相続・住替えなど「不動産を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.153、2026年10月6日号)
◎実家の相続名義人(上) / 登記の義務化で不可欠に / 残った親が相続「配偶者居住権や子ども間の紛争回避」で
相続の相談の中で一般的な家族構成--両親と子ども2人で、父親が亡くなり相続が発生した場合、父親の遺産となっている自宅不動産をどうしたらいいのか、多くの母親と子どもが頭を抱えるケースが多い。たいていは母親が相続し、登記により母親名義になるのが一般的なのだが、その結果が「最適解」となるケースばかりではないことがある。
令和6年4月1日から不動産を相続した場合の義務的な制度として「相続登記の申請」が開始した。父親の遺産を母親に寄せるのは真っ先に考える選択肢の一つでもある。子どもたちが独立し、実家を引き継いでいない場合は、実家の名義を母親にしようとするのはごく自然な流れだし、そのようにするのが最善だと考えるのである。しかし、この選択肢にも長・短所があるのを知らないケースが多いようだ。
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◆忘れがちな相続の優遇税制の活用◆
被相続人が父親,相続人が母親、子ども2人の場合、一般的には母親名義で実家を相続登記する。親二人で築いた財産でもある実家ならなおさらだ。特に子どもたちが独立し、実家を出ている場合は、実家を母親名義にしようと考えるのは、最も自然な流れでもある。
まずは一人残った母親が実家を相続する際の主なメリットは、①母親の居住権を確保できる、②子ども同士の争いを防ぐことができる、③相続に関連した優遇税制を活用できる――などだ。具体的には、実家を子どものどちらかの名義にした場合でも、母親が使用貸借(配偶者居住権登記)で住み続けることができる。
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◆「母親が相続」子どもたちの納得感も◆
しかし、登記名義人を母親にしておけば、法律上も母親が居住権を確保でき、確実に住み続けることができる。母親にしても住む場所を確保できて安心できるわけだ。一方、子ども名義にした場合、万が一に親子の折り合いが悪くなったらどうなるのか――所有者の子どもが「出て行ってほしい」と主張した場合、母親の立場は非常に不安定になる。その意味で、母親名義にするのは、十分なメリットの一つとなる。
また、子ども同士の争いを回避できるメリットもある。子どもが複数人いる場合には、子どものうちのだれか1人の名義にしてしまうと、他の子どもから不満が出て、調停・裁判といった紛争に発展する恐れがある。母親の名義にするのは、紛争を未然に防ぐ意味も含んでいるのだ。
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なにしろ、母親が相続すれば、子どもたちも納得しやすい。意外に知られていないのが、税制上の特例を最大限利用できる点だ。配偶者控除制度により、相続税の支払いが不要になったり、納付額を大きく減額できたりする可能性がある。遺産が不動産だけでしかも都心部の一等地だったりすると、配偶者の控除で1億6千万円までの枠があり、大きなメリットを享受できる。(つづく)
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記事一覧
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