相続・住替えなど「不動産を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.150、2026年9月15日号)
◎自宅処分(上) / 相続手続き時、照会制度を活用せよ / 数が少なければ「当日交付」も
相続で遺族が真っ先に直面する課題は、「煩雑な手続き」だ。政府は手続きの効率化を進めようと、2024年3月から亡くなった人(被相続人)の戸籍情報に関し、本籍地が遠方だったり、生前の転居などで請求先が複数あったりする場合に、最寄りの役場でまとめて取得できるようにした。
また被相続人の財産を一括で照会できる制度も合わせて創設した。預・貯金については25年4月から、不動産については26年2月から制度利用がスタートした。各制度を活用すれば、相続手続きの煩雑さが軽減される。半面、相続人の個人情報の保護・管理との兼ね合いがあり、安易に飛びつくのも注意が不可欠だ。
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◆亡くなった人の戸籍を全部調べる◆
相続手続きにはそろえなければならない書類がある。たとえば、相続で財産の分け方を決めるには、相続人を確定するうえで、被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本をすべて集める必要がある。戸籍を遡れば、被相続人に離婚経験があり、前の配偶者との間に子どもがいるなどといったことが判明する。
また、被相続人が転居により複数の本籍地がある場合、子どもなど相続人はこれまで各地の役場に出向いたり、郵送で請求したりして、戸籍謄本を集める必要があった。すべての戸籍を集めるだけで、数か月かかるケースも少なくない。戸籍謄本は遺産相続がもめて、家庭裁判所に調停を申し入れるには不可欠な書面だ。
◆国の新システム「戸籍情報連携システム」活用を◆
全国の市区町村と法務省をつなぐ「戸籍情報連携システム」が24年3月に稼働。システムの稼働に伴い、利用者が自身の居住地である最寄りの役場で申請を行えば、同システムを通じて被相続人の出生時、転居時、死亡時の本籍地の役場から戸籍謄本をまとめて入手できるようになった。
これまで申請者は、本籍地の市区町村役場の窓口に出向き、戸籍謄本の取得手続きを行う必要があり、同謄本であれば1通あたり450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本であれば1通あたり750円それぞれかかる。これまでのように郵送の場合だと、1通あたり1か月以上かかるし、遠方の役場だと交通費もかかる。
同システムの活用により、交付までにかかる日数は、役場で窓口対応によって相違があるものの、本籍地があった市区町村が少なければ、当日交付も可能になる。数が多くても1週間程度とする自治体もあり、書類の収集がかなり効率化できるようになった。
◆被相続人の財産をすべて確認、相続人がすべて調査◆
相続手続きを円滑に進めるには、被相続人がどんな財産をどれだけ保有していたかを確認することが最も大切。遺言書を残しているのであれば、原則として遺言に沿って財産を分けることになる。遺言書がない多くの場合は、相続人が自力で財産を調べ、遺産分割協議でだれが、どの財産を、どれだけ引き継ぐのかまでを話し合いで決める。調べるのも決してスムーズに進展するとは限らいのが現実だ。(つづく)
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