相続・離婚・ローンなど「家を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.22、2024年3月12日号)
◎実家が空き家に / 理由トップは「解体に費用がかかる」 / 長期間放置でリスク多く / 価格下落や建物崩壊の責任なども | 都市開発推進協会
就職や結婚を機に実家を出て、自分たちの家を持ち、子育ても一段落するころには、相続で実家の今後をどうするのか考えなければならない時期となります。空き家をそのままにする理由アンケートによると、やはり「解体に費用がかかるから」がトップでした。2位以下を順に挙げると――。
2位=思い入れがあって手放せない
3位=将来的に使う可能性があるから
4位=本当は売却したいが価値がなく引き取り手がいない
5位=資産価値をなるべく維持しつつ実家を残したい
6位=めんどくさくて考えたくない
7位=更地にすると固定資産税が上がるから
8位=他の用途で利用する可能性がある
理由は様々ですが、自分が育った実家を解体するのに逡巡してしまうようです。空き家を放置しておくと大きなリスクがあります。遠い実家の処分や維持をどうするのかは、まだ相続が発生していない状況であっても頭痛のタネとなっているようで、相談件数も多いのが現実です。各リスクを細かく見ていきましょう。
【資価値が下落するリスク】
①建物の密閉状態が続くと、湿気やホコリなどが原因となってカビが異常繁殖しやい。
②タンスやソファーなどの家具が傷む。
③フローリングのヒビ割れや畳の腐食が発生する。
④玄関周りの部分朽廃や、ドアに歪みが発生する。
⑤シロアリが大量に発生する。
⑥風呂場や流し台の排水口内やトイレの滞留部の封水が蒸発し、悪臭の原因となる。
⑦ハチの巣ができるケースもある。
⑧窓周りコーキングの劣化で雨が侵入する。
⑨ネズミが配線をかじり、電気設備が故障、火災が発生することもある。
――上記の事態を未然に防ぐには、定期的に保守・点検をすることが必要です。
【所有者責任のリスク】
民法第717条では、空き家所有者は建物の崩壊などに起因する事故が発生した際に、「建物の設置または保存に問題があった場合、自己に過失がなくても責任を負わなければならない」ことが定められています。いわゆる、所有者の「工作物責任」に問われます。
【特定空き家への指定リスク】
2015年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる「空き家対策法」の施行がありました。同法に位置付けられた「特定空き家」とは、空き家対策法に基づく指定を受けると、「危険な空き家」であることを行政が認めたことになります。空き家の敷地内や周辺でどういう状況になっていると、指定を受ける可能性があるのかを見てみましょう。
①地域景観の悪化
②害虫の発生、野良猫・野良犬などの集中、不法投棄による生活環境の悪化
③建物や塀などの倒壊、屋根材・外壁材などの飛散・落下
④隣接地への草の浸入や樹枝の越境
⑤火災の発生
⑥犯罪の発生・誘発
⑦不審者の不法滞在
――などのようです。
空き家対策法では、地域に深刻な影響を与える危険な空き家を「特定空き家」として指定することができます。特定空き家に指定される可能性のある具体的な空き家像としては、次の項目が当てはまるようです。
①倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態の空き家
②著しく衛生上有害となるおそれのある状態の空き家
③適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態の空き家
④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態の空き家
特定空き家に指定されると、最終的には行政代執行によって強制的に取壊しが行われます。取壊し費用に関しては、所有者に請求されます。
◆相続発生前から家族で話し合うことも必要◆
仮に、所有者が取壊し費用を支払うことができない場合、自治体が行う公売で土地を売却します。特定空き家の指定を受けると、土地まで失う最悪のケースもあり得るということです。特定空き家への指定を回避するには、空き家を適切に管理することの一言に尽きます。「実家の空き家」――問題が表面化しないようにすることも一つの方策です。相続が発生する前から、ご家族と話し合っておくことは、空き家化を防ぐうえでも必要なプロセスとなります。
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