!
★大阪産業創造館様 主催セミナー★
◆10月6日(火) 14:00 - 16:30
【セミナー】 <管理会計シリーズ>
数字を経営に活かす「月次決算」―翌月10日の決算で経営判断の精度を上げる!― https://ebis.obda.or.jp/service/505595/detail
いよいよ明日!頑張ります!
◆10月22日(木) 14:00 - 16:30
【セミナー】 <管理会計シリーズ>
数値計画を実現させる「予算管理」 目標を実現させるためのポイント https://ebis.obda.or.jp/service/505604/detail
◆11月26日(木) 14:00 - 16:30
【セミナー】 <管理会計シリーズ>
数字を戦略的に活かす「変動損益計算書」 ―収益構造を図解して経営改善につなげよう! https://ebis.obda.or.jp/service/506302/detail
◆12月17日(木) 14:00 - 16:30
【セミナー】 <管理会計シリーズ>
課題を明確にする「部門別会計」 採算性を見極めて高収益に繋げよう! https://ebis.obda.or.jp/service/506304/detail
1~3月もあります!
・産創館には、お役に立つセミナーがたくさん企画されています。
https://www.sansokan.jp/events/
5.「経営計画」そのものを欲しい人はいないのではないか。本当に欲しいのは・・・
当事務所では、すべての事業者であるお客様に、経営計画の策定をご支援しています。
だから、毎月、ちゃんとお客様の経営計画の策定を支援したか、を会議で振り返るのです。
ある日、ふと思ったのです。
経営計画が「欲しい」人なんて、実はいないのではないか、と。
ホームセンターにドリルを買いに来る人は、ドリルが欲しいわけではなく、穴をあけたいのだ、という有名な話があります。
経営計画も同じではないでしょうか。
欲しいのは計画書という紙の束ではなく、いま抱えている悩みが解決していく道筋のほうです。
資金繰りが気になって夜中に目が覚める。
人が定着しない。
後継者にどう引き継ぐか決めきれない。
この先どちらへ進むべきか、ぼんやりとしか見えない。
経営者の悩みは人それぞれで、しかも誰かに気軽に相談できるものばかりではありません。
経営計画は、その悩みを言葉にして、「ではどうするか」を順番に並べていく道具なのだと思います。
だから、出発点は売上目標の数字ではなく、「社長、これから、解決したいと思っていることは何ですか」という問いになります。
きれいな書式を全部埋めたのに、棚にしまわれたままの計画書。
もしかしたら、誰の悩みにも答えていないかもしれません。
逆に、たとえ紙一枚でも、社長が「次はこれをやればいいんだな」と思えるなら、それは立派な経営計画です。
もうひとつ興味深いのは、計画をつくっているうちに、悩みそのものが姿を変えることです。
「売上が足りない」と思っていたら、本当の課題は値付けだった、というように。
悩みを正しくつかみ直せることも、計画づくりの大きな効用だと感じています。
物価高騰、人件費上昇に人手不足、金利UP、経営するだけで大変な時代で鵜s。
自分の悩みをどう計画に落とし込めばいいのか。
そのヒントを、11月5日の事務所セミナーで皆さんと一緒に考える内容にしています。
難しい書式の話ではなく、「悩みから始める経営計画」の考え方を、事例を交えてお伝えする予定です。
経営計画と聞いて少し身構えてしまう方にこそ、聞いていただきたい内容です。
ご興味ある方、ぜひご参加のご検討をしていただけると幸いです。
いつも、そして本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週も、皆さんにとって、たくさんよきことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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